36時間(1964)
劇場公開日:1965年3月4日
解説
ロアルド・ダール原作の「犬にご用心」とカーク・K・ヒットマンとルイス・H・バンス共作のストーリーを「零下の敵」のジョージ・シートンが脚色・監督したスパイ映画。撮影は「ピンクの豹」のフィリップ・H・ラスロップ、音楽は「ローマ帝国の滅亡」のディミトリ・ティオムキンが担当した。出演は「セパレート・ベッド」のジェームズ・ガーナー、「栄光への脱出」のエヴァ・マリー・セイント、「ニューヨークの休日」のロッド・テイラー、ワーナー・ピーターズ、ジョン・バナーなど。製作はウィリアム・パールバーグ。
1964年製作/アメリカ
原題または英題:36 Hours
配給:MGM
劇場公開日:1965年3月4日
ストーリー
連合軍最高指令部のパイク少佐(ジェームズ・ガーナー)は独軍の動向を探るためリスボンに行ったが、そこで麻薬入りのコーヒーを飲まされ、気づいたときは病院にいた。鏡を見て愕然とした。別人のように変わっているのだ。主治医のゲルバー軍医少佐(ロッド・テイラー)の説明によると、すでに6年目をナチ政権滅亡以来経過しており、記憶喪失症で療養中だという。看護婦のアンナ(エヴァ・M・セイント)と二カ月前に結婚していた。ナチに拷問された彼女に同情したものらしい。だが、これが全部罠だったのだ。現実は大陸侵攻作戦の最中で連合軍の上陸地点がカレーかノルマンディーか探るため、パイクを掴まえて秘密をひきだそうとした作戦だったのだ。パイクは過去の記憶としてノルマンディー上陸を口にしたが、ゲルバーの失脚を狙うシャック(ワーナー・ピーターズ)は、カレー上陸を信じ、これを無視した。パイクはふと指の傷に気づいた。リスボンを出発前、作戦地図の端で切ったものだ。不審を抱いた。諜報員の感がひらめいた。アンナを責めてそのからくりを白状させた。計画の失敗でパイクとアンナは獄に入れられた。ゲルバーはあきらめず、獄中の2人を訪ね連合軍ノルマンディー上陸の偽ニュースを聞かせ、パイクの反応からノルマンディー侵攻を確認した。ゲルバーは2人を脱出させ、自殺した。パイクとアンナはあるドイツ人の計らいで無事スイス領に逃れた。追跡したシャックは、皮肉にも国境警備兵に殺された。ナチにいためつけられ、涙さえ渇いていたアンナに、「自由」が肌から感じられたとき、あふれ出る涙があった。心ならずもパイクをだました彼女に、敬愛と恋情が芽生えていたのであった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョージ・シートン
- 脚本
- ジョージ・シートン
- 原作
- ロアルド・ダール
- ルイス・H・バンス
- カーク・K・ヒットマン
- 製作
- ウィリアム・パールバーグ
- 撮影
- フィリップ・H・ラスロップ
- 音楽
- ディミトリ・ティオムキン