青い体験

劇場公開日:

解説

女っ気のない家庭にやってきた若く美しいお手伝いさんをめぐって、父親と長男が争奪戦を始める。製作はシルヴィオ・クレメンテッリ、監督は二九歳の新人サルヴァトーレ・サンペリ、サンペリの原案をオッタヴィオ・ジェンマ、アレッサンドロ・パレンゾとサンペリ自身が共同脚本。撮影はヴィットリオ・ストラーロ、音楽はフレッド・ボンガストが各々担当。出演はラウラ・アントネッリ、トゥリ・フェロー、アレッサンドロ・モモ、リリア・ブリグノン、ピーノ・カルーン、アンジェラ・ルース、ティナ・オーモンなど。

1973年製作/イタリア
原題または英題:Maligia
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1974年10月12日

ストーリー

シシリー島の小さな町の朝まだき、生地商のイグナツィオ・ブロカ(T・フェルロ)は、アントニオ(J・チリッジィ)十八歳、ニーノ(A・モモ)十四歳、エンジーノ七歳の三人の息子を残してこの世を去った妻の葬儀をとどこおりなく終えたところだった。表面、悲しみをよそおっているものの、彼の心の中には病弱でヤキモチ焼きの女房が死んだ安堵感があり、しかも近所の大金持ちの未亡人コラロ(A・ルース)の挑発もあって、自然と頬の筋肉がゆるんでくるのを押さえるのに一苦労というところだった。だがそんな状況を一変するような事態が発生した。若く美しい娘がお手伝いとして彼の家にやってきたのだ。妻が死ぬ前に家政婦協会に頼んでおいたのだという。優しくよく気のつくアンジェラ(L・アントネッリ)をすっかり気に入ったイグナツィオは、もう中年のコロラなど見向きもせず、何とかアンジェラの気を引こうとやっきになった。ところが、その気になっているのは親父ばかりではなく、長男のアントニオもすっかりアンジェラの魅力にまいっていた。そんな父と兄の態度に反感を持った次男ニーノは、独自のペースでアンジェラに接近した。学校から帰ればアンジェラと一緒にいる時間はニーノが一番多いことになる。一方、イグナツィオに相手にされなくなった末亡人のコラロも、ニーノに挑発的な態度をとるようになり、若いニーノのセックスに対する欲望も日に日に昂まっていった。ある日、ついに我慢できなくなったイグナツィオは、“小さな子供たちには母親が必要だ”とプロポーズ。彼女は家族全員が同意すればと答える。狂喜したイグナツィオだったが、ここに二人の強敵が現われた。一人は田舎で楽隠居の生活を送っている厳格な母であり、もう一人は弟エンジーノを使って、“お母さんの幽霊が出る。僕たちのお母さんの面影を消さないで”というニーノである。だが、アンジェラはニーノの幽霊話は彼の嫉妬心が生んだ作り話であることを知っていた。SEXへの願望と不安に揺れ動くニーノの心を見てとった彼女は、激しい雷雨の夜、ついに自分の方からニーノと一夜を共にするのだった。翌朝、ニーノは照れくさそうに“夕べお母さんが僕の所にきて父さんの再婚を祝福するって言うんだ”と告げた。結婚式の日、イグナツィオは何も知らずにただもう嬉びに胸をつまらせ、有頂天になっている。ニーノはアンジェラに祝福のキスをすると、くったくのない笑いをうかべて“ママ”と呼ぶのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0こんな家政婦が一つ屋根の下に暮らしていたら(^^;;

2023年2月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWプラス(スカパー!)の放送にて。

イタリア伝統の艶笑映画の流れを汲む作品だが、このジャンルの中では笑いも色気もおとなしい。
本作のヒットをきっかけに、ゾロゾロと類似の“筆下ろしもの”が作られた。

本作がイタリア国外でもヒットした要因は、主演のラウラ・アントネッリの魅力に尽きるだろう。
アントネッリは20代半ばにスクリーンデビューしていたようだが、日本で認知されたのは本作からのはず。本作撮影時は30歳を過ぎていただろうから、20代の姿は日本では見ることができなかった。(と、思う)
本作の後はお色気系映画を主戦場として活躍したが、やはり日本ではほとんど公開されていない。(今はソフトで見ることができる)……が、地上波の洋画番組で放映するにはちょうどよいお色気加減だったので、テレビでは重宝されていた。他の類似映画もテレビて放映されたが、やはり本作が最も繰り返し放映されていた印象だ。

