顔のない眼

劇場公開日:

顔のない眼

解説

今までの怪奇映画とは違い、新聞の三面記事的な事件の設定から、恐怖の本質をつこうとするもの。「白い少女」のジョルジュ・フランジュが、ジャン・ルドンの同名小説にもとづく、ボワロー・ナルスジャック、ジャン・ルドン、クロード・ソーテの共同脚本を監督した。台詞はピエール・ガスカル。撮影はオイゲン・シュフタン、音楽はモーリス・ジャール。出演は「掟(1959)」のピエール・ブラッスール、「旅路はるか」のアリダ・ヴァリ、「いとこ同志」のジュリエット・メニエルのほか、エディット・スコブら。製作指揮ピエール・ローラン。

1959年製作/91分/フランス・イタリア合作
原題または英題:Les Yeux Sans Visage
配給:東和
劇場公開日:1960年10月20日

ストーリー

パリに住む皮膚移植手術の権威ジェネシェ博士(ピエール・ブラッスール)には、自動車事故で顔をめちゃめちゃにされた娘クリスチアヌがあった。世間には娘は死んだと偽り、彼は助手のルイーズ(アリダ・ヴァリ)を使って若い娘を誘拐し、その顔の皮膚を娘に移植しようと努力していた。ルイーズも事故で傷ついた顔を博士に治してもらった女なので、彼の命令に従ったのである。皮膚移植の手術は失敗した。そして二人目にはスイス娘のエドナ(ジュリエット・メニエル)が誘拐されてきた。二度目の手術は成功したかにみえた。しかし日がたつと娘の顔の皮膚は腐ってくずれおちた。エドナは逃れようとして階上の窓から身を投げて死んだ。警察はひんぴんと若い娘が失踪するのを不思議に思い、万引の前科をもつ娘ポーレットを使って、おとり捜査をはじめた。クリスチアヌの許婚者であるジャックは、ある日自分の心を押さえられなくなったクリスチアヌが思わずかけた電話で、何か秘密が隠されていることに気づいていた。病院での博士の助手であるジャックは、警察に協力を申しでた。おとりのポーレットは、わざと博士の病院に入院した。そして案の定、退院と同時に彼女は、博士に誘拐された。彼女は博士とルイーズの手で手術室に運ばれた。それを見ていた娘のクリスチアヌは、メスでポーレットを縛ったいましめを解いた。そしてルイーズを殺し地下室に実験用に押しこめられていた猛犬の檻を開いた。犬たちは庭におどり出て博士を食い殺した。博士の顔はめちゃめちゃに食い裂かれた。白いゴムの仮面をつけたポーレットは、ひとり鳩を抱いて森の中をさ迷った。

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(C)Gaumont

映画レビュー

3.5顔マスクが強烈に印象あり。

2022年9月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

昔の映画、映画記事等で顔マスクの画像が強烈に印象に残っていたが初めて劇場で見ました。まず、1959年作というにも関わらず顔を剥ぐシーンが克明に映像化されていてビックリ。それにより当事者の娘の心情が痛いほどわかってくる。父娘と殺人に手を貸す女性、それぞれの思惑が淡白に描かれていてなかなか面白かった。それにラストシーンの美しさ。モノクロなのにキラキラしていた。

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