奇跡(1954)

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奇跡(1954)

解説・あらすじ

デンマークの映画作家カール・テオドア・ドライヤーが、劇作家で牧師のカイ・ムンクによる戯曲「御言葉」を原作に家族の葛藤と信仰の真髄を問い、1955年・第16回ベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いた傑作ドラマ。

ユトランド半島で農場を営むボーオン一家。真面目だが信仰心の薄い長男は、妻インガーをお産で亡くしてしまう。家族が悲嘆に暮れる中、精神的に不安定で自らをキリストと信じる次男ヨハンネスが失踪。しかし突然正気を取り戻し、インガーの葬儀に現れる。

2021年、特集上映「奇跡の映画 カール・テオドア・ドライヤー セレクション」にてデジタルリマスター版で上映。2023年にも「カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2」(23年12月23日~、シアター・イメージフォーラムほか)で上映。

1954年製作/126分/G/デンマーク
原題または英題:Ordet
配給:ザジフィルムズ
劇場公開日:2023年12月23日

その他の公開日:1979年2月10日(日本初公開)、2021年12月25日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第13回 ゴールデングローブ賞(1956年)

受賞

最優秀外国語映画賞  
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(C)Danish Film Institute

映画レビュー

4.0結構悩む評価

2025年3月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

私はカール・テオドア・ドライヤー監督が大好きである。
裁かれるジャンヌはフィルムとゴーモン社のデジタル修復版を
観ました。「吸血鬼」はアテネ・フランセでフィルムを観に行ったり、
ドライヤー監督のドキュメンタリーをドイツ文化センターで観ました。
前から観たいと願っていた「奇跡」をやっと観る事ができました。この映画は説明するまでも無いですがユトランド半島に農場を営むボーオン一家が舞台です。私観る前に一家の長であるお爺さんが亡くなられたお話かと思いきや長男の妻インガーがお産が上手くいかずに亡くなられたお話なんですね。長男は厳格で家を支えておりますが次男ヨハンネスはいろいろと問題を抱え自らをキリストだと信じ突如姿を消してしまいます。インガーの葬儀が悲しみの中、取り行われる中ヨハンネスが戻ってきます・・・

パンフレットを買おうと思ったが「奇跡」は載っていなかったので残念(たぶんPart1のパンフレットなら載っていたのだろう)観たのはカール・テオドライエル特集Part2。

昔あったリュミエールという映画雑誌で東和映画のプロデューサー川喜田かしこさんが、この作品の冒頭シーンでの白いシーツに圧倒されたような事が書かれてあった。たぶんフィルムでは白と黒のコントラストがきれいに出ていたのでしょう。この映画のスチール写真はどれを取っもすごい、特にインガーの葬儀場面は厳正な感じが出て素晴らしいです(キネマ旬報のヨーロッパ映画100に掲載)

感想なんですが私は映画を見終わって普通な感じでした。大きな感動に包まれる事を期待してましたが淡々と観てしまいました。だいたい、あらすじは知っていましたし、まぁこんなもんかな。ルノワール「ゲームの規則」を最初観た時もこんな感じでした。「なんだ、これ?」もう1回観に行くと理解が深まりました。まぁ名画との出会いはこんなものでしょう。ベルトルッチ「暗殺のオペラ」、小津安二郎「東京暮色」、ベルイマン「第七の封印」は最初の出会いは最悪でしたが後でジワジワと懐かしく感じ、もう一度観たくなります。まぁ友達もそんなもんでしょう(←そうかな?・・・)
ただ今回この作品に触れて前に作られた「怒りの日」に興味がわきました。
それを観たあと「奇跡」を観直したいです。なにかワクワクします。
そのために評価の星は1つ残しておきます。

余談ですがWowowで観た小中和哉「四月怪談」が今の私にはしっくりきます。「奇跡」のリメイクではないのですが、なんとなく似ています。天使役の柳葉敏朗は今ではギバちゃんこと「踊る大捜査線」の室井のイメージが強いけど、この当時の柳葉さんが、なんか美青年に見えます。やはり演技が上手いという事なんでしょうかね。

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naoki

4.5最小限の要素で何故これだけの作品に出来るの!? 個々の信仰の深浅や...

2024年10月7日
Androidアプリから投稿

最小限の要素で何故これだけの作品に出来るの!?

個々の信仰の深浅や宗派を超えて、全体を大きく束ねるのが本作の宗教。
愛をもって問答無用に全体を縛り上げた。

信仰に厚いおっさんたちは、「神は自然法則に則る」と言う。何故なら、彼らは本心のところ神が奇跡を起こせるとは思っていないので、もし「神は自然法則を超える」なんて言えば矛盾が生じるから決して言わない。

信仰集団はときに他宗派の神や祈り方と対立し憎み合うが、何かを予見して言葉を選ぶ卑怯さ、無自覚な計算高さ、生と死の不条理を神の御心のせいにする都合の良さはどの宗派も共通しているようだ。

ところが。
死産の赤ちゃんの切られる音と、聖母マリアのようなインガの死という耐え難い苦しみの先に、奇跡が起きる。
次男とインガの娘の純粋な愛の力の前に、おっさんたちの権威は瓦解する。

映画ならではのフィクションの表現、力強さ、精密さに度肝を抜かれた。

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Raspberry

5.0すべてが奇跡に、愛に帰結する

2024年4月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

エリセ監督の瞳を閉じての中でメンションされている。

全てのシーンが生々しい生と信仰と愛を表す。目を離せない強い映像。

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redir2

1.0静か 暗い 陰気 気が滅入る

2024年4月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

メチャクチャつまらんかった…

静かで暗くて陰気で気が滅入る…

もう、苦痛で苦痛で…

ため息ついてる方いました(笑)

何回も、イラついてる感じに(笑)

自分と同じだと思いました(笑)

こんな、つまらない映画なのに、しっかり2時間もある(笑)

拷問の様でした(笑)

自分には、この映画に良さを見いだせない(笑)

つまらなくて、気が滅入るように、ただただ陰気に暗い(笑)

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RAIN DOG