「みなさん、助けてあげましょうね」ニライカナイからの手紙 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
みなさん、助けてあげましょうね
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映画「ニライカナイからの手紙」(熊澤尚人監督)から。
沖縄・竹富島を舞台に展開される、手紙を通した母娘の物語だが、
その根底に、島全体でその母娘を支える「うつぐみ」という仕組みが
私には素晴らしいと感じた。
母は大病を患い、東京でとっくに他界しているにも関わらず、
娘が20歳になるまでは気付かせないように、島民全体で協力する。
その選択が正しかったかどうかは、別問題として、
「その時々に、島にとって何がほんとうに重要なのかということを、
みんなが集まり、みんなで話し合い、一度決めたことは、
みんなで協力することこそ、優れて賢いことだ」という考え方が、
心に響いた。
農繁期に、お互い助け合う「結い」という制度にも感心させられたが、
今回の「うつぐみ」という連帯感には、さらに驚かされた。
誰でも、どんな理由でも、困っているから助けよう、という想いが、
年配の女性が、集った島民に投げ掛けた一言
「みなさん、助けてあげましょうね」が全てを物語っている。
蛇足になるが、こんな電子メール全盛の時代に、不覚にも
「郵便配達という仕事、素敵だな」と感じてしまい、
「手紙」という単語が題名に付く映画にハマりそうな予感がする。
出してからすぐ返事が届かないからこそ、想いが熟成するんだな、
そんなことを感じて、観終わった。
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