殺人者にラブ・ソングを
劇場公開日:1973年6月30日
解説
TV「アイ・スパイ」でおなじみのヒッキーとボッグスの私立探偵コンビが警察権力の向こうを張って活躍するアクション映画。製作は「アイ・スパイ」で撮影を担当していたフォアド・セイド、監督は作家兼俳優でこの作品が監督デビュー第1作目に当るロバート・カルプ、脚本もこれがデビューとなったウォルター・ヒル、なお彼はこの後、「ゲッタウェイ(1994)」「おかしなおかしな大泥棒」を執筆している。撮影はウィルマー・バトラー、音楽はテッド・アッシュフォード、編集はデイビッド・ベラツスキーが各々担当。出演はビル・コスビー、ロバート・カルプ、ロザリンド・キャッシュ、カルメン、ルイス・モレノ、ロン・ヘンリック、ロバート・マンダン、マイケル・モリアーティ、バーニー・シュワルツ、ヴィンセント・ガーディニア、ジャック・コルヴィン、レスター・フレッチャーなど。
1972年製作/アメリカ
原題または英題:Hickey & Boggs
配給:ユナイト
劇場公開日:1973年6月30日
ストーリー
刑事くずれの探偵コンビ、アル・ヒッキー(ビル・コスビー)とフランク・ボッグス(ロバート・カルプ)は、御多分にもれず財政状態は最低。女房持ちのヒッキーなどは女房ニオナ(ロザリンド・キャッシュ)から追いだされている。そこへ久々の大口の調査依頼があった。ライス(レスター・フレッチャー)から、メリー・ジェーン(カルメン)という女を探してくれというのだ。わずかなヒントはファローとケマンドという名前だけ。このライスという男、警察と暗黒街を器用に立ち廻り、時に故買にも手をだす。普通の尋ね人ではないと思っていたが、案の定、ファローは死体となって発見された。その傍らにあった千ドル紙幣は、去年ピッツバーグ銀行から奪われた40万ドルのうちの千ドル札と判明した。この事件は殺人強盗を働いたギャングがだし抜かれて運転手に金を持ち逃げされたというもの、運転手は殺されたが金は行方不明で、彼の情婦が隠していると思われる。この事件には25万ドルの賞金がかかっている、と警察はいまいましそうに教えてくれた。2人の探偵はメリーがその女だと確信した。盗んだ紙幣の番号が知られている以上紙幣故買人に頼まなければならない。どうやら依頼してきた組織は警察やギャングよりも早く女を見つけたがっているらしい。2人はケマンド(ロン・ヘンリック)を訪ねたがs何も知らぬという。ようやくのことで女のアパートを探しだしたが、誰もおらず逆に3人組の男に襲われ、辛くも脱出した。そしてケマンドが惨殺された。その夜、依頼人のライスが調査打ち切りを宣言した。メリーを探しだしたのだろう。しかし2人はフォローが殺された現場で発見したメモを頼りに、ロサンゼルス・コロシアムに現われた。さらにメリーの連絡によってドジャース・スタジアムに駆けつけ、殺人現場にでっくわす。この事件は新聞で報道され、ヒッキーの女房は、3人組の殺し屋に殺された。ボッグスは死んだケマンドの兄(ルイス・モレノ)が刑務所にいることをつきとめ面会にでかけるが、出所した後だった。身元引受人はメリー・フロリダ・ケマンド。女は彼の妻だったのだ。ケマンドは刑務所の中から妻を動かして40万ドルを奪った。2人はケマンドがいっきに大取引をやってのけようとしてライスとで合うところを押え、拳銃を突きつけながら取引場所の海岸に向かった。やがて爆音が聞こえ、ケマンドの合図でセスナが到着した。そしてメリーが40万ドルの入ったトランクをライスたちに投げあたえた。突然山かげからヘリコプターが接近してきてライス一味に機銃掃射を浴せた。ケマンドに動揺が見えないのはギャングの一味に屈し、ライスを売ったに違いないからだ。車の下にもぐり込んだヒッキーとボッグスにはギャング側も気がつかなかった。彼らはさらにケマンドとメリーをも射殺し、トランクと金袋を積み始めた。ヒッキーとボッグスは機をはずさず攻撃を開始した。ヘリの運転手は倒れ、この大激戦は終わった。広い浜辺に立っているのはヒッキーとボッグスただ2人。ひどい事件だった。ボッグスは両替金の金袋を拾いあげるとヒッキーと共に去っていった。賞金なんていらねえや。やがて警察が死体と共に盗まれた金を発見し、事件落着と喜ぶだろう。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロバート・カルプ
- 脚本
- ウォルター・ヒル
- 製作
- フォアド・セイド
- 撮影
- ウィルマー・バトラー
- 音楽
- Ted Ashford
- 編集
- デイヴィッド・バーラトスキー
- 字幕
- 高瀬鎮夫