結婚の夜(1935)

解説

「麦秋」「南風」のキング・ヴィダーが監督に当たったサミュエル・ゴールドウィン作品で、「ベンガルの槍騎兵」「久遠の誓い」のゲイリー・クーパーと「女優ナナ」「復活(1934)」のアンナ・ステンが主演するもの。原作は「令女学」その他を監督したエドウィン・H・ノッフが書き下ろし、「今日限りの命」のエディス・フィッツジェラルドが脚色に任じた。助演者は「その夜の真心」「海を嫌う船長」のヘレン・ヴィンソン「相寄る魂」「空軍の覇者」のラルフ・ベラミー、「世界は動く」「彼女の家出」のシグ・ルーマン、エスター・デール、レオニード・スネゴフ、エリノア、ウェッセルヘツト等で、キャメラは「復活(1934)」「女優ナナ」のグレッグ・トーランドが受け持った。

1935年製作/83分/アメリカ
原題または英題:The Wedding Night

ストーリー

紐育の新進作家トニイ・バレットは我に得た名声に寄って放逸な生活を続けた為に全くその創作意欲を失い、経済的にも窮迫してきたので、出版社の勧めに従って妻のドラを伴い、祖父から相続したまま打ち捨ててあったコネチカットの閑静な農園へ赴いた。トニイの農園に隣接した土地にはポーランド人の農夫ノワーク一家が住んでいて財政困難のトニイからその耕地を5千ドルで買い取る事になった。翌日トニイはノワークの家を訪れて自分が売り渡した土地は娘マニヤの婚資にする為で近々彼女は父の定めた許婚の若い農夫フレドリックと結婚式を挙げることになっているのを知った。トニイは彼らの純朴な生活に刺激され美しいマニヤを女主人公にし彼女を取り巻く生活を題材にして甦生の大作に取り掛かったが、農園の単調な生活に耐え兼ねた妻は彼の許しを得て紐育へ帰った。トニイが不慣れな手付きで料理などしているのを見たマニヤは毎日訪ねてその家事を見てやる約束をしたが、これが近隣の評判になっているのを知った父親はナニヤが二度とトニイに会う事を禁じてしまった。マニヤは家を抜け出しトニイにこの事を告げに行ったが、その夜激しい吹雪の為彼女はトニイの許に一夜を明かさねばならなくなり、2人はお互いの愛情を自覚したそれは清いまま保たれる事が出来た。2日後結婚式が取り急いで挙げられる事になったが、愛のない結婚を恐れたマニヤはトニイの救いを求めに彼を訪れたが紐育から戻ったドラに素っ気なく追い返された。トニイはドラと離婚する決心だったがドラはあくまで其を承知しなかった。マニヤの結婚の夜自棄になったトニイは婚祝の宴半ばのノワーク家へ飛び込み花嫁を相手に踊り狂った。やがて、したたか酔ったフレドリックがマニヤの部屋を訪れた時彼女が強く彼を退けたので怒りに燃えたフレドリックはトニイを殺すとわめきながら家を飛び出した。2人の男の争いを止めようと駆けつけたマニヤは彼らの乱闘のはずみに階段から突き落とされ、そのまま息絶えてしまったのである。

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