クール・ワールド

劇場公開日:

解説

ウォーレン・ミラーの原作を彼とロバート・ロッセンが戯曲化したものから、シャーリー・クラークとカール・リーが共同で脚色、シャーリー・クラークが監督した非行少年が主人公の社会ドラマ。撮影はベアード・ブライアント、音楽は作曲・編曲がマル・ウォルドロン、ジャズ演奏はディジー・ガレスピー(トランペット)、ユーゼフ・ラティーフ(サックス)、アート・テイラー(ドラム)、アーロン・ベル(ベース)らが担当した。出演はハンプトン・クラントン、カール・リー、ヨランダ・ロドリゲス、クラレンス・ウィリアムズ3世、ゲイリー・ボーリング、グロリア・フォスターほか、新人。

1963年製作/105分/アメリカ
原題:The Cool World
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1965年2月27日

ストーリー

ニューヨークの黒人区ハーレム。この地区に住む14歳の黒人少年デューク(ハンプトン・クラントン)は父親を失い、売春をやっている母親と信仰ぶかい祖母との3人暮らしだ。ロイヤル・パイソンズという愚連隊に入っているデュークにとって、そのリーダーになることが彼の夢であった。ある日デュークは、クラスメートたちと卒業記念のため市内見物の遊覧バスに乗った。デュークにとって、白人教師のむずかしい演説や熱狂的な人種差別反対の演説より、コルトとルガーの違いの方が、より大事なことであった。そんなとき、デュークはプリースト(カール・リー)というギャングからピストルをあずかった。そして50ドルだせばそれを売ってやるというのだ。デュークはピストル欲しさに、数々の非行をかさねた。ある日彼等のリーダー、ブラッド(クラレンス・ウィリアムズ3世)がルーアン(ヨランダ・ロドリゲス)という女の子を連れてきた。彼女はどんな育ちの娘かもわからず、金さえ払えば誰にでも平気で身体をまかした。デュークも他の仲間たちと同様に、ルーアンと寝た。そしてふたりの間に、ほのかな愛が芽生えた。ルーアンは海を知らなかった。デュークはそんなルーアンを連れてコニー・アイランドに海を見にいった。が突然デュークはルーアンを見失った。さがしつかれてデュークは家に帰った。街では仲間が、ライバルのオオカミ団との決闘の準備をすすめていた。が、そこへギャングに追われたプリーストがやってきた。デュークはプリーストを残して、決闘に出かけた。乱闘の末、デュークはオオカミ団の首領を刺し殺した。そして部屋にもどってみるとプリーストも殺されていた。警官がデュークを捕らえた。パトカーが走っていくハーレムの街かどには、夜の客をひくデュークの母親の姿があった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5ウルフV.Sパイソン

2019年11月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

60年代のニューヨーク、頻繁に流れるジャズ、当時の人々をドキュメンタリーに映し出す映像、序盤に黒人の白人に対する怒りを演説に物語は黒人の少年、不良グループの対立。

拳銃を手に入れトップに立とうとする為に四苦八苦する黒人少年の、黒人不良グループの、同年代の白人少年は一切出てこない、生々しい当時のニューヨークの町並み、人々、野良な猫や犬、まるで良質な写真集を見ている気分に浸れる、ジャズが流れるセンスの良さが際立ている。

狼をバックプリントに徒党を組むウルフを敵対に、白のドリズラーをユニフォームにしたスタイルが渋い。

シャーリー・クラークの「ザ・コネクション」に引き続き、本作も堪らない雰囲気にヤラれた!!

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