雲のむこう、約束の場所のレビュー・感想・評価
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素晴らしぃ実験的映像と背景美術。でも共感はできん。
内容は、新海誠監督の共同芸術作品。登場人物は藤沢浩紀・沢渡ツキノエさゆり・白川拓也の3人がおりなす恋愛を絡めた青春物語。全体的な雰囲気は、エヴァンゲリオン・オンユアマーク・秒速3センチメートル・太陽の黙示録・ソラリス・宮沢賢治などのエッセンスを混ぜ合わせて現在の時代背景に載っけたファンタジー作品。印象的な台詞は、『僕達は、どうしても巨大な塔を目前にしたかった』だから『僕等はヴェラシーラと名付けたい飛行機で国境の向こうのあの塔まで飛ぼうとしたんだ』だから?!の部分だけが一人歩きして意味不明。凄い強引な台詞回しが驚きです。印象的な場面は、これでもかという程見せつけられる、入道雲と斜陽の朝夕日、ゴールデンタイムのオンパレード。この世界には朝夕日しか勝たんっ感じが伝わってきます。そして情動的な音楽🎻ヴァイオリンの多様。印象的な状況では、違和感ありまくりの状況です。交差点の中央で赤信号にて止まる車。蝦夷にそびえる巨大な塔の意味不明な背景。塔の高さは?塔の先はどうなってる?第二次世界大戦のもう一つの結末ダウンフォール作戦が成功した後の物語なの?高校のアルバイトで爆弾💣作り?実験もなく飛行機飛ばすの?そもそもその飛行機構造上脆くない?国境超えたら問答無用で撃ち落とさせるよな?沢渡を裸のまま連れ出すのはいやらしくない?白川拓也さんアメリカよりなのに使う銃はトカレフって蝦夷派なの?細かく飛行機や国境超える作戦ぽい物を説明してるけど聞いてると全く説明になってなくない?色々専門用語出してますが考証浅くない?訣別の朝や春と修羅や夢網など、夢と現実をロジックに組み立てようと頑張ってる事は理解出来ますが、急に恋愛にぶれてしまい観客を置き去りにして???をつけたまま。ラストまで走りきってる映画は、とても面白くもあり、恐ろしくもありました。見ている自分は何を見さされてるんだろうと感じました。2回見ましたが無理のある内容と綺麗な映像は、自分的にはキツかったです。個人的な感想は、中二病を引き摺った大人が、カタルシスの解放を夢に見て、昔を懐かしむやうな作品の独り歩き具合に驚きと感動を感じます。
難解かな?
夢…の中
美しき「絵」の映画。ストーリーは・・・
本作は、「ほしのこえ」から「天気の子」まで続く、美しく儚さもある新海誠作品の「絵」が如実に出ている作品であった。監督の劇場作品で、初めての長編作品である本作だが、前作に引き続き、ノスタルジーを感じさせる描写が書き込まれている。降り出す雪。空を舞う航空機の美しさは20年近く前でありながら今の作品にも見劣りしない美しさだ。もちろんただ絵が美しいだけでなく、その作画を存分に生かすカメラワーク、構図で撮影されている。尾を引く飛行機雲と、異質にそびえたつ塔のカットは衝撃的な美しさがあった。
しかし、その絵に対してストーリーは微妙なところが多い。本作は前作「ほしのこえ」と同じくかなり壮大な世界観のSFなのだが、前作があえて深入りしすぎないことで、ストーリーに悪影響を及ぼすことなく、作品の魅力を高めていたのに対し、本作は設定に中途半端に入ってしまったので、モヤモヤしたものが残ってしまった。あれは何だったのか?あれはどういう意味だったのか?と気になってしまった。壮大な設定を生かせてなかったというのが正直なところだ。主人公達の行動にもところどころわかりにくい点が多く、世界観にうまく入り込めないまま終わってしまった。
蝦夷
かつては北海道と呼ばれていた海の向こうの蝦夷。南北に分断されたという設定は朝鮮半島やその他の南北問題があった国をイメージしたものだろうか。二つの国になったならば、人間の問題だけではなく軍備施設も多い。しかし、この映画の設定では南がアメリカ軍、北がユニオン・・・連合とか言っても国連ではないのかもしれない。
