グッドフェローズのレビュー・感想・評価
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あのマフィア映画が封切られた頃のアメリカ
あのマフィア映画を見て、中学二年生の私は気持ち悪くなってしまった。でも、今のアメリカ(70年代初頭)は違うんだと自分を慰めた事を思い出した。でも、この映画はその頃のアメリカの様で、アメリカはやっぱり怖い国だったんだ。と改めて思い、でも、今のアメリカは違うんだと自分を改めて慰めた。
空気感が好きな映画
空気感が好きな映画。 野蛮さと律儀さとマヌケさ。そんなのを延々と終わりなくやってる人たちを眺めるだけ。目的もなくガヤガヤやってるだけなのになぜか浸れる。ストーリー性に固執しないで成立する演技や演出を観賞できるレアな映画だと思う。全体の流れよりここっていうシーンで語りたくなるような。 個人的には、序盤の店でジョーペシがリオッタに「なにがおかしい」と突然噛みつく、あれ。ジョークで大盛り上がりの場が一気に凍り付く。あの空気が一瞬で張り詰める感じがリアルでゾクゾクする。怖い先輩にやられたことあるからあの感じすんごいわかる笑 そういうピンとくるシーンが随所にある。 内容的には少し幼稚なところもあるので、ゴッドファーザーみたいに何度見にも耐えるという作品ではないかもしれない。でもまあ好きなもんは好き。
渋さと愛嬌あふれる漢たち
マーティン・スコセッシとロバート・デニーロが生み出した名作の一つであるマフィア映画。 脚色は多少あるとはいえ、本当に存在したのかと思わされるような豪傑な人生を歩むヘンリーのマフィア街道を描いた作品。 悪事の限りを尽くす残虐なマフィア映画とは違い、なぜマフィアに憧れ、なぜマフィアとなったのかを繊細に描く。 マフィア映画あるあるかもしれないが、ファミリーの登場人物が多すぎて話が混乱しがち。この作品も例外ではない。
映画の技巧としての巧みさに感嘆と感動をさせられますが、大衆が求めるカタルシスは与えてはくれません
ゴッドファーザーがマフィアのオペラなら、本作は実録もの 原題のGoodfellasは舎弟くらいの意味だそうです 1955年から原作の現代である1980年代までのニューヨークのマフィアを主流にはなれないアイルランド系の主人公の目を通して描いています 同時に当時の時代性を反映したヒット曲とリンクした米国の裏社会史となっています それなりに山場はありますが、大きな起伏のある物語でもなく、ただただダラダラと主人公が不良少年からチンピラ構成員となり、やがてひとかどの組員となっていく、それだけのお話です しかし145分とかなり長いのですが、それ程長さを感じさせません 構成、テンポ、演出の力が全編に満ちていて、監督の意識が一瞬たりとも弛緩せず張り詰めています それがこの長い映画を私達観客もラストシーンまで、このダラダラした物語を飽きずに観続けさせてくれるのです そこがスコセッシ監督の凄さです 腕というか実力を心底感じさせます トミー役のジョー・ペシの怪演は物凄いもので、印象に特に残ります アカデミー助演男優賞の受賞も当然です あの1931年の名作「犯罪王リコ」のエドワード・G・ロビンソンが現代に蘇ったかのようです 主人公の目を通した、トミーの物語として観るとマフィアの盛衰という一つの大きな物語となっているのは見事だと思います ただ、そうした映画の技巧としての巧みさに感嘆と感動をさせられますが、大衆が求めるカタルシスは与えてはくれません
とあるwiseguyの賢い生き方。これはもう一周まわって喜劇だわ…😅
実在したニューヨーク・マフィア、ヘンリー・ヒルの半生を映画化。
裏社会を生きるヘンリーが如何にして成り上がり、そして没落していったのを描いたギャング映画。
監督/脚本は『タクシードライバー』『キング・オブ・コメディ』の、レジェンド監督マーティン・スコセッシ。
ヘンリーの兄貴分であるマフィア、ジミー・コンウェイを演じたのは『ゴッドファーザー PartⅡ』『タクシードライバー』の、スコセッシ作品に数多く出演するレジェンド名優ロバート・デ・ニーロ。
ジミーと一緒にルフトハンザ航空現金強奪事件を起こしたならず者、スタックスを演じたのは『星の王子 ニューヨークへ行く』『ドゥ・ザ・ライト・シング』の、名優サミュエル・L・ジャクソン。
また、無名時代のヴィンセント・ギャロがエキストラとして参加している。多分ジミーの仲間のマフィアの1人だと思う。
👑受賞歴👑
第63回 アカデミー賞…ヘンリーの相棒であるトミーを演じたジョー・ペシが助演男優賞を受賞!
