アナザウェイ
劇場公開日:1984年10月19日
解説
自らの愛と自由を求めて厳しい道を歩む女性ジャーナリストの姿を描く。監督はカーロイ・マック。エリザーベト・ガルゴーツィの原作を基にカーロイ・マックとガルゴーツィが脚色。撮影はタマー・アンドール、音楽はラースロー・デースとヤーノス・マーシクが担当。出演はヤドヴィガ・ヤンコフスカ・チェースラック、グラジナ・サポロウスカ、ユーゼフ・クローネル、ガボール・レヴィッツキイ、ペーター・アンドライなど。
1982年製作/ハンガリー
原題または英題:Another Way Egymasra Nezve
配給:大映インターナショナル
劇場公開日:1984年10月19日
ストーリー
1958年、冬。警備隊の制止の声を聞かずにハンガリー国境を抜け、ユーゴスラヴィアに入ろうとする人物がいた。エバ・サランツキイ(ヤドヴィガ・ヤンコフスカ・チェースラック)、ブダペストの女性ジャーナリストだった……。妥協を許さぬ性格ゆえに二年間の失業を余儀なくされたエバは、その年、やっとの思いで新聞社に就職が決まった。記者として勤めるエバは、そこでリヴィア(グラジナ・サポロウスカ)という、軍人の夫(ペーター・アンドライ)を持つ女性と知り合う。リヴィアの生活は平安で何の不満もなかったが、とりたてて情熱を注ぐものはなかった。そんな彼女の落ちついた雰囲気に、エバは惹かれはじめた。クリスマスの夜、楽しい時を過ごし、いつしか口づけを交わす二人。エバには過去にも同性愛の経験があった。翌日、リヴィアは、エバから逃れるために会社の席を移した。しかし、夫に対して、以前のように愛せなくなっている自分に気づき、エバを知らず知らずのうちに愛していることを感じるリヴィア。一方、そんな個人的な感情とは別のところでエバは、“アストリア事件”の真相を探っていた。取材でソルノフを訪れ、1956年、ブダペストのホテルで起こったこの事件の関係者に事情を聞き出そうとするエバ。ついに当事者の証言を得ることに成功した彼女はそれを早速記事にまとめ編集長(ユーゼフ・クローネル)に提出。しかしそれをそのまま載せることは危険だと編集長は一部を刷って印刷所にまわすと提案した。納得のいかないエバは、自ら新聞社を去って行く。リヴィアのもとに、生まれ故郷に帰ったエバから手紙が届いた。その手紙に心がゆらいだリヴィアはエバの故郷へ向かい幸福な時を過ごす。エバと共に暮らす決心をするリヴィア。彼女は夫のもとに戻り、別れを告げるが、彼はリヴィアを責めつけ力づくで引きとめようとした。必死で出ていこうとする彼女に、ついに夫は発砲した。命こそはとりとめたものの、生涯起き上がれぬ身体となってしまったリヴィアを、エバは病院に訪ねた。エバの必死の呼びかけにもリヴィアは思うように応えられない。病院を去ったエバは、傷心の身で、国境に立っていた。1958年の冬のことだ。国境を進む彼女に、警備隊の銃が火をふくのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- カーロイ・マック
- 脚色
- カーロイ・マック
- エリザーベト・ガルゴーツィ
- 原作
- エリザーベト・ガルゴーツィ
- 撮影
- タマー・アンドール
- 音楽
- ラースロー・デース
- ヤーノス・マーシク
- 字幕
- 岡枝慎二
受賞歴
第35回 カンヌ国際映画祭(1982年)
受賞
コンペティション部門 | |
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女優賞 | ヤドビガ・ヤンコフスカ=チェースラック |
国際映画批評家連盟(FIPRESCI)特別賞 | カーロイ・マック |
出品
コンペティション部門 | |
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出品作品 | カーロイ・マック |