ココ・シャネル(1981)
劇場公開日:1983年10月21日
解説
世界のファッション界に大きな影響を与えたココ・シャネル、その87年間に渡る生涯は波瀾に満ち謎の部分も少なくない。この映画はクロード・ドレの評伝『ココ・シャネル』(サンリオ出版)を下敷にして、シャネルがパリのファッション・ショウで成功するまでを描いている。製作はラリー・スパングラー、エグゼキュティヴ・プロデューサーはエリク・ロシャ。監督は「官能の夜」(79)のジョージ・カツェンダー、脚本はジュリアン・モア、撮影はリカルド・アロノヴィッチ、音楽はジャン・ミュジー、衣装はロジーヌ・ドラマレが担当。主題歌『ワン・アンド・オンリー』をピーター・アレンが歌っている。出演はマリー・フランス・ピジェ、ティモシー・ダルトン、ルトガー・ハウアー、「官能の夜」にも出ていたカレン・ブラックなど。
1981年製作/イギリス・フランス合作
原題または英題:Chanel Solitaire
配給:サンリオ映画
劇場公開日:1983年10月21日
ストーリー
1895年、当時10歳のガブリエル・シャネル、通称ココ(リエラ・フレチェット)の母が死亡。父は彼女と妹ジュリアを田舎の孤児院に預けて渡来し二度と二人の前に現われなかった。孤独な日々が続く。ジュリアもココを残して世を去る。18歳になったココ(マリー・フランス・ピジェ)は、大して年の違わない叔母のアドリエンヌ(ブリジット・フォッセー)の家に引きとられた。優しい叔母はココにお針子の仕事を与え、つつましいながら安定した生活が始まった。あるダンス・パーティで、ココは金持ちの地主エチエンヌ(ルトガー・ハウアー)と出会った。勝気で情熱的なココに興味を持った彼は、彼女を屋敷に住まわせ、馬の世話をさせる。だが彼女を恋人としては扱わないエチエンヌに対するココのいらだちが爆発した。かつて愛人だった歌手のエミリエンヌ(カレン・ブラック)がやって来て、エチエンヌと激しく抱きあうのを見た時だ。ココは彼に自分を抱くように命じる。馬小屋での甘美な初体験。エチエンヌは強がって大人ぶるココを優しくみつめる。彼の友人でイギリス人のボーイ・カペル(ティモシー・ダルトン)が屋敷を訪れ、ココを一目見て愛情を抱く。エミリエンヌの勧めで、ココはパリに帽子屋を開く。今では軍人ロベルトの妻となったアドリエンヌをアシスタントにしたこの店は、金持ちの女の間で人気を得て、ココはパリの名物女となる。彼女の最愛の恋人となったボーイが協力する。大富豪の彼は私生児としての辛い過去を背負っており、ココにどこか共通の思いを感じ取っていたのだ。1914年、戦争が始まり、ココは保温性のあるジャージを使って活動的なドレスを売り出し、大当たりをとる。ドービルに開いた支店も順調だった。戦時中にボーイはココに求婚する。だが、戦争が終るとボーイは戦地で知り合った名門の女性と結婚した。激しい怒りと絶望のあまり、ココは長い髪を切ってしまった。ボーイを失ったココの生活は派手になっていく。人妻ミシアとの間に友情以上の感情が生まれ、二人の間の会話から、のちに香水の傑作シャネルの5番が生まれることになる。ココの前に再びボーイが現われ、妻と離婚調停中であることを告げ、もう一度自分の所へもどってほしいと訴える。最初は耳を貸さなかったココだったが、やがてうなずき泣きくずれるのだった。しかし、そのボーイは妻の所へ向かう途中、交通事故で死亡した。過去のさまざまな思い出をかみしめながら、ココは第一回のファッション・ショウの会場にたっていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョージ・カッツェンダー
- 脚本
- ジュリアン・モア
- 原作
- クロード・ドレ
- 製作総指揮
- エリック・ローシャ
- 製作
- ラリー・スパングラー
- 撮影
- リカルド・アロノヴィッチ
- 美術
- ジャック・ソルニエ
- 音楽
- ジャン・ムジー
- 歌
- ピーター・アレン
- 編集
- ジョルジュ・クロッツ
- 衣装デザイン
- ロジーヌ・ドラマレ
- 字幕
- 飯嶋永昭