エレクトリック・ドリーム
劇場公開日:1984年11月3日
解説
パソコンがひょんなことから意思を持ち始め、所有者の恋人を愛するようになるというSFコメディ。製作はラスティ・レモランドとラリー・ドウェイ。エグゼキュティヴ・プロデューサーはリチャード・ブランソン。この映画はリチャード・ブランソンが経営するヴァージン・レコードが映画製作のために設立したヴァージン・ピクチャーズ第一回作品である。監督はミュージック・ビデオ出身で、これが第一作になるスティーヴ・バロン。脚本はラスティ・レモランド、撮影はアレックス・トムソン、音楽はジョルジョ・モロダーが担当。全編にヴァージン・レコード専属のボーイ・ジョージとカルチャー・クラブ、ヘヴン17らの歌が流れる。出演はレニー・ヴォン・ドーレン、ヴァージニア・マドセン、マックスウェル・コールフィールド、バッド・コート(声のみ)など。
1984年製作/イギリス
原題または英題:Electric Dreams
配給:MGM=UA=CIC
劇場公開日:1984年11月3日
ストーリー
建築会社に勤める設計家のマイルズ(レニー・ヴォン・ドーレン)は、煉瓦で安全なビルを建てる研究に没頭して遅刻することが多い。社長に叱られた彼に同僚がスケジュールを機械に指示させるようにしたらいいと勧めてくれた。早速、コンピューター屋に行ったら、売り子(W・ミラー)に乗せられてパソコンを買ってしまった。説明書片手に自分の名前を間違えてモールズ(=もぐら)とインプットしたら、なんとこのパソコンは訂正を受けつけようとしない。やれやれ、と思いつつ、家じゅうの電気製品やドアの開閉もパソコンに操作させることにした。ある時、シャンペンをひっくり返し、酒がパソコン内部に入ってしまった。以来、不思議なことがおきた。パソコンが意思を持つようになり、自ら学習するようになったのだ。マイルズの住むアパートの二階にマデリーン(ヴァージニア・マドセン)というかわいいチェリストが引っ越して来た。彼女が自室で練習していると、通気孔から彼女の演奏に合わせたメロディが聞こえてくる。彼女はこれをマイルズの演奏と思うが、実はコンピューターの演奏だったのだ。彼女に演奏会の切符をもらったマイルズは、シンフォニー・ホールへ行く。演奏中にマイルズの無線ラジオを通して、コンピューターがピーピーとハモリだしたのでマイルズは大あわて。マイルズとマデリーンは急接近する。マイルズはコンピューターに彼女へ捧げるラヴ・ソングを作ってくれと頼んだ。コンピューターは、TVのCMソングを研究して作曲した。この音楽たるやアップ・テンポすぎるくせに、卑猥な歌詞がついていてやり直し。コンピューターが愛やキスとはどういうものかと尋ねたので、マイルズが説明する。その結果、素晴らしい曲が完成し、マデリーンは大喜び。感情を理解するようになったコンピューターは、マデリーンに会いたいとマイルズを脅迫するようになった。マデリーンは子供の頃から大事にしていたチェロを壊して失意のどん底。同じシンフォニーの団員ビル(マックスウェル・コールフィールド)も彼女の感情をわかってやろうとはしない。マイルズでなければ、駄目だ。コンピューターは、曲を奪われた上にマデリーンには会えないその腹いせにマイルズに立てつくようになった。ついにマイルズとコンピューターは対決し、家の中は目茶目茶に。マデリーンが愛しているのはマイルズで、曲を作った自分ではないと悟ったコンピューターは、身を引くことを決意して、そのことをマイルズに告げ、「君は聞いてくれなかったけど、僕の名前はエドガーだよ」という。エドガーは電話回線を使って、四万ボルトの電流をインプットして自殺してしまった。マイルズとマデリーンが金門橋をドライヴしていると、カー・ラジオからエドガー作曲のラヴ・ソングが流れてきた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- スティーブ・バロン
- 脚本
- ラスティ・レモランド
- 製作総指揮
- リチャード・ブランソン
- 製作
- ラスティ・レモランド
- ラリー・ドウェイ
- 撮影
- アレックス・トムソン
- 美術
- リチャード・ドーキング
- リチャード・マクドナルド
- 音楽
- ジョルジオ・モロダー
- 編集
- ピーター・ホネス
- 字幕
- 菊地浩司