父と暮せばのレビュー・感想・評価
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違和感
冒頭部分から違和感。ユーモラスにしたいのでしょうが、雷が怖いからって頭に座布団被って押し入れに入っている父親、しかもその父親は死んだ人。全然面白くないんですが。さらに脚本を読んでます状態の二人。作品の主旨はわかります。でも明らかに舞台向けだよね?映画にする意味あったかな?また、映画のラスト、カメラがぐるりと天井に視点を向けると格子状のドーム(日本人なら誰でも見覚えのある)から外観に移り、さらに引くと地面に咲く二つの花。つまり二人は死んだ人??であれば劇中の葛藤は何だったのか?父親を置いて逃げた罪悪感が心の底にあって自分は幸せになってはいけないとかたくなに思う娘と、それを解き放そうとする父親の思い、さらにはそれを語り継いでいくのが生き残った者の使命だ、というのがこの話の主旨だと思ったのに、え?二人とも死んでたの?では映画の意図が読めない。
あと、宮沢りえが持ち上げられれば持ち上げられるほど、しらける。彼女の出演したどの映画を見ても同じ。そんなにうまい女優さんとは思えないのですが。
おとったんと娘の2人舞台
京都シネマ名画リレーにて。
今は亡き井上芳雄と宮沢りえの2人芝居。
井上ひさしの同名戯曲が原作なので、とっても演劇感を感じる映画でした。
親子以外の登場人物は浅野忠信のみ。
宮沢りえの声って、かわいいなあ、広島弁かわいいなあと思っていました。
おとったん、おとったん。
あんなめんこい年頃の娘を置いて、焼け死なねばならなかったおとったん。
原爆で生き残ってしまった事に罪悪感を持ち、幸せになる事を拒む娘と、死んでいるけどそんな娘が気がかりで、化けでてきてしまったおとったん。
おとったんの気持ち、わかるなと思いました。
かわいい誰かを残して死んだことはないのにも拘らず。
娘の気持ちは、わかるけれども、誰も望んでないよ、と思いました。
同級生のお母さんが、うちの娘がしんでなんであんたが生きているのか、と言ってしまったことは、どうか気にしないで欲しい。
おとったんを見捨てて逃げた自分を、責めないで欲しい。
それはあんたのせいじゃないんよ。
おとったんと一緒に、娘を励ます気持ちでみました。
おとったんの1人芝居が面白かったです。
原田芳雄と宮沢りえが、素晴らしい!
原爆のむごさを2人の語りでしっかり心に刻むことが出来る良い映画でした。
あきこの母のなんでうちの子じゃなくてあんたが生きているのよ?という言葉、2人がじゃんけんしてなんでパーをださんのや、最後の親孝行でここから逃げろと父親が言った回想シーン、泣けました。
観てよかったが早送りで…
とにかく宮沢りえの細さに驚いた。
さて、感想…
素敵なお父さんと娘の話。
そして舞台は広島…原爆体験がシーンごとにでてくる。
娘の苦悩、聞いていると胸が痛みます。素直じゃないところは若さゆえの部分もありますかね。でも被爆体験のシーン胸が痛みました。
お父さんの楽しさ、作っていた雑魚味噌。娘を思う気持ちにはキュンとしてしまった。
8月に観るのはオススメです。
宮沢りえは菩薩となった
井上ひさし戯曲による舞台は大好きで良く見に行く。
常に【戦争】を庶民の立場から見つめ大いに笑わせながら最後は涙を絞り取られてしまう。
しかしこの原作である戯曲は読んだ時にかなり地味に感じて舞台はパスしてしまっていた。
映画を見終えて先に舞台を見無かった事に対して後悔をしても後の祭だった。
宮沢りえと原田芳雄が殆ど出ずっぱりで、セリフの一言一言が心に突き刺さって来る。
それはまるで血ヘドに塗り固まった塊をこれでもか!とばかりに画面から飛び散って来るのだ!
監督の黒木和雄は前作の『美しい夏キリシマ』が‘静’の戦争批判だとすれば今回は全編二人芝居でも‘動’と言える作品であった。
宮沢りえはこの作品で【菩薩】となった。
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