鼓書芸人

劇場公開日:

解説

1938~45年、日本軍爆撃下の重慶で苦難の人生を歩む芸人一家の姿をリアルに描く文芸作品。監督・脚本に中国映画第5世代の鬼才ティエン・チュアンチュアン。前作の「盗馬賊」が国内では難解であると不評だったため、本作では大衆性も求められ、ラオ・シャの名作が原作に選ばれたという。撮影はリャン・ツーヨン、音楽はタイ・イーションが担当。

1988年製作/中国
原題または英題:The Street Players 鼓書芸人
配給:TJC東光徳間
劇場公開日:1992年1月10日

ストーリー

北京の鼓書芸人、方宝慶(リー・シュエチェン)は兄の宝森(チュウ・シュイ)、妻、2人の娘と暮らしている。鼓書芸人とはひとりが弦楽器を、もうひとりが太鼓を打ち物語を歌う芸人のことである。宝慶の相方は下の娘秀蓮(タン・ミンティ)だが、秀蓮は人から買いとった娘だった。やがて、日本軍が侵攻し、一家は重慶に逃れ、そこで小さな鼓書場を開く。宝慶の人柄の良さや腰の低さに相まって、秀蓮の愛くるしさは人の目を引き、たちまち見物客は増えていった。宝慶は金を貯めて鼓書の学校を作る夢を持っていて、その夢に少しづつ近づいていくように思えた。だが、それもつかの間、日本軍の爆撃によって店は全焼してしまった。仕方なく郊外へ引っ越し、さらに小さな店を開いた。そんな時、地元のボス王司令が秀蓮の美しさに目をつけ、妾にするため無理に連れていった。しかし、王の女房が秀蓮のあまりの強情さに立腹したため、戻された。再会を喜ぶ一家だったが、辛苦は終わっていなかった。宝森が爆撃で死に、嫁いだ長女は夫に捨てられた。宝慶も病で倒れた。大事に思っていた秀蓮も又、犯され、食いものにされた末、妊娠した体を放り出された。それも宝慶が信じていた親友によって。宝慶は再び秀蓮と鼓書を歌うしかない。重慶が抗日戦の勝利で沸きあがる中、行先もなく旅立つ宝慶一家の姿があった。

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