第47回 ヴェネツィア国際映画祭…銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞!
第16回 ロサンゼルス映画批評家協会賞…作品賞と撮影賞の2冠を達成❗️
第56回 ニューヨーク映画批評家協会賞…作品賞を受賞!
第44回 英国アカデミー賞…作品賞・監督賞・脚色賞の3冠を達成‼️
『ゴッドファーザー』などの華やかなマフィアの世界とは違う、末端の構成員たちの姿を描いた実録系の映画。
ヘンリー・ヒル本人のインタビューに曰く、「99%真実」の物語らしい。
本作の特徴として、綺麗な起承転結の四幕に分かれていることが挙げられる。
まずは第一幕として、ヘンリー少年がマフィアとして認められるまでを描く。
この第一幕目に描かれるあれやこれやが、最終的に全て伏線として活きてくる構成は天晴れ☀️
最後まで観ると、マフィアの大幹部ポーリーが何故電話を嫌ったのか、何故身内すらも信用しなかったのかがわかる。
そして、子供の頃は仲間を裏切らなかったヘンリーが…、という円環構造も見事の一言。
第二幕では、成長しマフィアとして成功を収めたヘンリーの絶頂期と、幹部殺しに関わってしまったことによりその絶頂に翳りが見え始めるまでが描かれる。
この第二幕でも気になるやり取りがある。
真夏に毛皮を掻っ攫ってきたヘンリーに対し、冷凍室で肉と一緒に吊り下げておくよと答える取引先。後半、ジミーの教えを破りミンクの毛皮を買った仲間の死に方が…。
ヘンリーの妻カレンが他のマフィアの妻たちをみて、自分はこうはならないと発言するが、最終的には…。
こういう何気ない描写が後々の展開を暗示しているという、フリとオチが本当に上手いなぁ…。惚れ惚れしちゃう。
クラブ「コパカバーナ」のコメディアンのジョークが「妻をお客さんにあげてもいつも帰ってくる」「半年の余命宣告を喰らったが、医師に金がないと告げるともう半年余命が伸びた」というものだったのも、なんとなくその後の物語を示唆しているような気がする。
第三幕では、逮捕されたことによりご法度である麻薬の取引に手を出すヘンリーから、ジミーの残虐な行い、幹部殺しがバレて始末される相棒トミーの姿が描かれる。
ここまで来ると、もはやこの物語には希望がないことは誰の目にも明らか。
一体ヘンリーとジミーはどのように身を滅ぼしてゆくのか?そのことが観客の興味をそそる。
正直、第三幕の途中までは割と退屈しながら観ていた。
今やクラシックとして映画史にその名を残す名作という扱いではあるが、今観てみると結構スロウリィなテンポで淡々と物語が進む。
幹部であるバッツを殺す件はドキドキしたし、その始末をしている途中でトミーのお母さんと仕方なくディナーを食べる件はかなり笑えたのだが、それ以外のところは事実の羅列と言った感じがしていまいちノレなかった。
しかも、歴史上最大の現金強奪事件であるルフトハンザ襲撃はまさかの全カット。えっ、そこ描かないのかよ!?とマジで驚いた、というか肩透かしをくらった。
しかししかし、一番大事なことはルフトハンザ襲撃事件ではなかったということがその後わかる。
真に大事なことはジミーとトミーが分け前をケチる為に仲間達を次々と殺していくところにあったわけだ!
ここに、自分のファミリー以外の人間にはどこまでも冷徹になれるマフィアという人種の異常さ、そしてこの異常さにもはやついてゆくことが出来なくなっているヘンリーの姿が浮かび上がる。
何故、組織に尽くしているジミーではなくトラブルメーカーであるトミーが幹部になれたのか?そしてそれをジミーも認めているのかが明かされるのもここ。
イタリア系じゃないとマフィアの中では成り上がれないという、絶対的な人種主義こそがマフィアの掟であることが観客に告げられる。
組織の中と外という決定的な差と、組織の中でもイタリア系とそれ以外とで決定的な差が存在しているということが並列的に描かれており、末端の構成員として存在し続けるしかないというヘンリーとジミーの悲哀が、ならず者たちの死屍累々の様によって表現されているようでもある。
そして結びとなる第四幕。
ラリっているヘンリーの視点を表すかのように、忙しなくカットが変わり、これまでとは打って変わったかのようにスピーディーでぐちゃぐちゃな出来事が怒涛のように展開される。
麻薬取引がポーリーにばれて破門され、命の危険も迫るヘンリーの状況はまさに最悪…💀
でも、もうここまで悪くなっちゃうと笑うしかない。そりゃヘンリー本人にとっては悲劇だろうが、観客からしてみればこれは完全に喜劇。
鑑賞中、にやにやした笑いが止まらなかった😆
そして、命を守るために兄貴分のジミーや恩人であるポーリーを軽々と売ったヘンリーの、その薄情っぷりと言ったら!
