グッドフェローズのレビュー・感想・評価
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【マフィアに憧れた青年が、極悪なるマフィアの姿に真の姿に気付くも、足を抜け出せなくなり、司法に真実を告げるほろ苦き作品。ロバート・デ・ニーロのデ・ニーロスマイルは、魅力的であるなあ・・。】
■ルックリンを牛耳るマフィアに憧れ、彼らの世界に足を踏み入れたヘンリー(レイ・リオッタ)。
ジミー(ロバート・デ・ニーロ:流石のデ・ニーロスマイルを浮かべた演技は、段違いの凄さである。)やトミー(ジョー・ペシ)らと悪事を重ねた果てに、ケネディ空港で600万ドルを強奪する大きなヤマを成し遂げる。
だが、FBIの追求を恐れるジミーが口封じのために”デ・ニーロ”スマイルを豹変させた表情で、仲間たちを殺していくように・・。
◆感想
・マーティン・スコセッシ監督が、イタリア移民2世としてアメリカで育ったことは巷間に流布している。
そして、この稀有な監督が幼き頃、背が低く、且つ近眼で有った事から、様々な鬱屈を抱えつつも、映画監督の道に進み、多大なる成功を収めた事は周知の事実である。
・マーティン・スコセッシ監督が、今作を制作した切っ掛けは、シシリアン・マフィアの一族を描いた傑作中の傑作「ゴッド・ファーザー」シリーズを意識していた事は、間違いない。
・今作の魅力は、単なるマフィアへの憧れから、その道へ進んでいくヘンリーが、マフィアの世界に嵌って行く事で、マフィアが決して格好の良いモノではなく、単なる裏切りと情け容赦ない振る舞いを行う集団であった事に気付いて行く様を、見事に活写した点であろう。
<今作は「ゴッド・ファーザー」と比較すると、当たり前であるが見劣りするが、キリスト教に深く帰依する、マーティン・スコセッシ監督の視点から見た、”美化されぬマフィア”の実情を描いた作品としては、一級品の作品であると思う。
それにしても、久方ぶりに鑑賞しても、ロバート・デ・ニーロのデ・ニーロスマイルは、魅力的である。矢張り、大スターは違うなあ・・。>
ジェットコースター
もともと悪いやつが活躍する映画がすきではなかった。
ゴットファーザーにしてもスカーフェイスにしても深作の映画にしても、感心はするけど、すきにはなれない。
さいきんの悪いやつがあばれる日本映画なんかなおさら。
日本映画はちんぴらや不良を好んで主役に据えるけれど、魅力を感じない。まっとうに生きている大人しい人間のほうが偉いにきまってるじゃねえか。なぜ、暴力や威嚇や詐術のうまい奴をもてはやすのか。
(──とギモンを呈しつつ、それがなぜかは知っています。悪は話を劇的にするためであり、バイオレンスorエログロは、演出上の未熟が補完されるから。またそんな話だらけなのは、全体としてクリエイターの発想が貧困だから。──です。)
じぶんは古風なのかもしれないが、基本的に悪いやつがきらい。
現実でも、映画でも。
だけどグッドフェローズは別。
先般レイリオッタが亡くなったという報道をみた。2022年5月26日、67歳だった。
レイリオッタは1954年ニュージャージー州ニューアークに生まれているが、生後すぐ孤児院に置き去りにされ、6ヶ月のとき、店舗店員のメアリーと自動車部品店を営むアルフレッド・リオッタ夫妻に養子縁組された──とあった。
さいきん見つけたネットニュースにスコセッシ監督の回顧があった。
『スコセッシ監督は6日(2022/06)『グッドフェローズ』はレイの母親のメアリー・リオッタさんががんの診断を受けた中での撮影だったことを明かし、ガーディアン紙に寄稿された論説の中でこう書いている。』
『「私は母親のところへ行けと言ったのですが、彼は行く前にシーンの撮影を終わらせると言い通して母親のところへ行くことを断固として拒みました。一緒に現場へ行って皆に事情を説明したのですが、撮影が始まるととんでもない事が起こったのです」』
