キートンの結婚狂
解説
「キートンの船長(キートンの蒸気船)」「キートンのカメラマン」につぐバスター・キートン氏の主演喜劇で「カメラマン」と同じくルー・リプトン氏の原作をアーネスト・パガノ氏が改作し「大飛行艦隊」「カメラマン」のリチャード・スカイヤー氏が撮影教本を作り「滑れケリー」「カメラマン」のエドワード・セジウィック氏が監督したもの。俳優としては主演者のほかに「冒険狂」「踊る娘たち」のドロシー・セバスチャン嬢、「遥かなる叫び」のリーラ・ハイアムス嬢、「風」のエドワード・アール氏その他が出演している。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:Spite Marriage
ストーリー
エルマーは仕立屋に雇われて服のプレスをするのが役目であるが、1日劇団の花形女優トリルビーが演ずる「カロライナ」をみてから彼女にぞっこん惚れ込んでしまった。なんとかして彼女に近寄る方法もがなと考えた末、顧客から預かっている服を着込んで百万長者の風采をこしらへ楽屋口の辺をうろついていた。すると劇団に加わっている1人の端役が行方不明になったので百万長者の振れこみ効を奏しエルマーが認められて代役することになった。その代役たるや嬉しいことに彼女に媚を送ってキッスする役であるが間抜けなえるまーの動作は大切な芝居をぶち壊してしまった。トリルビーは同じ劇団の花形男優ライオネル・ベンモアと恋仲であったが浮気なライオネルは金髪美人のエシルにもうつつをぬかしているので憤慨したトリルビーは面当てにエルマーと結婚してしまった。だがエルマーが百万長者でないことが判るとトリルビーは欺かれた口惜しさから彼に離婚を申渡した。ライオネルは彼に手切れ金を渡そうとしたがエルマーは断った。そして船に乗ってこの土地を去ろうとした。ところが図らずも彼が乗ったのは密輸船であった。脅迫されて海に飛び込んだエルマーは根限り泳いだ。折柄航行中のヨットに救われ彼は水夫として船に働くことになった。このヨットは多数の賓客が招かれて舟遊びをしていたがその中にトリルビーとライオネルも交じっていた。突然ヨットは出火して賓客も船員も船を捨てて難を逃れたが偶然にもエルマーとトリルビーは取り残された。エルマーは単身大いに防火につとめようやく消しとめた。エルマーは船長気取りで大車輪となり彼女を指揮して船を陸につけた。2人の活動には荘なるものがあった。エルマーの頼もしい行為はトリルビーの心にいつか恋慕の情を湧かさしめやがて2人は結婚した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- エドワード・セジウィック
- 脚本
- アーネスト・パガノ
- リチャード・シェイヤー
- 原作
- ルー・リプトン
- 撮影
- レギー・ラニング
- 編集
- フランク・サリヴァン