イノセント・ライズ
劇場公開日:1996年11月9日
解説
近親相姦関係の兄妹が引き起こした殺人事件をめぐるサスペンス。監督・脚本は「仕立屋の恋」「タンゴ」などパトリス・ルコント作品の脚本家で、本作が監督第3作目になるパトリック・ドゥヴォルフ。製作は「クライング・ゲーム」のサイモン・ペリーと「ヨーロッパ」のフィリップ・ゲーズ、製作補に一連のルコント作品を手掛けるフィリップ・カルカソンヌが参加。共同脚本は『トゥルーラブ』(V)のケリー・クラブ。撮影は「女の復習」のパトリック・ブロジェ。音楽はドゥヴォルフの前作『Lapse of Memory』も手掛けたアレクサンドル・デズプラ。美術は「ブリキの太鼓」のベルナント・ルペル。編集は「ウェザビー」のクリス・ウィンブルと「カストラート」のジョエル・アッシュの共同、衣裳は「デュエリスト」などの英国のトップ・デザイナー、トム・ランドと、一流のスタッフが参加。主演は「S.F.W」のスティーヴン・ドーフと「デンバーに死す時」のガブリエル・アンウォー。共演は「クライング・ゲーム」のエイドリアン・ダンバーほか。また「ザ・デッド」の名優ドナル・マッカンが特別出演している。
1995年製作/88分/イギリス・フランス合作
原題または英題:The Innocent Lies
配給:日本ビクター
劇場公開日:1996年11月9日
ストーリー
1938年9月。フランスの北西部のある海岸。風光明媚な同地の見晴らし台で、ロンドン警視庁の元警部ジョー・グリーン(ドナル・マッカン)が謎の自殺を遂げる。彼を恩人と仰ぐ元部下の刑事アラン・クロス(エイドリアン・ダンバー)が事件の調査にやってくる。彼はフランス警察のモンフォール(ベルナール・アレール)に頼み、彼の娘でジョーの通訳をしていたソランジュ(ソフィ・オーブリー)を助手代わりに、事件の鍵を握るらしいグレイヴス家に乗り込む。グレイヴス家当主のヘレナ夫人(ジョアンナ・ラムリー)はナチス信奉者、息子のジェレミー(スティーヴン・ドーフ)は10年前に双子の弟を殺した疑惑があり、しかもアメリカ帰りの妹セリア(ガブリエル・アンウォー)とはただならぬ関係にあるらしい……と、きなくさい雰囲気がクロスを苛立たせた。ジェレミーの妻モード(マリアンヌ・ドニクール)は実はユダヤ人で、ヘレナは彼女を毛嫌いし、ジェレミーと口喧嘩が絶えない。セリアの前の婚約者は数年前に謎の事故死を遂げていた。彼女は新しい婚約者のクリストファー(メルヴィル・プポー)を連れてきたが、彼の前でもジェレミーとの親密さを隠さない。セリアはクロスに「私を守って」と頼み、クロスはそんな彼女に引かれていく。その矢先、ヘレナが殺され、容疑者としてジェレミーが逮捕される。嵐の夜。クリストファーはセリアに愛想をつかして去った。忍んできたセリアをクロスは抱く。抱かれながらセリアは真相を語る。すべての事件はジェレミーとセリアが引き起こしたものだった。双子の弟を殺したのはジェレミーだった。いつともなく結ばれた兄妹。セリアの婚約者は、二人がわざと見せつけたセックスにショックを受け、車を暴走させて自殺したのだった。ヘレナは二人が協力して殺した。すべてを聞いたクロスはセリアをニューヨークへ帰すべく、駅へ送る。ところがセリアはジェレミーを呼び出した。駅舎で抱き合う二人。彼女を手放せないジェレミーはセリアの首に手をかけた……セリアの身を危ぶんで戻ったクロスが目にしたのは、ジェレミーを逆に殺し、幼児のように指をくわえ、放心してうずくまるセリアの姿だった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- パトリック・ドゥボルフ
- 脚本
- パトリック・ドゥボルフ
- ケリー・クラブ
- 製作
- サイモン・ペリー
- フィリップ・ゲーズ
- 撮影
- パトリック・ブロシェ
- 美術
- ベルナント・ルペル
- 音楽
- アレクサンドル・デプラ
- 録音
- アイヴァン・シャーロック
- 編集
- Chris Wimble
- ジョエル・アッシュ
- 衣装デザイン
- トム・ランド
- アソシエイト・プロデューサー
- フィリップ・カルカソンヌ
- 字幕
- 吉田由紀子