ゆけゆけ二度目の処女

劇場公開日:1969年

解説・あらすじ

若松孝二監督がキャリア初期の1969年に手がけた、実験精神あふれるエロティック・ドラマ。とあるマンションの屋上で、ひとりの少女が不良たちにレイプされている。その近くで、真面目そうな青年が何もできずにただ見守っていた。やがて少女は青年に、自分がレイプされるのはこれで2度目だと打ち明ける。そして、自分を殺してくれるよう青年に頼むのだが……。脚本は“出口出”名義で足立正生と小水一男が手がけている。

1969年製作/65分/日本
配給:若松プロダクション
劇場公開日:1969年

スタッフ・キャスト

監督
若松孝二
脚本
足立正生
小水一男
撮影
伊東英男
照明
磯貝一
録音
福田伸
助監督
小水一男
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映画レビュー

4.0 ピンク映画となめてはいけません、傑作です!

2020年5月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ピンク映画の体裁ですが違います
確かにレイプシーンから始まりますし、乱交シーンもあります、女性の肌ももちろんあります
しかし劣情を昂進させ性欲を満足させることをまったく目的とはしていません
不思議な映画としての魅力が充満しています

舞台は原宿の表参道神宮前交差点、今の東急プラザの所にかって建っていた、昔は有名なビルだった原宿セントラルアパートのほぼ屋上だけでお話が進行します

少しだけ5階の室内とエレベーター、階段が映りますが、あくまで屋上がメインです
一種の密室劇なのです

撮影は白黒
2回だけ回想シーンがカラーで挿入されます
一度目は青、二度目は鮮血の赤です
衝撃のある効果的な使い方です

タイトルはレイプされる女子高生が朗読する何かの詩の一節のようです
音楽の使い方も渋く素晴らしいセンスです

主人公の青年は助監督とのこと
不思議な正常と異常の紙一重の境界線にいる人間を素で表現しています

二度レイプされたというのは、二度の安保闘争の暗喩かもしれません
8月8日と少女が言うのは1967年の同日の新宿駅での米軍燃料輸送列車事故のことかと思います
これが引き金となって、本作の1年前の1968年10月に起こった新宿騒乱を思い出せと言っているのだと思います

しかしこんなことは付け足しです
フリルであってテーマではありません
むしろ左翼的な思想はどうでもいいこととメッセージを発しているように思えます
ストーリーにも大した意味は有りません

本作の目指したものは虚無感なのだと思います
投げやりな気分
豚野郎どもを殺してしまいたい
死んでしまいたい
そんな当時の学生運動の武装闘争のムードを反映させたものなのだと思います

ピンク映画となめてはいけません
若松孝二監督はピンク映画界の黒澤明と言われるそうです
ピンク映画だから観ないでいたのはもったいない限りでした
傑作です

若松監督の理由なき暴行も傑作です
何故か映画.com にはエントリが無くレビューできませんのでこちらに合わせて書きます
格差社会と出口の無い疎外感を描いた心に残る傑作中の傑作です
21世紀の今こそ高く再評価されるべき作品です
リメイクされるべきです
是非とも合わせてご覧下さい

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あき240

4.5 答えはなんだったんだろう?

2012年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

 再見です。

最初に観た時と感じ方が違いましたね。

とにかく性欲あふれるヒッピーを観て、豚野郎と思う。
男性にとって「●ックスと言うのは汚いものでしかない」とでも思ってたのでしょうかね?
ヒッピーを惨殺し、その状態で男と女ははしゃぎあいながらじゃれあうという時間が男性にとって、うれしかったのだろうか?唯一見せる笑顔がそこだったから。
砂浜がコンクリートに変わっただけかもしれない。

でもいざ女性と●ックスするのは出来ない。なにを拒んでいるのか?輪姦されたことがトラウマになっているのか?

走りながら笑いながら話しているというのが最大の告白だったのかもしりませんな。

『愛してた?』

わかりませんw

血のりが一か所ついていないところがあるので(記録ミス)、そこ差し引きます。

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青山大輔

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