恍惚(1992)

解説

1920年代のアメリカ、シカゴを舞台に、同性愛者のカップルが少年を殺害したレオポルドとローブの事件の実話をもとにした犯罪ドラマ。監督・脚本・製作はビデオ・短編集映画作家出身で、エイズ教育や、フリーランス・ライターとしても活動するトム・ケイリンで、本作が長編デビュー作となる。共同製作は「ポイズン(1991)」のクリスティン・ヴァション、エグゼクティヴ・プロデューサーはローレン・ザラーズニックとジェームズ・シェイマス、共同脚本はヒルトン・アルス。撮影はドキュメンタリー出身のエレン・クルス。音楽はジェームズ・ベネットが担当。主演は舞台・TVCM出身のダニエル・シュラケット、オフ・ブロードウェイの舞台などで活動してきたクレイグ・チェスター。なお本作は16ミリで撮影され、35ミリにブローアップされて公開された。

1992年製作/アメリカ
原題または英題:Swoon

ストーリー

1924年のシカゴはギャングや密造酒の横行する街。裕福な家に生まれ育った18歳のユダヤ系青年リチャード(ダニエル・シュラケット)とネイサン(クレイグ・チェスター)は、同性愛のカップルで、小さな犯罪を起こして楽しんでいた。退屈する彼らは、ついに子供の誘拐を決行し、勢い余って惨殺してしまう。現場で発見されたネイサンの眼鏡から2人の犯行が割り出され、本格的な取り調べが始まった。リチャードは全てをネイサンのせいにし、彼の言葉はネイサンを打ちのめした。裁判が始まり、弁護側の同性愛=狂気という論点から、結局2人には終身刑プラス99年の刑が確定した。刑に服して10年後、シャワーを浴びるリチャードをジェームズ・デイという男が襲い殺した。ネイサンは、ナイフで首を切られたリチャードの遺体から、2人のペア・リングを外し、それを彼の口の中に入れた。ずっとリチャードを思い続けていたネイサンは、やっと愛の呪縛から解放されたのだった。

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