オセロ(1995)

劇場公開日:

解説

シェイクスピアの四大悲劇の一つ、『オセロ』の4度目の映画化。イアーゴの陰謀を前面に押し出したこれまでの作品とは異なり、若き将軍オセロのデズデモーナに対する激情的な愛こそが、この物語に中心との解釈で挑んだ監督は、舞台出身でこれが初の長編映画となる新鋭オリヴァー・パーカー。89年に自ら演出も手掛けた舞台「オセロ」でイアーゴを演じた時から、映画化を企画していた。製作はニコラス・ローグの実子でダコダ・フィルムズを主宰するリュック・ローグと、「世にも憂鬱なハムレット」などケネス・ブラナー作品に関わったデイヴィッッド・バロン。エグゼクティヴ・プロデューサーはジョナサン・オルスバーグ、撮影は、CMやプロモーション・ビデオ、ドキュメンタリーなどの分野で活躍し、3本の短編を経てこれが初の劇場用映画となるデイヴィッド・ジョンソン、音楽はチャーリー・モール、美術は「世にも憂鬱なハムレット」ほかケネス・ブラナーの全作品に参加したティム・ハーヴェイ、編集は「美しすぎて 詩人の愛」のトニー・ローソン。主演は、映画で初めて黒人のオセロを演じた「理由」のローレンス・フィッシュバーン、「愛のめぐりあい」のイレーネ・ジャコブ、「世にも憂鬱なハムレットたち」のケネス・ブラナー。共演は、監督の実弟で「ハムレット」(90)のナサニエル・パーカー、その妻である舞台女優のアナ・パトリック、「世にも憂鬱なハムレットたち」のマイケル・マロニーとニコラス・ファレルほか。

1995年製作/アメリカ
原題または英題:Othello
配給:東宝東和
劇場公開日:1996年10月19日

ストーリー

1570年、ベネチア公国。貴族ブラバンシオ(ピエール・ヴァネック)の愛娘デズデモーナ(イレーネ・ジャコブ)は父の反対を得られずに、大公に仕えるムーア人の将軍オセロ(ローレンス・フィッシュバーン)と結婚の誓いを交わす。一方、オセロの旗手イアーゴ(ケネス・ブラナー)は、彼が育ちのよいカシオ(ナサニエル・パーカー)を副官に選んだことを恨み、復讐の機会を狙っていた。イアーゴはデズデモーナに求婚して断られたロダリーゴ(マイケル・マロニー)を手先に使い、オセロとデズデモーナの秘密の結婚をブラバンシオに通告。激怒したブラバンシオは大公に訴え出た。折しも大公と元老たちは敵国トルコ艦隊のキプロス侵入を防ぐため、島の総督としてオセロを派遣する件で緊急討議を行っていた。デズデモーナは父にオセロへの献身的な愛を語り、彼と共にキプロス島へ向かう許しを乞う。オセロは直ちに軍隊を率いて出陣、イアーゴの船で来た新妻とも嬉しい再会を果たす。トルコ艦隊は嵐で全滅し、キプロス島は勝利の祝宴で賑わう。イアーゴは酒に弱いカシオを酔わせ、正体をなくした彼はキプロス島の元総督モンターノ(ニコラス・ファレル)を剣で刺すという騒ぎを起こした。激怒したオセロはカシオを副官から解任する。イアーゴはカシオに「将軍の奥方に復職を訴えるのです」と誠実なふりをして助言した。イアーゴはオセロに、カシオとデズデモーナが不義の関係であるかのようにほのめかし、オセロは妻を愛するあまり疑惑を深める。やがてオセロの嫉妬心は激しさを増し、イアーゴはデズデモーナの侍女である妻のエミリア(アナ・パトリック)を通じて手に入れたハンカチをカシオに部屋に落とし、さらにカシオに娼婦ビアンカ(インドラ・オーブ)との情事を自慢げに語らせ、隠れ聞いているオセロにデズモデーナとの不義と思い込むように画策する。妻の裏切りに打ちのめされ、憎しみの塊となったオセロはイアーゴにカシオ殺害と副官の任務を命令。イアーゴは再びロダリーゴを使ってカシオを殺そうとするが失敗。策略が発覚するのを恐れたイアーゴは、ロダリーゴを抹殺した。一方、オセロは貞淑を訴えるデズモデーナを自らの手にかけて殺害した。変わり果てた彼女の姿に驚いた侍女エミリアが、全てが夫イアーゴの策略であったことをオセロに訴えた時、イアーゴは彼女を殺して逃亡。すぐさま彼は捕らえられ、オセロはイアーゴを剣で斬りつけたが、妻は帰ってこない。オセロは妻の亡骸に涙しながら自身の愚かさを呪い、隠し持っていた短剣で自らの首を突き刺した。

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5.0ドロドロのドタバタ悲劇。

2024年10月5日
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マサシ