イン・ザ・スープ

劇場公開日:

解説

映画作りに魅せられた青年、彼に協力する正体不明の初老の男、そして青年が自分の映画のヒロインに熱望する美女。三人の奇妙な関係を通して、映画への夢や不器用な恋、男同志の友情を、ペーソス・タッチで描いた一編。企画が頓挫しかけたところを日本のウイルアライアンスが製作資金を投資した。1992年サンダンス・フィルム・フェスティバルのグランプリ及び審査員特別賞(シーモア・カッセル)受賞作。監督は「父の恋人」のアレクサンダー・ロックウェル。自身の体験を元に監督がティム・キッセルと脚色。製作は「ミステリー・トレイン」のジム・スタークとハンク・ブルーンタール。エグゼクティヴ・プロデューサーは鈴木隆一で、共同エグゼクティブ・プロデューサーは「マリリンに逢いたい」の監督、すずきじゅんいちと船原長生。撮影はブルース・スプリングスティーンなどのビデオクリップを手がけたフィル・パーメット。音楽はメーダーがそれぞれ担当。主演は「レザボア・ドッグス」のスティーヴ・ブシェーミ、「フェイシズ」などジョン・カサヴェテス作品の常連シーモア・カッセル、監督夫人でもある「ブライド」のジェニファー・ビールス。「ナイト・オン・ザ・プラネット」の監督ジム・ジャームッシュが友情出演している。

1992年製作/アメリカ
原題または英題:In the Soup
配給:シネセゾン
劇場公開日:1993年12月18日

ストーリー

ニューヨークの安アパートに住むアルドルフォ(スティーブ・ブシェーミ)は、貧しい暮らしと戦いながら映画製作に情熱を燃やす青年。彼は隣に住む美人ウェイトレス、アンジェリカ(ジェニファー・ビールス)に秘かに恋心を抱いている。生活のため、いんちきプロデューサー(ジム・ジャームッシュ)の仕事を引き受けたが金にはならない。いよいよ金に困った彼は、大切な自作の脚本を売りに出した。ある日突然、ジョー(シーモア・カッセル)と名乗る男が訪れて脚本を千ドルで買ってくれ、資金の援助まで申し出た。ジョーは60がらみの海千山千、それでいてどこか憎めない男だった。その夜、彼はダーンとスキッピー(ウィル・パットン)を紹介した。彼らはジョーに輪をかけてあやしい雰囲気。ジョーの資金の調達というのは、犯罪行為以外の何ものでもなかった。今となってはどうすることもできないが、アルドルフォはすでにヤバイ仕事の片棒をかつがされていた。一方、アンジェリカの家庭の事情もなかなか複雑で、いつも別の男が部屋にいたり、あやしげな物音がしたり。ある夜、彼女の部屋で起こった騒動がきっかけで、彼はアンジェリカと親しくなれた。アルドルフォの気持ちを察したジョーは彼女に掛け合い、大日の夜を一緒に過ごすことになった。ジョーがとっておきの踊りを見せて場を盛り上げ、うちとけあって夜を楽しむ彼らだったが、悪のりしたジョーがアンジェリカに無理やりキスしようとして、彼女は怒って帰ってしまう。ジョーはその後も悪ふざけに興じ、アルドルフォはそんな彼をしぶしぶ許す。しかし、内心では、ジョーに対しての不信感を強めていた。ある日、映画製作の資金繰りのために麻薬取り引きの片棒を担いだアルドルフォは、途中、自分が利用されていることに気づき、ジョーと諍いを起こした。その場に居合わせたアンジェリカは、あきれて銃を放った。その弾丸が誤ってジョーに命中。結局、彼が映画作りに本気だったのか、アルドルフォを騙しただけなのかわからぬまま映画は終わり、アルドルフォのモノローグが続く…この映画をジョーに捧ぐ…と。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

3.5【映画作りに没頭する青年が映画製作の資金援助をするという怪しげな男に翻弄され次々とトラブルに巻き込まれるハートウォーミングコメディ。今作は映画製作資金を集める大変さをコミカルに描いた作品である。】

2024年3月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■映画作りに没頭し、破産寸前の青年・アルドルフォ(スティーヴ・ブシェミ)は、隣に住む美女・アンジェリカ(ジェニファー・ビールス)をヒロインにいつか映画を撮ることを夢想しているが、現実は家賃の支払いさえままならない。
 そこへ映画製作の資金援助をするという怪しげな男ジョー(シーモア・カッセル)が現れる。

◆感想

・インディーズ色が非常に強い作品である。

・シーモア・カッセル演じる謎めいた男ジョーに振り回されるアルドルフォの姿が何だか可笑しい。

<ラストは、少し切ない。ジョーはアンジェリカに撃たれた振りをしていたが、実際に撃たれていて、アルドルフォに対し、”恋愛映画を作ってくれ。”と言って事切れる。
 今作は、映画製作の資金集めの大変さをコミカルに描いた作品である。>

コメントする (0件)
共感した! 0件)
NOBU

1.0言うまでもなく、ジム・ジャームッシュの影響を感じてしまう。 言うま...

2023年10月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
マサシ

3.0俺には、早かった

2022年7月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画.com の本作紹介にあるように、「企画が頓挫しかけたところを日本のウイルアライアンスが製作資金を投資して完成。1992年サンダンス・フィルム・フェスティバルのグランプリ及び審査員特別賞受賞」って、そりゃ観たくなるでしょ。

映画監督を目指して脚本を書く毎日の青年が、金を集めてくれるある男と出会い、映画製作を進める?話。

面白い題材だな、と思うのだが、俺には早かったようだ。かすれてきた字幕が、視力の低い俺には最前列からも半分くらいしか読めなかったこともあるだろうか。残念だ。

誰か、リマスターしてくれないだろうか。

おまけ
アンジェリカは、ジェニファービールスだったのか。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
CB

4.0映画の中で

2022年2月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

映画を作ったりしている、いい感じ。
やたら押しの強いおじさん、分厚い脚本を語る語るが押しは弱い主人公、中々好青年。この人と喋らない男がドライブしているシーンは、ファーゴそっくりだ。
アメリカのドタバタ喜劇風なのがとても面白かった。

フィルム上映。

コメントする 1件)
共感した! 2件)
Momoko