マフィアに憧れて、決して仲間を売らなかったかつての姿はここにはない。
「なんか悪いんか!?生き残る為じゃい!」とでも言わんばかりのカメラ目線での演説は強烈!
そのまま雪崩れ込むようなエンディングは痛快ですらある!!
起承転結の「結」で、これ程までにこれまで積み重ねてきたものをひっくり返した作品ってある!?
ダラっとしたこれまでの展開すら、最後のためのフリだったのかよ!
マフィア映画の傑作として、今に至るまでその名を残し続けている理由がわかった。
暴力の緊張の中に、カツラがズレたりとかライオンが出てきたりとか、そういう笑いの緩和があるところもポイントだと思う。暴力描写が苦手な人でもすごく観やすいバランスになっていると思った。
あと述べるべきなのはやっぱり音楽の使い方ですわな。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『ジョーカー』にも引き継がれた、音楽で物語るという手法は本作で確立されたとか。
残酷な死体の場面に、「いとしのレイラ」のメロディアスなサウンドを流すというのは本当に凄いインパクト。
個人的に好きなのはやはり第四幕での音楽の使い方。
カオスな展開の背後で流れるのはジョージ・ハリスンの「美しき人生」、そしてそこからクリームの「サンシャイン・ラブ」❤️
ロック好きにはたまらないコンボ!!
エンディングはシド・ヴィシャスの歌う「マイ・ウェイ」!
この映画にシナトラじゃダメなんだよなぁ。シナトラがマフィアと繋がりがあったということを加味しても、やっぱりここにはシドの破滅的な歌声でしょう。
「俺の人生終わったわ…」と嘆くヘンリーに対し、「これが俺の生きる道だ!」という歌詞をぶつけるこの破壊的パワー!花丸あげちゃう💮
巨匠の作品ということでもっと真面目なマフィア映画かと思ったら、凄くエネルギッシュな作品でした。
これはどれだけ時代が経とうが、クラシックとして語り継がれてゆくでしょう!
マーティン・スコセッシ作品という作品
スコセッシ作品ではやはりマフィアものは好きです 大きな盛り上がりがどこって感じでもなくストーリーは進んでいくけど観応えあったと思える作品でした ロバート・デ・ニーロの存在感はもちろんですが、レイ・リオッタ良かったです おじさんになってからのレイ・リオッタしか知らなかったけど、若い時のレイ・リオッタって色気あって新たな発見でした
マフィアの中からの物語
一歩引いて見ると、主人公達は世間に迷惑をかけ続ける無法者たちで全く好きになれない。 実話と考えると更に受け入れ難いのだが、一旦そのあたりのルールは置いておいて、この世界で描かれるマフィア目線でマフィアの中に没入すると、とても居心地が良く、日々に緊張感もあり、感情豊かに生きていることが伝わる。 人間臭いラストの選択も実話故だろう。
スコセッシお得意のギャング映画
モリ-のカツラのCMが面白かった。親戚の名前が全てピーター、ポール、マリーだというのも笑えた。緊張感だけでなく笑える要素があることで、最後まで集中力が途切れることなく見れましたよ。 ギャングのドラマなので感動できるものは何もありませんが、いかれたトミーは怖かったです。「あっ、またキレるぞ・・やっちゃうな・・」という期待には必ず応えてくれます(笑)
感動のシーンがあまりない
感動や記憶に残るようなシーンやセリフがなかった。
ギャングを描いた作品だが、ギャングというよりチンピラかな?
