アウトブレイク

劇場公開日:1995年4月29日

解説

すさまじい伝染力と死亡率を持つ未知の病原体の脅威と、それに立ち向かう人々の姿を描いたパニック・サスペンス。ベストセラー・ノンフィクション『ホット・ゾーン』(飛鳥新社刊)でも扱われたエボラ出血熱の事件をモチーフに、科学的根拠に基づくリアルでスリリングな恐怖が展開する。監督は「U・ボート」「ザ・シークレット・サービス」のウォルフガング・ペーターゼン。製作はペーターゼン、「逃亡者(1993)」「フォーリング・ダウン」のアーノルド・コペルソンとゲイル・カッツ。脚本はローレンス・ドゥウォレットとロバート・ロイ・プールの共同。撮影は「クイズ・ショウ」のミハエル・バルハウス、音楽は「ジュニア」のジェームズ・ニュートン・ハワード、美術はウィリアム・サンデル、編集はニール・トラヴィス、リンジー・クリングマン、ウィリアム・ホイ、SFXはボス・フィルム・スタジオ、衣装はエリカ・フィリップスがそれぞれ担当。。主演は「靴をなくした天使」のダスティン・ホフマンと「ザ・シークレット・サービス」のレネ・ルッソ。共演は「許されざる者(1992)」のモーガン・フリーマン、「ジャッジメント・ナイト」のキューバ・グッディング・ジュニア、「ディスクロージャー」のドナルド・サザーランド、「摩天楼を夢みて」のケヴィン・スペイシーほか。

1995年製作/アメリカ
原題または英題:Outbreak
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1995年4月29日

あらすじ

米国陸軍伝染病医学研究所(USAMRIID)のレヴェル4(最高警戒度)研究チームのリーダー、サム・ダニエルズ大佐(ダスティン・ホフマン)は、指揮官のフォード准将(モーガン・フリーマン)に命じられ、アフリカの小さな村に派遣された。そこで彼は、未知のウイルスによって村人たちが次々と死ぬのを目の当たりにする。サムはウイルスがアメリカにまで広がる恐れがあると判断し、警戒態勢を敷くように進言するが、フォードは“モタバ・ウイルス”と名付けられたこの病原菌の研究をやめるよう命令する。その直後、カリフォルニア州のシーダー・クリークという町で、住民たちの間に伝染病が発生した。症状はサムがアフリカで目撃したものと同じだった。彼は命令を無視して町に駆けつけ、民間の研究機関である疫病管理予防センター(CDC)で働く別れた妻のロビー(レネ・ルッソ)と共にウイルスの制圧に取り組み、ペストよりも確実に死がもたらされるという絶望的な事実を知る。陸軍から提供された血清が、ウイルスに感染した猿に劇的な効果を与えた。発見されたばかりのウイルスに効く血清をなぜ陸軍が持っていたのか、不審に思ったサムは驚くべき事実を知る。モタバ・ウイルスは60年代に米国陸軍が参加したアフリカでの局地戦の際に発見され、陸軍幹部マクリントック少将(ドナルド・サザーランド)によって採取され、生物兵器として使用するためにひそかに保管されていたのだ。しかし、ウイルスは突然変異を遂げており、猿を回復させた血清は人間には効かなかった。サムは部下のソルト少佐(キューバ・グッディング・ジュニア)と共に、最初にウイルスをもたらした“宿主”がアフリカで密猟された猿であることを突き止める。その頃、少将は生物兵器の事実を隠すため、かつてアフリカで行ったのと同じようにシーダー・クリークの町を焼き払おうと画策していた。そんな時、ロビーが誤ってウイルスに感染する。猿の居場所を突き止めたサムとソルトは軍用ヘリコプターを奪って現地に向かうが、マクリントックもヘリコプターで追跡する。ヘリの追撃をかわしたサムたちは、捕まえた猿で血清を作り、ロビーに試す。だが、既に気化爆弾を搭載した爆撃機は出撃していた。ヘリに乗ったサムは無線で爆撃機の乗組員に真実を訴え、爆撃を中止するよう懇願する。乗組員たちはサムの訴えを聞き、爆弾を海上で爆破させた。正義と責任感に目覚めたフォードは、マクリントリックを逮捕する。血清は大量に合成され、ロビーをはじめとする感染者たちは快方に向かった。サムとロビーはもう一度やり直そうと微笑みあった。