『「それは、初めて大金を手にした仲間たちが大喜びし、皆がレイを中心に感情的な絆で結ばれるシーンで、歓び祝うと同時に嘆きが加わり、笑いと涙が一体となったのです。レイは最高の芝居をし、最愛の母のもとへ行きました。貴重な体験でした」』
『悪い知らせが入ったのは、トミー(ジョー・ペシ)、ジミー(ロバート・デ・ニーロ)と、ヘンリー(レイ)が共演するシーンを撮影していた日で、スコセッシ監督はその時の事を決して忘れないとこう綴っている。』
『「知らせが入ってすぐに彼のトレーラーに行くと、彼はすっかり取り乱しており『彼女は僕を養子にし、なぜこんな酷いがんになってしまったんだ?なぜなんだ?』と言い続けていたのを覚えています」』
『「もう一度だけ彼に会う機会があれば良かったです。一緒にやった仕事が僕にとってどれだけ意味があったかを彼に伝えるために。でも、彼はそれを知っていたかもしれません。そう願います」』
悪いやつが活躍する映画がすきではない。でもグッドフェローズは別。
ジェットコースターのような──という陳套な形容があるが、グッドフェローズはまさにジェットコースターのようだった。パタパタorぐいぐい進む映画だった。豪腕の演出力、めまぐるしく、145分があっという間だった。
そして均してみたらおぼえているところはやっぱりレイリオッタの破顔なのだった。
レイリオッタっていう人はこわもてなんだけれどみょうにひとたらしな笑顔をする。それがまさにGoodfellasていうか、やっぱりグッドフェローズは「スコセッシ監督がレイリオッタを見つけた映画」なんだと思う。
『「もう一度だけ彼に会う機会があれば良かったです。一緒にやった仕事が僕にとってどれだけ意味があったかを彼に伝えるために。でも、彼はそれを知っていたかもしれません。そう願います」』
(本文中の引用『』はBANG Media International/よろず~ニュースより)
この映画が作られてから32年後に観たが、まったく古いと感じないのが...
この映画が作られてから32年後に観たが、まったく古いと感じないのが驚き。
もちろん時代的なヴィンテージ感はあるからそれが尚、いい👍
要所だけ、語り口調やったり、マフィアのカッコいい所、厳しい所をサラッとスムーズに映し出してるのも構成として関心!
必要な要素はしっかりいれながら、余計な重さはない。といった印象!
正直、主人公が薬に落ちるのは好きじゃないから違ったらもっと好きになったかな?
そこも現実。
ニューヨーク裏社会見物ツアー
「午前十時の映画祭」で鑑賞。
オープニングからつかみはバッチリ。軽快なBGMとともに、観客を一気にニューヨークの裏社会に引き込む手際は、さすが名匠スコセッシ。
モノローグの手法と、流麗なカメラワーク。そして全編にわたってポピュラー・ミュージックが効果的に使われ、テンポよく物語は進んでいく。
そして、デ・ニーロ。彼がそこにいるだけで――たまらない、超カッコいい、作品の値打ちがぐっと上がる気がする。並の役者にここまでの凄みは出せない(たしかにジョー・ペシの演技も強烈な印象を残すが、この作品の価値を上げているのは間違いなくデ・ニーロである)。
中盤ちょっと失速気味に感じた(主人公が明確な目的を持っていないストーリーを、退屈させずに見せるのはなかなか難しいですね)けれど、終わってみれば、ニューヨークの裏社会見物ツアーに参加したようで、かなり楽しめました。ワルの世界、映画で観ているぶんには、いくらでもOKです。
昔、村上春樹のエッセイの中で、ドアーズのジム・モリソンの歌唱を評して「肉の焦げる匂いがするようだ」というようなことが書いてあったけれど、まさにスコセッシのこの映画も、そんな焦げた匂いのしてくるような、ザラリとした感じを観る者に与えるワイルドな作品です。
それにしても「義理と人情」の世界に生きて、自分の命惜しさにそのどちらも捨ててしまったヘンリー。ちょっと情けないような……。
"goodfella"
午前十時の映画祭改め、午前8時30分の映画祭にて初スクリーンで久々に鑑賞。