無駄に人殺しもするし、麻薬にも手を出すし、愛人や奥さんにも麻薬をやらせるような
話をスリリングに描いただけ。
そしてスコセッシはいつもつくりが下品。
極悪非道なマフィアたち
主人公の仲間のジョーペシが無闇に人を殺したり、麻薬に手を出したりと、そういうマフィアの掟を破るといい結末が待っていないな。ボスに忠義を尽くす義理の世界だからこそそれを破ってはいけない。
始まりとラストが格好良過ぎる
始まりから惹きつけるというのは、 スコセッシの徹底してる事のような気がする ヌルっと始まるんじゃなく、 いきなりクライマックスじゃ!と言う気合いを感じる。 自分的には長く感じるけど、 世界観にはどっぷり浸かれる。 今回は男同士の世界とギャングの夫婦の話でもある と思うのだけど、 男同士無茶な事して、いつまでもガキのようでいる のはカッコ良く見えるけど、 嫁さんの目線を通すと、付いていけない、アホ過ぎる と思ってしまうから不思議。 デニーロのドシッとした存在感と ジョーペシの何しでかすか分からないヤバさ、 レオ・リオッタのリアルなギャング感が 終始ワクワクさせてくれた。 結局憧れに憧れた世界では誰も信用出来ず、 上の者には逆らえず、 自分の我を出して自滅する。 虚しい最後もとても良かった。
実話ながら念入りなキャラ立て
実話を元にしながら独特の演出と展開によってキャラクターを引き立てているのがこれぞスコセッシ!という感じがして相変わらず面白い。 ・ロバート・デ・ニーロ デニーロ演じるジミー・コンウェイ。賭博場の暗がりから札束はためかせて笑顔で現れるあの初登場シーンのかっこよさよ。相変わらず絵になるなあ。 ・ジョー・ペシ ジョー・ペシ演じるトミー。やたら甲高い声で罵って暴れまくる、ヤンチャで自制が効かず一瞬でも目を合わせたくない気持ちになる「こいいうやばいヤンキーたまにいるよね」感。 ・レイ・リオッタ そんな2人と対比的に物分かり良くて機転がきくいい奴に見えてしまうレイ・リオッタ扮するヘンリー・ヒル。その実、家庭や女関係が酷いのはやはりスコセッシお馴染み設定。 また陽気でポップな名曲の数々をBGMにバンバン人が死んでいく展開、ストップモーションやナレーションの多用などもお馴染みのユニークさがある。 総じて面白く、その独特な演出や魅力的なキャラクター達によって、長尺にも関わらず飽きがこない。名作の名に相応しい映画だと思った。
スコセッシ節
スコセッシのメジャー作品は全て観たと思っていたが、アマゾン・プライムのリコメンドで観ていなかったのを知って観た。長尺なのは知っていたが、さすがスコセッシ。先日の「沈黙」はどうかと思ったが、デ・ニーロ、ジョー・ベシが最高。ただ、音楽はあまりにもロックに傾倒しすぎているのかと思った(Sunshine of your loveなど)
ギャングの幸福と不幸について
「お前はいい奴だな、俺たちは仲間だろ」と一緒になるのは、その相手と利害関係を共有しているからで、特に仲間意識の強い人間は、人間関係の損得勘定を精密にすることが多い。だから、今まで仲間だと言っていた人間が自分と利害対立を起こすようになると、突然この世から消してしまおうとさえする。究極の利己主義のなせる技である。 ギャングの貪欲さは、普通ではあり得ないほどの仲間との結束力という幸運をもたらすと同時に、異常なまでの憎しみをももたらす。 でも、人間はみんなそういうところがあるような気がする。 だから、私は仲間意識をものすごく強調してくる人とはあまり関わりを持とうとしないのかもしれません。(バラされるとは思わないけれど)
デニーロ&ペシの最強ギャングダッグ
個人評価:3.9 デニーロとジョー・ペシとのギャングをさせれば最強のダッグ。 スコセッシの他作のカジノでもその後に共演するが、2人が並ぶだけで見応えがあり、痺れる演技である。 2人の凹凸はピタリと会い、掛け合いはサイコーである。 スコセッシのギャングのファミリーの描き方は、嬉しい時は底抜けにお互いを喜び称え合い、また怒りの表現では凄まじく激昂し、また怒りの沸点が非常に低く、人間性を上手く表現している。いずれもいい意味で無邪気でストレートに感情を剥き出しにするキャラクター達がどんどん好きなってくる。 ストーリーもギャング界の成り上がり人生を描き、普通の生活や人生を送るのを嫌いギャングの道を志した主人公が、最後はその普通の人生を望む心情が皮肉に表現されており、見応えはフルボリュームにある。
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