3年後の世界。サユリはずっと眠ったまま。平行世界とか平行意識とか、SFと精神の世界のノスタルジー。サユリを起こしてしまうとユニオンの塔が巨大なエネルギーで破滅に導いてしまう。戦線布告やテロ攻撃といったものがなぜ起こったのかはさっぱり説明がない。反戦のメッセージよりも、どちらかというと幼く淡い恋心を一気に昇華してしまうといった厭世的なものも感じられたが、人によって感じ方が違うんだろうなぁ・・・
「これが新海誠のセカイ系か」という驚きの作品
「君の名は」「天気の子」と、新海誠の最新作を2作視聴して勝手に新海誠の「セカイ系」というものを理解したつもりでいましたが、甘すぎました。猛省いたします。
新海誠ファンの知人が言うには、「新海作品の中でも一番セカイ系の要素が強い」と。
ストーリーも単純なようで複雑、世界観も現代日本に近いけど情勢が異なるパラレルワールドのよう。なかなかストーリーの説明がしづらい作品ですね。気がついたらどんどんストーリーが展開していくので、置いていかれそうになります。作品は面白いんですが、難解な部分も多いので一度の視聴で分からないところも多かったですね。
ストーリーは難解ですが、良いところもたくさんあります。特に映像が本当に素晴らしかった。自然描写は言わずもがな、作中に登場する飛行機のデザインも良かったです。
また、キャラクターの関係性や心情の描写が繊細に描かれていて、そういうところも新海作品の魅力ですね。
個人的に一番の問題点は主人公役の声優の棒読み演技ですかね。だんだん慣れていくかと思いきや、最後まで棒読みが耳についてしまって集中力が削がれました。
良くも悪くも新海作品か。
映像と心情描写
総合65点 ( ストーリー:20点|キャスト:70点|演出:85点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
前作『ほしのこえ』を発展させたような作品。
沢渡佐由理役の南里侑香の声が良かった。突然彼女が消えたことで全てを忘れるために何もかも投げ出して東京に逃げて、その後は命懸けで彼女のために飛んだ主人公の藤沢の寂しさ・喪失感・悲しさがしんみりと伝わる純文学のような表現が印象深い。
映像の美しさはもちろんだが、ちょっとした描写や切り取ったような風景の使い方が感情を表す演出が抜群に上手い。これも芸術的な雰囲気が漂う。
反面、前作の『ほしのこえ』と同様に設定と物語は駄目。説明不足でわかりくにいし、現実感がないし、はっきり言って無茶苦茶です。中学生の内職の給与と技術で飛行機が作れる時点でかなり異常。三人の関係と何が起きてどうなったのかを描かない物語も良くない。
こんな大袈裟な話にして破綻してまとまりがないようなことにしなくても、もっとありきたりな小さな物語で人の心を描くことは出来るはず。そのあたりを向上させるには次回作『秒速5センチメートル』まで待たねばならない。
タイトルなし
忍耐力がいる映画
新海誠監督の作家性が滲んだ切ないSFジュブナイル
1996年、日本は津軽海峡を境に南北に分断され、共産国家ユニオンがエゾ(北海道)を統治し、中央に天空を貫く用途不明の塔を建設していた。津軽に住む中学3年生のヒロキとタクヤはこの塔に憧れ、墜落した飛行機を改造して塔まで飛ぶことを夢見ていた。ある日ヒロキが密かに思いを寄せているクラスメイトのサユリに自分達の飛行計画をうっかり話してしまったところ、サユリは強い興味を示し、彼女も塔まで連れていくと約束するが、サユリは突然姿を消してしまう。飛行計画は頓挫し、3年後郷里を離れて東京の高校に通っていたヒロキの元に一通の手紙が届けられる。それは実は3年前に原因不明の病で意識を失ったサユリが書いた手紙だった。
夢の世界に閉じ込められた少女が世界の命運を握っているという設定が『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を彷彿とさせるSF青春譚。ノスタルジックな風景の中で、自分の気持ちを伝えることが出来なかった少年が決心した冒険とその結末が実に切ない。『君の名は。』に通ずる印象的なカットが至るところにあって、新海誠監督の作家性が今現在に至るまで全くブレていないことに驚愕しかないです。
むずい…
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