カリギュラ

劇場公開日:

解説

歴史上実在したローマ帝国の第3代目皇帝カリギュラの在位期間3年10カ月間の暴君ぶりを描き、当時の宮廷内の腐敗を描く。製作総指揮は米国・ペントハウス誌のオーナー、ボブ・グッチョーネ、製作はフランコ・ロッセリーニ、監督は「ナチ女秘密警察・SEX親衛隊」のティント・ブラスとジャンカルロ・ルイ、脚本はゴア・ヴィダル、撮影はシルヴァーノ・イッポリティ、音楽はポール・クレメント、美術はダニロ・ドナティが各々担当。出演はマルコム・マクドウェル、ピーター・オトゥール、テレサ・アン・サヴォイ、ジョン・ギールグッド、グイド・マンナリ、ヘレン・ミレン、ジャンカルロ・バデッシ、ミレッラ・ダンジェロ、ドナート・ブラチード、アネカ・ディ・ロレンツォ、ロリー・ワーグナーなど。

1980年製作/156分/アメリカ
原題または英題:Caligula
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1980年10月18日

ストーリー

紀元1世紀前半、ローマ帝国の王室は腐敗しきっていた。人々はひたすら快楽を求め、ティベリウス(ピーター・オトゥール)は、カプリ島での隠遁生活を終え皇帝の座に戻るが、病魔に犯された肉体は、精神にまで異常を引きおこし、その生活は凶暴な振舞いに満ちていた。遂には甥の子、ガイウス・カリギュラ(マルコム・マクドウェル)を秘かに毒殺しようとさえ考えていた。元老院議員のネルバ(ジョン・ギールグッド)は、この政治の乱れを嘆き、自らの命を絶って抗議の意志を示した。カリギュラは、ティベリウスから後継者に指名された。しかし、また皇帝の気がかわることを恐れたカリギュラは、忠実な部下、親衛隊長のマクロ(グイド・マンナリ)に病床のティベリウスの暗殺を命じた。皇帝の位についたカリギュラは、狂ったように乱行を遂行していった。巨大な芝刈り機での首刈り、生きた女を地中に埋めたり、果てはマクロにまでティベリウス殺害の罪を着せ、貴族たち全員を観客とした処刑ショーの餌食にした。そんなカリギュラは、姉ドルシラ(テレサ・アン・サヴォイ)をひたすら愛し、信頼した。ドルシアのすすめでカエソニア(ヘレン・ミレン)を妻にしたカリギュラは、ドルシラも含めた3人の不思議な愛に歓びを感じていた。カリギュラの奇行はエスカレートしていったが、カエソニアが男児を出産した後のドルシラの病死でそれは頂点に達した。最愛の人ドルシラを失ったカリギュラは、宮殿の中に巨大な売春船を建造させ、ローマ市民を相手に元老院の夫人たちに売春を強要した。この上なく異様な光景……。カリギュラは、この売り上げが国家の財源だと宣言した。しかし4年間のカリギュラの在位は突然終りを告げることになる。たまりかねた親衛隊員カエレア(パオロ・ボナセッリ)、医師らが、傭兵を使って、カリギュラ、妻カエソニア、子供そして側近の高官らの暗殺を実行するのだった。しかし、その後を継いだ50歳の叔父クラウディウス(ジャンカルロ・バデッシ)は知的障害で、ローマ大帝国の腐敗はカリギュラの死で終わったわけではなかった。

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映画レビュー

2.0カリギュラは現代に既にいるのです

2023年7月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1980年公開
ボブ・グッチョーネという名前が製作、監督の何人かの中にあります

この人はニューヨーク生まれのイタリア系の米国人で、米国では有名人
なぜなら米国の成人向け男性雑誌プレイボーイ誌のライバルのペントハウス誌の創刊者だからです

プレイボーイ誌とペントハウス誌も政治スキャンダルとかの記事もあるけれど実のところ女性のヌードグラビアがメイン
ペントハウス誌はプレイボーイよりドギツイもので局部が丸見えのグラビアが断然多かったのです
1969年に米国で発行を始めて70年代から80年代にかけて大いに売れました
1982年の長者番付に名前がのるほどです

