ウィンター・ローズ
劇場公開日:1983年12月10日
解説
母親の死をきっかけに生じた父親と子供の心の断絶を描くドラマ。提供はプロデューサーズ・セールス・オーガニジェーション(PSO)。製作はタラク・ベン・アマー、エグゼクュティヴ・プロデューサーはキース・バリッシュとクレイグ・バウムガーテン。監督は.「忍冬の花のように」(80)のジェリー・シャッツバーグ。フローレンス・モンゴメリトの小説Misunderstoodとその第一回映画化作品「天使の詩」(66)に基づいて、ジェリー・シャッツバーグとマーシャ・ノーマンが脚色した。撮影はパスカリーノ・デ・サンティス、音楽はマイケル・ホッペが担当。出演はジーン・ハックマン、ヘンリー・卜ーマス、ハックルベリー・フォックス、スーザン・アンスバック、この映画の撮影後にシャッツバーグと結婚したモーリーン・カーウィン、リップ・トーンなど。チュニジアにてロケ撮影された。アメリカでの題名はMisunderstood。
1983年製作/アメリカ
原題または英題:Winter Rose
配給:東宝東和
劇場公開日:1983年12月10日
ストーリー
チュニジアで貿易会社を営むアメリカ人のネッド(ジーン・ハックマン)は、妻リリイ(スーザン・アンスパック)が急死したことで深い悲しみに沈む。これまで2人の息子には、母は病気療養中だと偽っていたが、葬式から帰宅すると、彼は長男のアンドリュー(ヘンリー・卜ーマス)にだけ母の死を告げる。アンドリューはそれほど取り乱したりはしなかった。ネッドは身体の弱い次男マイルズ(ハックルベリー・フォックス)のことを心配し、弟には黙っているようにと口止めする。淋しさをまぎらわすため、アンドリューは浜辺を散歩し、アラブ人が葬式をしているのを見て近づく。母のことを思って涙する彼に、喪主のアラブ人は「父親は90歳だった。泣くことはないよ。今頃は天国で楽しくやっているよ」といい、自宅に招いてご馳走してくれた。家へもどると、アンドリューが弟の世話をせず遊び廻っていると、怒る父の叱責にあう。父に甘えたいアンドリューだったが、忙しいネッドはかまってやる暇がなかった。こうして父と子の心の溝はしだいに広がっていく。何も知らぬマイルズは「母さんはいつ帰ってくるの?」と無邪気に尋ねる。返事に困るネッドとマイルズ。リリイの兄ウィル(リップ・トーン)は正直に話したらとネッドに言う。父の誕生日にアンドリューとマイルズは、自転車で町に出かけていった。お小遣いをはたいて贈り物を買おうというのだ。だが、マイルズがラクダに乗った少女に惹かれて行方不明になったりしたので、帰宅が遅くなった。父は身体の弱いマイルズを連れ出すなんてと怒る。「駄目だというのに、マイルズがついてきたんだ」とアンドリューが説明しても、聞こうとはしなかった。ウィルの忠告で、ネッドはアンドリューと一緒の時間を作ることにし、砂漠の石油井戸に仕事で出張する時にアンドリューをつれて行くと約束した。嬉しくなったアンドリューは朝早くから自動車を洗い始める。マイルズがつきまとい、自分はつれていってもらえぬと知り、わざと水道の水を浴びる。この騒ぎにネッドが出てきて怒った。午後、ネッドはアンドリューの下校を待たずに秘書のケート(モーリン・カーウィン)と砂漠に行ってしまつた゜その後、砂漠から戻って来たネッドに、アンドリューは「ぼくは寄宿学校に行った方がいいんじゃない」と言い出すのだった。仕事中のネッドのところへ、ケートがとんできた。アンドリューが崖から落ちて背中を打って重傷を負ったというのだ。ソファーに横たわるアンドリュー。父親に向かって、「ぼく、お母さんのところに行くんだ」という。作文をしあげなかったのが気がかりだとアンドリューがいうので、ネッドは一緒に書きあげようとノートを手にする。題は親友と友情。「ぼくの親友は、お父さんです」という書き出しであった。それを声を出して読みつつ、息子の真心に気づき涙ぐむネッド。しだいに画面は暗くなっていく。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェリー・シャッツバーグ
- 脚本
- マーシャ・ノーマン
- ジェリー・シャッツバーグ
- 原作
- フロレンス・モントゴメリー
- 製作総指揮
- キース・バリッシュ
- クレイグ・バウムガーテン
- 製作
- タラク・ベン・アマール
- 撮影
- パスクァリーノ・デ・サンティス
- 美術
- ジョエル・シラー
- 音楽
- マイケル・ホッペ
- 編集
- Marc Lamb
- 特殊メイク
- Marcello Meniconi