少年時代から主人公を描くテンポの良さが気持ち良い位にスピーディーで全く飽きさせない、古き良き時代の50年代から70年代のアメリカと流れる音楽にオールディーズが小気味良く、DerekandtheDominosの"いとしのレイラ"の使い方の斬新さにエンディングはシド・ヴィシャスの"MyWay"で最後までテンションは上がりっ放し。
ジョー・ペシとボッコボコにするデ・ニーロの蹴り殴るようなキックの応酬、ケント・デリカットみたいな眼鏡にカツラのおっさんに対する冷たい態度、基本的には周りの状況に困り果てる表情ばかりで損な役回り。
マフィアの怖さを描いているイメージよりも、そんなマフィアの日常を面白おかしく痛烈で滑稽な薄情極まりない人物として、皆自分の身を守る為に四苦八苦する姿がコメディ映画に思えてくる。
良い思いを沢山しながらも散々な目に遭い命からがら逃げ延びて平穏な日々を取り戻した割には全く懲りていないような態度、一般市民として退屈な日々を残りの人生とヤクザな世界に思いを馳せながら。
日に焼けたポール・ソルヴィノは梅宮辰夫ソックリで、実録ヤクザ映画にピッタリ過ぎる。
マフィアに憧れて生きた男の成れの果て
実際の事件を元にした映画。
容赦なく殺されるシーンとか、ギャグなのか本気なのかいきなり怒り出すトミーとか、マフィア映画で怖い場面も多々あったけど、テンポよく見れた。
午前10時の映画祭11 にて。
刹那的な生き方は共感出来ないけれど
いつものリバイバル上映シリーズで、ロバート・デ・ニーロが出演している、と確認しただけで、あまり内容は知らずに鑑賞してみました。
ロバートはギャング?マフィア界隈ではまだ29歳でもレジェンドになり周りから既に一目置かれている兄貴的存在で、
そんなロバートやギャング、裏社会に憧れていた少年の、大人になるまでの実話を元にした映画でした。
街で悪さ?をして一目置かれるようになると、パン屋でも並ぶことなく店主のほうから注文を聞きにきてくれる存在になれる、ということが主人公にはステータスの1つのようでしたが、
並ばなくていいほどの「大物」として畏怖、尊敬されているからではなく、ギャングの下っ端、若い連中となるとさっさと店から出てほしいから、厄介を起こす可能性が高いから特別扱いするだけのことで、少なくとも尊敬されたりした上でのことでなく、厄介者を早く立ち去らせたいだけの実は塩対応ということに、長いこと主人公は気づかず、
「俺はパン屋でも店主のほうからわざわざ注文を聞きにきてくれるほどの大物なんだぜ!!」とドヤ顔で彼女に自慢するような残念な人でした。
でも最後には麻薬に手を出して麻薬捜査班に目をつけられ、法廷で証言し、マフィア稼業から足を洗えば「法廷参考人」「証言者」として警察から保護を受けられるという、主人公からするとなんとも皮肉な顛末となり(まぁ自業自得なんですけど)
人生の後半は
「普通にパン屋に並ぶ一般人」
になって無難な人生を送ります。
私達からすれば、いつ抗争などで怪我やあるいは簡単に殺されてしまうか、とか逃げることも考えたり、電話は警察に盗聴されると困るから使えない、とか、
泥棒などで一時的な大金を手にしても常にビクビクしてなきゃいけない、次にいつ収入があるかも分からない刹那的な生活のほうが嫌ですが、
まぁ場合によっては取り締まりや法廷のことも警察を買収してその場ではそれなりにのうのうと生きていけちゃう面もあると、主人公にはマフィアだかギャングだかのほうが何故か魅力的なようでしたが。。
主人公がそもそも子どもの頃からカタギは嫌だ、と思っていた確固たる理由はよく分からなかったので生き方そのものは共感出来ませんでしたが、こういう人物も実際にいたんだな、と知ることは出来ました。
そして演技としてはやはりロバートはこういう役、はまり役なんだなぁと実感。映画そのものに重厚感を持たせる重要人物として、ロバート・デ・ニーロの演技を堪能出来て良かったです。
身近に居たらとても許容出来ないマフィアの世界。 シニカルに、実録物...