有り余って唸る金を使って映画を製作したのが本作というわけです

となれば、どんな映画になるのか知れたものです
1974年の「エマニエル夫人」、1975年の「O嬢の物語」なんてレベルじゃない本物のポルノなのです

ヘア解禁版で鑑賞しました
モザイクはかなり薄めです
かなり露骨です
今日のネットに溢れる無修正のポルノに、この40年前の作品は負けてはいないのです

超大作のポルノ映画を作ってヒットすれば、ペントハウス誌がまた売れるという寸法のメディアミックス商法です
目論見通り本作は大ヒットしました

さて本作の内容ですが、過剰なエログロのオンパレードに辟易することは間違いなしです
それが3時間弱も続くのです

メインの監督ティント・ブラスはイタリアのポルノ映画の巨匠といいます
だからポルノシーンはお手のものですが、本編の演出などはひどいの一言

脚本も美術もなかなかの人物が担当しています
セット美術、衣装などにも金がかかっているし、マルコム・マクダウェルやピーター・オトゥールといった大物俳優も騙されて出演しているのにもったいない限りです

エログロシーンを頭から排除すれば、
一応ちゃんとしたストーリーがあると分かります
そんなに無茶苦茶な設定でも筋だてでもなく、古典のギボンの「ローマ帝国衰亡史」や塩谷七生の「ローマ人の物語」が好きな人間が観ても噴飯することなく、ある程度の納得性はあるのです

キリスト教がローマ帝国の国教になる以前のヒューマニテイの欠如と、道徳や倫理を破壊することへの神への畏れが無い時代とはどんなものかを描こうとしているとも言えます

だから本作は逆説的に、一人の人間に権力が集中され欲望のままに生きることが許される独裁帝国がどのようなものになるのか
それを見事に表現していると言えるのです

もし、このストーリーをリドリー・スコット監督が撮ったなら「グラディエーター」のテイストの一大傑作になったかも知れません

21世紀の今日にこそ、神を畏れぬ独裁者が法治でなく人治で帝国を治める時、このような地獄が地上に現出するのだいう映画が求められていると思います

カリギュラは現代に既にいるのです

それゆえに、星をひとつおまけです
蛇足
ペントハウス誌は日本でも、昔銀座にあった洋書店イエナにもプレイボーイと並んで輸入されたものを売っていました
もちろん日本国内ではマジックで局部が黒塗りされていたものです
ハワイやグアムに行くと黒塗りの無いものが普通に売られていてつい買ってしまいがちでした

日本語版も一時期発行されていましたが、グラビアはもちろん自主規制でした

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あき240

3.0飽きずに観られるところは良い

2023年5月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

怖い

ただし最も重要(そうでさほど重要でもない)な終盤のセックスシーンとしての山場、売春宿の場面は長くて眠たくなってしまった。
マルコムマクダウェルの狂気と限りない欲望に満ちた演技は楽しめた。

巨大芝刈りでの首刈りシーンやハードコアポルノとしての側面が語られることが多いが、「金かかってんなぁ〜」となる巨大セットの数々は見応えもあり、キャストも豪華なので観て損する映画では無いかと。

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ezio

1.0色々とすっごい映画

2023年3月23日
Androidアプリから投稿

若かりしマルコム・マクダウェル目当てで鑑賞。

時代を考慮してか裸の人ってか露出がめっちゃ多いし、AVでもないのにここまで生々しいSEXシーンが多いのはヤバい。
150分くらいの長尺映画だけど、SEXシーンがかなりの割合を占めてそう。

ストーリーは正直面白くはない。ってか理解ができない。
まぁ、太古の狂気に堕ちた暴君を理解するなんて無理な話か。

FGO程度の知識しかカリギュラについて知らないけど、もう少し人民から慕われてたエピソードを入れて欲しかったかな。
っていうか、落差とギャップが欲しかった。
この映画のカリギュラは序盤から飛ばし過ぎな感じ。

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カミムラ

3.0ひどい映画だ…

2023年2月13日
iPhoneアプリから投稿

カミュの意思を一つも受け継いでいないような映画
だったと思います

もっとシックでクールで残酷だけど美しい
それがカリギュラだと思っていたけど。
こう神格化することさえ危ぶまれるが…。

しかし、あんなエログロな世界観こそが
カリギュラが作った真の世界のリアルなのかもしれないとも思う

ただあんなにセックス見せられると
マジできつい

マルコムマクダウェルとか
若い頃のヘレンミレンが出ていて
びっくりしました

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JYARI

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