くたばれヤンキース
劇場公開日:1958年12月28日
解説
「パジャマゲーム」でミュージカル映画に新風を吹きこんだスタンリー・ドーネンとジョージ・アボットが、再び共同で製作・監督した音楽映画。ダグラス・ウォールップの小説「ジャイアンツがペナントを失った年」をもとに、ジョージ・アボットとウォールップ自身が、「ダム・ヤンキース」としてブロードウェイでミュージカル・ドラマ化したヒット舞台劇の映画化。シネリオはジョージ・アボット。撮影監督を「白人部隊撃滅」のハロルド・リップステインが担当した。野球ファンの中年男が、ひいきチームを優勝させるため、悪魔に魂を売って超人選手になるという物語が音楽入りでくりひろげられる。音楽と作詞を「パジャマゲーム」のリチャード・アドラーとジェリー・ロスのコンビが書き、美術はスタンリー・フライシャー。振付はこれも「パジャマゲーム」のボブ・フォッシー。出演者は「草原の野獣」のタブ・ハンター、舞台で同じ役を演じたグウェン・ヴァードン、レイ・ウォルストン、シャノン・ボーリン、ボブ・シェイファー等。ワーナーカラー・スタンダードサイズ。1958年作品。
1958年製作/アメリカ
原題または英題:Damn Yankees
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1958年12月28日
ストーリー
野球狂の実業家ジョー・ボイド(ボブ・シェイファー)は大のワシントン・セネタースのファンである。今日もニューヨーク・ヤンキースにごひいきチームが負けそうなのをテレビで見て、気がきではない。妻メグの心配をよそに、「俺がホームラン王になれたらなあ、たとえ魂を売っても…」と1人ごとを言った。すると悪魔のアプルゲイト(レイ・ウォルストン)が忽然と登場した。ヤンキースの馬鹿げた強さに反感をもつこの悪魔は、ジョーを中年から青年にもどして、ホームラン王にしてやろうというのだ。9月24日に彼が望めば元の姿にもどれるとういう条件つきで、若返ったジョーは名もジョー・ハーディ(タブ・ハンター)と改めて、たちまちセネタースと契約した。彼の猛打によってセネタースは全勝への道を突進して、ヤンキースをおびやかすようになった。しかし、球場ではヒーローになったジョーも、家庭をもたぬ淋しさから、元の自分の家に下宿して、妻と話をするのを楽しみにした。この契約違反に怒ったアプルゲイトは、179歳の妖女ローラ(グウェン・ヴァードン)を美しい娘にしてジョーを誘惑させた。ところがローラはかえってジョーにすっかり参ってしまった。ますます怒ったアプルゲイトは約束の条件により9月24日深夜にジョーを元にもどすと宣言した。ところが、その翌日の25日の試合に勝てば、セネタースは優勝する機運にあるのだ。ローラはアプルゲイトに睡眠剤をのませるというトリックを用いた。アプルゲイトが眼を覚した時、試合は9回の裏、1対0でセネタースがヤンキースをリード中だった。ヤンキース打手がフライを放ち、ジョーがバックした瞬間、アプルゲイトがジョーを元の中年にもどした。しかし、変った肉体条件によろめきながら、ジョーの一心は球を見事にキャッチした。セネタース優勝決定の一瞬、顔をかくすようにしたジョーはダッグアウトから姿を消した。久しぶりの夫をメグは喜んで迎えた。悪魔のアプルゲイトが、またジョーを栄光の世界にさそいにきたが、しっかり抱きあった2人の姿には、退散のほかなかった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョージ・アボット
- スタンリー・ドーネン
- 脚本
- ジョージ・アボット
- 原作
- ダグラス・ウォールップ
- 原作戯曲
- ジョージ・アボット
- ダグラス・ウォールップ
- 製作
- ジョージ・アボット
- スタンリー・ドーネン
- 撮影
- ハロルド・リップステイン
- 美術
- スタンリー・フライシャー
- 音楽
- リチャード・アドラー
- ジェリー・ロス
- 編集
- フランク・ブラクト
- 振り付け
- ボブ・フォッシー
受賞歴
第31回 アカデミー賞(1959年)
ノミネート
作曲賞(ミュージカル) | レイ・ハインドーフ |
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第16回 ゴールデングローブ賞(1959年)
ノミネート
作品賞(ミュージカル) |
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