身近に居たらとても許容出来ないマフィアの世界。
シニカルに、実録物として上手く映画化していると思いました。
3度目の鑑賞ですが、ジョー・ペシ以外あまり印象に残っていないのは何故なのか。。
とてもよかった
公開当時映画館で見て、その後イベントでタダで見れる機会があったのだけど、映写機が暗くてこんな環境で見るのはよくないと思って途中でやめた。他にも1~2回見てると思う。彼女が拳銃をもらってゾクゾクしたとか、奥さんたちの集まりの場面など印象深い。今回はTジョイで音がすごくでかくてよかった。
大物たちが刑務所の中で料理したりお酒を飲んだり快適すぎる生活を送っている場面が最高。
口を割らず仲間を売らず、刑期を務めて仲間として認められるのに、最後の最後は仁義もクソもなくなってしまう。
マイウェイ
1955年
ギャングに憧れた少年が成り上がり没落していくまでの
約30年を描いた作品
時代の移り変わりとともに
ファッション、インテリアなどの背景も楽しみつつ
ジョーペシの容赦ないぶっ飛んだ演技に魅了され
フィクションならではのギャングの冷酷な世界に背筋を凍らす。
スコセッシの長回しで手持ちカメラのリアリティと緊張感で2時間半たっぷり楽しんで
ラスト
シドビシャスのマイウェイで終わる。
どんな結末だろうとこれが自分のマイウェイ
しかもシドビシャスのマイウェイ。
痺れたね〜
マフィアのかっこ悪い姿を描いた作品
ギャング映画というとかっこいい姿ばかりが描かれますが、この作品では証拠隠滅のために死体を埋めたり警察に捕まるのに怯えたりと、かっこ悪い姿をちゃんと描いていてリアリティがあると思います。
わたしの父がかつて暴力団を取り締まる仕事をしていましたが、現実のヤクザはいつ逮捕されるかわからなくてビクビクしていると言っていました。きっと海外のギャングも同じなのでしょう。そういう側面を描いた点で、他のクライム映画とは一線を画する作品だと思います。
しかし、ストーリーは単調で面白みにかけるのも事実です。伏線やどんでん返しがあるわけではなく、深いテーマもない。もちろん史実に基づいた話なので仕方ないのですが、せっかくの豪華キャストがもったいないなと思いました。
マフィアに憧れた男
午前十時の映画祭11にて観賞。
ニューヨークで生まれたヘンリーは、幼い頃からマフィアの強さに憧れていた。ポーリーの下で働き始めた彼は、兄貴分のジミーやトミーらと犯罪を重ね、組織内での地位を上げていった。そして1978年、ケネディ国際空港を襲撃し、600万ドルの強奪に成功した。FBIの捜査の手が迫ったため、ジミーらは口封じのため関係者を次々と殺害していくという事実に基づく話。
マフィアに憧れるヘンリーはどうかと思ったが、ま、事実なのでそんな奴もいたんだな、って感想。
簡単に人を殺し、命が安すぎるって感じた。
あのマフィア映画が封切られた頃のアメリカ
あのマフィア映画を見て、中学二年生の私は気持ち悪くなってしまった。でも、今のアメリカ(70年代初頭)は違うんだと自分を慰めた事を思い出した。でも、この映画はその頃のアメリカの様で、アメリカはやっぱり怖い国だったんだ。と改めて思い、でも、今のアメリカは違うんだと自分を改めて慰めた。
空気感が好きな映画
空気感が好きな映画。
野蛮さと律儀さとマヌケさ。そんなのを延々と終わりなくやってる人たちを眺めるだけ。目的もなくガヤガヤやってるだけなのになぜか浸れる。ストーリー性に固執しないで成立する演技や演出を観賞できるレアな映画だと思う。全体の流れよりここっていうシーンで語りたくなるような。
個人的には、序盤の店でジョーペシがリオッタに「なにがおかしい」と突然噛みつく、あれ。ジョークで大盛り上がりの場が一気に凍り付く。あの空気が一瞬で張り詰める感じがリアルでゾクゾクする。怖い先輩にやられたことあるからあの感じすんごいわかる笑 そういうピンとくるシーンが随所にある。
内容的には少し幼稚なところもあるので、ゴッドファーザーみたいに何度見にも耐えるという作品ではないかもしれない。でもまあ好きなもんは好き。
渋さと愛嬌あふれる漢たち
マーティン・スコセッシとロバート・デニーロが生み出した名作の一つであるマフィア映画。
脚色は多少あるとはいえ、本当に存在したのかと思わされるような豪傑な人生を歩むヘンリーのマフィア街道を描いた作品。
悪事の限りを尽くす残虐なマフィア映画とは違い、なぜマフィアに憧れ、なぜマフィアとなったのかを繊細に描く。
マフィア映画あるあるかもしれないが、ファミリーの登場人物が多すぎて話が混乱しがち。この作品も例外ではない。
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