ウィズダム 夢のかけら

劇場公開日:

解説

社会に対するやり場のない怒りを抱いて銀行強盗を重ねる青年とその恋人の逃避行を描く。製作総指揮はロバート・ワイズ、製作はバーナード・ウィリアムス、監督・脚本・主演は「張り込み」のエミリオ・エステヴェス、撮影は「アイアン・イーグル」のアダム・グリーンバーグ、音楽は「バック・トゥ・スクール」のダニー・エルフマン、編集はマイケル・カーンが担当。出演はほかに「きのうの夜は…」のデミ・ムーア、「スペースキャンプ」のトム・スケリットほか。

1987年製作/アメリカ
原題または英題:Wisdom
配給:ワーナー映画
劇場公開日:1988年6月11日

ストーリー

23歳の若者ジョン・ウイズダム(エミリオ・エステヴェス)は一所懸命に就職口を探していたが、かつて若気のいたりで起こした車泥棒の前歴のためにどこも受け入てくれなかった。父(トム・スケリット)も母(ヴェロニカ・カートライト)も半ばあきらめ顔であったが、唯一花屋に勤める恋人のカレン(デミ・ムーア)だけが優しい目を注いでいた。ある日ウイズダムは不満のはけ口として、そしてまた負債で苦しむ弱者のためにと銀行強盗を実行する。それはまんまと成功するが心ならずもカレンを巻き込んでしまい、最初は彼の行動を非難する彼女だったが次第に理解を示し、すすんで協力するまでになった。こうして2人の逃避行はアルバカーキーからオマハヘ、FBIや州警察の捜査網をくぐり抜けながら銀行を襲いながら旅する。そして事件を報道するTVや新聞のおかげで2人は半ば英雄となっていた。オマハのモーテルで2人は大歓迎を受けたりするが、FBIのクーパー率いる捜査陣によってモーテルは包囲され、辛くも脱出した2人はカナダとの国境、ミネソタまで逃げ、ついに動転したカレンが殺人を犯してしまった。もはや逃げのびる手だてはなくなり、カレンは狙撃手の弾に倒れた。1人警官隊の前に現れるウイズダムに一斉射撃の砲火が浴びせられ、彼も息絶えた。彼の銃の中に、実弾はこめられていなかったのだが。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5時代に忘れられた傑作!

2016年4月17日
スマートフォンから投稿

青い。青臭い。役者も演出も。

でも、それが最高にいい。
なんせエミリオの初監督作品。

ビデオで発売されたときには結構評判を集めた記憶があるけど、DVD発売もなく、デミとも別れちゃって、忘れ去られたのかなあ。

最後のオチには賛否というか否ばかりだったけど、あれこそがエミリオの言いたいことだったと思うけどな。

一度失敗したら容赦なく叩かれて、2度と立ち上がれなくなるような、現在の日本のネット社会や芸能界なんかを想起させてくれます。

愛すべきロードムービーです。

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johnny B bade

4.0切ないけど、ピュアで美しいメッセージ性の強い作品

2012年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、CS/BS/ケーブル

泣ける

笑える

興奮

この映画が作られた当時はアメリカ経済が暗い影を落とし始めた頃でしょうか。
学歴もあり、まじめに勤めてた人達が雇用や賃金のカットなどで住宅ローンを払えなくなって、ある日突然家を失っていくという背景。

主人公はもともと大学も出て、これからというところでバカげた動機で犯罪者になってしまい、まともな就職口もみつからず自暴自棄的になっていく・・。

20年後、やはり日本もこれと同じ世の中になってしまってましたね。

主役のウィズダム(エミリオエステベス)はふとしたきっかけから銀行で担保の書類を焼き払っていく怪盗の道を選んで突き進んでいく・・という話。

まだ若かったエミリオエステベスと、日本ではほぼ無名だったデミムーアが将来に希望をもてないけど必死に今をただ生きている実感を得ようとひたむきになっている若者二人を好演してます。

僕はこれを高校の時のスキー旅行の帰りのバスでガイドさんに頼んでかけてもらったのが懐かしいです。
夜行バスで疲れた帰路のはずが、車内はいつのまにか静寂に包まれ、
みんな息を呑んで観ていました。
僕は男子校だったんですが、野郎達が後半ではみんなウルウルでしたから(笑)
最後にバスガイドさんに素敵な作品で仕事もすっかり忘れてしまいそうなくらい釘付けになった・・と言われた記憶があります。

世に対するメッセージ的な映画ですが、純粋な若い男女の恋の話にもなるかな。
音楽もなにもかもピュアで素敵です。

ちなみに僕はこの作品いままで何度観たかなぁ。
とにかく生涯ベストいりのオススメ作です。

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緑のカエル

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