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映画レビュー

3.0タイトルなし(ネタバレ)

2025年8月7日
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mysha

3.5創作と現実の狭間

2025年8月6日
スマートフォンから投稿

地球の宿命、病原体
容赦なく侵食するそれ
それと人類は闘ってきた。

1995年公開のこの映画
あるキッカケで伝わるそれ
映画は謎のそれと闘う物語。
追求する人々の姿に勇気をもらい
エンタメとして楽しめる。

謎の病原体
政府の秘密
恐怖の連鎖
急に広がる

この25年後
同じように
謎も恐怖も…
有った。

昔、鑑賞した時は創作の域
今、再び鑑賞すると甦る。

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星組

3.0細胞を死滅させるウイルスの恐怖

2025年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 最初の感染者が発見された時点で、既にその人の周りには感染拡大していて手遅れなんだろう。感染が爆発的に拡大していく様は、コロナウイルス感染者が日本国内で発見され始めた当時の緊張感を思い起こされて興味深かった。コロナですら怖いのだから、今作のような細胞を死滅させるようなウイルスの恐怖感は底知れないものがある。

 また、些細な事故で仲間の研究者にも感染拡大したり、突然変異のウイルスが見つかったりするなど、目まぐるしく変わる展開で、視聴者を飽きさせないように工夫されている点も良かった。

 ただ、上官が分かりやすく悪役だったり、軍の逮捕命令を逃れ続けることができたり、最後は上手いこと爆撃回避したりといった、設定や展開が安易に思えるところがある。映画としては盛り上がるのだろうけど、そういった諸要素が個人的にはいまいちに思える鑑賞となった。

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根岸 圭一

4.0【且つて起きたパンデミックが現代で再び起きた時に明らかになった真実を描いた恐ろしい物語。今やこの映画は現実の喫緊の問題を描いているのである。あのラストは決してハッピーエンドではないのである。】

2025年3月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

幸せ

■1967年、ザイール、モターバ河流域の小さな村。謎のパンデミックが起き、米軍は患者の血を採取した後に、村を壊滅させる。
 そして、現代。モターバ河流域で再びパンデミックが起きる。それは一匹の密輸された猿によってカリフォルニア州“シーダー・クリーク”で蔓延していく。
 だが、軍のマクリントック少将(ドナルド・サザーランド)とフォード准将(モーガン・フリーマン)は、それが且つてのパンデミックの症状に酷似しており、且つ軍は、採取した血で細菌兵器を作っていた事から、事の成り行きに疑問を持つサム・ダニエルズ大佐(ダスティン・ホフマン)の調査の邪魔をする。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ご存じの通り、パンデミックは人類に対し、天然痘、ペスト(ヨーロッパで流行った際には黒死病と呼ばれた。)、スペイン風邪、SARS、エボラ出血熱と次々に襲い掛かって来た。

・だが、現在ではその原因として、愚かしき人類が開発した細菌兵器の流出という、自然界からは発生しない筈の、パンデミックの危険性も新たに発生しているのである。

・今作では、軍が開発した細菌兵器の流出はないが、軍がその事実を隠ぺいするために、何の罪もない小さなカリフォルニア州“シーダー・クリーク”を”封じ込め”ようと画策するマクリントック少将と、それを止めようとするサム・ダニエルズ大佐(ダスティン・ホフマン)との対峙がスリリングに描かれている。
 少し気になるのは、フォード准将(モーガン・フリーマン)のスタンスであるが・・。

<今作を観ると、学ぶことは多い。医学が発達していない土地からの野生動物の密輸の危うさ。軍(国)は、小さな犠牲で大きな犠牲を平気で防ぐ組織である事なのであろう。
 だが、コロナ禍を経験した私たちは、もう一つ、愚かしき人類が開発した細菌兵器の流出という危機がすぐ隣にある事を学ばなければならないと思う。コロナは、ワクチンにより収束しつつあるが、その発生源は未だに”公には”特定されていないからである。>

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NOBU