女の都
劇場公開日:1981年12月19日
解説
ウーマン・リブの国際大集会の会場に迷いこんだ中年の男が体験する女たちとの出来事を描く。製作はフランコ・ロッセリーニ、監督は「カサノバ」のフェデリコ・フェリーニ、脚本はベルナルディーノ・ザッポーニとフェデリコ・フェリーニ、脚本協力はブルネロ・ロンディ、撮影はジュゼッペ・ロトゥンノ、音楽はルイス・エンリケス・バカロフ、編集はルッジェーロ・マストロヤンニ、美術はダンテ・フェレッティ、衣装はガプリエッラ・ベスフッチ、メイクはリーノ・カルボーニが各々担当。出演はマルチェロ・マストロヤンニ、アンナ・プルクナル、バーニス・ステガーズ、エットレ・マンニ、ドナティラ・ダミアーニ、サラ・タフーリ、カートレン・ゲーベラインなど。
1980年製作/139分/イタリア・フランス合作
原題または英題:La Citta delle Donne
配給:フランス映画社
劇場公開日:1981年12月19日
ストーリー
美しい田園の中を走る汽車。快く窓の外を眺めていたスナポラツ(マルチェロ・マストロヤンニ)は、目の前にすわったブーツ姿のグラマーな女性(バーニス・ステガーズ)を好奇な視線で見つめた。彼女は席を立つと誘惑するような態度でトイレに入り、そして汽車をおりていった。スナポラツは誘われるように汽車を降り森の中ヘと入っていった。いつの間にか女の姿を消え、大きなホテルの前につくスナポラツ。彼が恐る恐る入ると、中には女、女、女。しかも世界各国の女性たちが集まっている。そこは、ウーマン・リブの国際大集会の会場だったのだ。ジャーナリストになりすまし、女性たちに囲まれてゴキゲンなスナポラツは女性たちの弁論を陰から聞いていたが、やがて、全ての女性の視線が、一人まぎれ込んだ男性スナポラツに集中し彼を攻撃しだした。逃げ出す彼を手助けするのは美少女で農満な肉体をもつドナテッラ(ドナティラ・ダミアーニ)。やっとぬけ出した彼は、駅に送ってやるというオートバイのおばさん(J・シルヴァーニ)に従うか、彼女は駅ではなく畑の中のビニール・ハウスに連れてゆき、何とスナポラツを犯そうとした。なんとか、その危機も脱した彼は、次にはパンク・ファッションの少女たちの車に便乗するが、彼女たちは麻薬を吸ったり奇妙な会話を発してスナポラツを困らせる。あげくに彼を轢き殺そうとまでするが、その場は、カッツォーネ(巨根)博士(エットレ・マンニ)に救われる。彼の豪邸を訪れたスナポラツは、その装飾に目を見張った。すべては男根を基調としており、関係をもった数千人の女性たちの写真と声を収めた博物館まで用意されていた。その日は、ちょうどカッツォーネ博士の一万人ぎりの記念の日。多くの招待客がおしよせるが、その中には、何とスナポラツの妻エレナ(アンナ・プルクナル)やドナテッラまでがいる。しかし、宴が盛り上がったころ、かねてより博士が恐れていた女性警察が邸内に入り込み、豪邸の破壊を命じた。女性たちヘの別れの歌を歌いながら死ぬ博士。その夜、エレナとベッドに入ると、その下にはトンネルがあり、くぐり出るスナポラツ。イルミネーションに囲まれたすべり台を、過去の女たちとの様々な追憶と共に夢ごこちで降りていた彼は、降りきった瞬間、目の前に恐ろしい女性裁判官と女性テロリストたちを発見する。ここでは男性は、死刑の判決を受け、女性レスラーのエジキになるのだ。しかしスナポラツがリングに上がると、そこは空っぽ。やがてドナテッロの形をした気球で、スナポラツは宙ヘと浮かび上がるが、地上では女戦土になったドナテッロが銃を発した。気球は破裂。あわや、という時、気がつくとスナポラツは、元の汽車の中。目の前には、妻エレナ、そして、ブーツの女、ドナテッロがすわっている。やがて汽車はトンネルに入っていった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- フェデリコ・フェリーニ
- 脚本
- フェデリコ・フェリーニ
- ベルナルディーノ・ザッポーニ
- ブルネッロ・ロンディ
- 製作
- フランコ・ロッセリーニ
- 撮影
- ジュゼッペ・ロトゥンノ
- 美術
- ダンテ・フェレッティ
- 音楽
- ルイス・エンリケス・バカロフ
- 編集
- ルッジェーロ・マストロヤンニ
- 衣裳
- ガブリエラ・ペスクッチ
- メイク
- リーノ・カルボーニ
- 字幕監修
- 吉岡芳子
- 柴田駿