この映画は何度となく観ていて、ストーリーテリングはいい加減だし、魅惑の家政婦とスケベ少年の心理描写が無茶苦茶なので、高校生の頃(だったと思う)テレビで初めて観た時はドキドキしたものの、その後の鑑賞では観るに耐えない映画だと感じていた。それでも何度か観ているのは、やはりアントネッリの魅力に尽きるのだ。
今回久しぶりに鑑賞して、改めてアントネッリの色気に魅了された。

スケベ少年ニーノ(アレッサンドロ・モモ)は羊毛生地の製造販売業(と思われる)を営む中流以上の家庭の次男坊で、母親の葬儀の当日に母親が生前に申し込んでいた住み込み家政婦がやって来る。
家政婦アンジェラ/アンジェリーナ(ラウラ・アントネッリ)は家事を完璧にこなし、何より色っぽい。
プレイボーイ気取りの長男と男やもめとなった薄毛の父親が彼女の争奪戦を展開するなか、スケベ少年は彼女への歪んだ憧れを露にしてゆく物語。

熟女未亡人と、スケベ少年の悪友の姉を比較対象に置くことで、アントネッリの控え目な色気が反って強調される対比効果となっている。
こんな色っぽいお姉様が身の回りの世話をしてくれたら、薄毛親父も悪ガキたちも舞い上がってしまって当然だ。

ニーノがアンジェリーナを挑発する場面は、雇い主の子息という優位的立場によるパワハラそのもの。
20〜30歳も離れていようかという薄毛親父の求婚に応じようとするアンジェリーナは、ニーノに攻撃されて「やっと幸せになれると思ったのに…」と泣く。ここには玉の輿に幸せを見出だそうとする貧富格差を感じる。
また、薄毛親父の再婚には、彼をいつまでも小僧扱いしている母親(お婆様)を説得しなければならないイタリアのファミリー主義と、その説得を友人の神父に頼み込むカトリック信仰の伝統が垣間見える。

編集も音楽の合わせ方も極めて稚拙で、ストーリーはいい加減な映画だ。
が、撮影監督のヴィットリオ・ストラーロは、ベルトルッチの『暗殺の森』で見事にデカダンの空気を映し出した人で、この後『地獄の黙示録』『レッズ』などで多数の賞を受賞する人だった…‼️
イタリア映画界は侮ってはいけない。

とは言え、繰り返すが本作はアントネッリの魅力に尽きる。
ラウラ・アントネッリに感謝を込めて、★ひとつ追加❗

🎵Oh!アンジェリーナ〜🎶(佐野元春)

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共感した! 3件)
kazz

4.0みずみずしい感覚を表現できている永遠の生命をもつ作品だと思います

2019年7月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

綺麗なお姉さんに優しく手ほどきされて…なんてだけの単純な映画だったら、これ程長く愛される映画にならなかったと思います
結局のところはそうなってしまうのですが、単なるお色気コメディで終わっていないところに価値があります

邦題は本作の内容を的確に表現していますが、表面的です
原題の意味は悪意
ニーノの複雑な心情がよりうまく文学的に表現されていて、邦題よりもより深く内容を説明出来ており味わいがあります

性に目覚めた頃の男の子の感覚がみずみずしく映像に写しとれています
そして経験をしてラストシーンでは大人の顔つきに変わっているのです

音楽が秀逸です
70年代ポップス風味が濃厚にしてイタリアの味わい
甘酸っぱくて映画の内容に本当にマッチしています
このテーマ曲も永遠の生命を本作は得た理由のひとつだと思います

そしてカメラが素晴らしいです
見事な構図と光線の処理です
さぞかし名のあるカメラと思ったら、やはりラストタンゴインパリ、ラストエンペラー、1900年、地獄の黙示録などそうそうたる作品を撮っているヴィットリオ・ストラーロその人でした

今の子供達はネットでポルノにいくらでもアクセス出来てしまいます
このような微妙な心情を育むことができるのでしようか?

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あき240

3.0青春時代

2018年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

萌える

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kossy

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