リアリズムの宿

劇場公開日:2004年4月17日

解説

顔見知り程度でしかなかったふたりの青年が織り成す、おかしくせつない旅を描いたオフビート・コメディ。監督は「最も危険な刑事まつり/汁刑事」の山下敦弘。つげ義春による2篇の漫画『会津の釣り宿』と『リアリズムの宿』を、「ばかのはこ船」の向井康介と山下監督が共同で脚色。撮影を「ばかのはこ船」の近藤龍人が担当している。主演は、「1980」の長塚圭史と「飼育の部屋 終のすみか」の山本浩司。

2003年製作/83分/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2004年4月17日

あらすじ

駆け出しの脚本家・坪井と、同じく駆け出しの映画監督・木下は、顔見知りではあるが友だちではない微妙な間柄。旅行を計画した共通の友人・船木が遅刻した為、仕方なくふたりで温泉街を旅することになった彼らだったが、あてをつけていた旅館は潰れているは、新たに見つけた宿では風変わりな外国人主人に金や酒をふんだくられるはと散々。途中、服も鞄も全部海に流されてしまったと言う東京から来た敦子と名乗る21歳の女の子と一時の道連れになるも、その後は船木と連絡がつかないまま持ち金も底を尽き、漸く辿り着いた商人宿は部屋も風呂も料理も最悪だった。情けなくて、惨めで、笑うしかないふたり。しかし、いつしか彼らの間には絆が芽生え、東京へ戻ったら一緒にホンを書こうと約束するのであった。翌朝、宿を後にしたふたりは、登校する女子高生の中に敦子の姿を見つける。小さく手を振ってくれた彼女に、ふたりも小さく微笑みを返した……。

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スタッフ・キャスト

監督
山下敦弘
脚色
向井康介
山下敦弘
原作
つげ義春
企画
高野慎三
製作
奥沢邦成
大島満
プロデューサー
定井勇二
富岡邦彦
岡本東郎
撮影
近藤龍人
美術
宇山隆之
音楽
くるり
録音
古谷正志
音響効果
河本敬子
照明
向井康介
編集
山下敦弘
定者如文
衣装デザイン
日原木綿子
助監督
高倉雅昭
スクリプター
木田茂
その他
安井聡子
真田愛子
元木隆史
くるり
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フォトギャラリー

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映画レビュー

3.0 ぎこちなくて貧乏でシュールで

2025年12月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

笑える

楽しい

 とある冬の日。共通の友人で俳優の舟木の誘いで、駆け出しの映画監督木下と脚本家の坪井は田舎の駅で待ち合わせる。しかし肝心の舟木が来ず、あまり面識のない二人で旅を始める。その途中、海岸でほとんど衣服を身に着けていない敦子と出会う。彼女は服が波にさらわれたといい、三人で旅をすることに。
 ぎこちなく始まった二人旅、風変わりで貧乏な旅館、シュールな会話、笑いました。二人でいい映画ができそうです。つげ義春原作の作品をいくつか観ましたが、本作はとても良く出来てると思います。しかも、原作の古さを全く感じさせないところは秀逸。
 舞台は鳥取県。原作は青森県鰺ヶ沢町。

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sironabe

3.5 よかった

2025年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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吉泉知彦

3.5 監督の演出力には説明しにくい何か独特の力があるのです 思いつくのは映像のテンポに独特の味があることです

2023年2月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ドラマはありません
あるような無いような
結局はなにもない

ただただ山陰鳥取辺りの田舎を金の無い男二人が旅するだけなのです

敦子の登場がなければ丸ごとなにもない映画です
その淳子もそれが何のドラマであるのか、意味があるのか希薄なのです

一本の映画に仕上げられるドラマ的な中身がまるでないのです

クライマックスが、ひどい安宿で笑うしかないというシーンであるほどです

それなのに、それが83分の映画として成立しているのです

コメディではありません
だからギャグもありません
普通におこる物事のおかしみだけがあるだけなのです
原作のとおり「リアリズム」なのです

それでおもしろい映画と言えるのでしょうか?
つまらなくないのだろうか?

それなのに観終わると何か意味があったように思えてくる不思議さ

監督の演出力には説明しにくい何か独特の力があるのです
思いつくのは映像のテンポに独特の味があることです
一つ一つのカットが長いのです
かといって長回しと言うほどでもない
それでもかなり長いのです
それが恐るべき粘り気をもって積み重ねられているのです
それが独特の間の味わいを作り出しているのだと思います
簡単なようで恐るべき胆力がないとまず撮れないと思います

山下敦弘監督は本作公開時わずかに28歳

リンダ リンダ リンダ
天然コケッコー
味園ユニバース

その後の傑作の数々がその才能を証明しています

2023年現在46歳
まだまだ傑作を送り出されることと思います
楽しみです

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あき240

4.0 【つげ義春の「リアリズムの宿」を再後半でキッチリと描きつつ、顔見知り程度の男二人のクスクス笑えるロードムービーに仕立て上げた山下敦弘監督のセンスに驚いた可笑しみある作品。】

2022年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

知的

幸せ

■駆け出しの脚本家・坪井(長塚圭史)と映画監督の木下(山本浩司)は顔見知り程度でしかないが、なりゆきでひなびた温泉街を一緒に訪問。
 ふたりが海を眺めていると、若い女性(尾野真千子)が半裸で駆けてくる。「一切合財を波にさらわれた」という彼女を加え、ちぐはぐな旅を続けるが…。

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・山下敦弘監督作品は、好きでほぼ観ているが、この初期作品は未鑑賞であった。だが、その後の「もらとりあむタマ子」や、「ぼくのおじさん」で、感じた緩い笑いが横溢している作品である。

・クスクス笑えるシーンは随所に描かれている。
 川で魚を釣っていた二人の所に、外国人のおじさんが現れ、アマゴを強引に売りつけ、二人が宿に戻ったら、そのおじさんは宿の主人だったシーンなど、ナンセンスコメディともとれるオカシナシーンがテンポよく描かれている。

・海岸に居た二人の所に全裸の女性(尾野真千子)が突然、砂浜を走ってやって来るシーンや、その後彼女も一緒に温泉街に泊まり、彼女だけ突然バスで帰ってしまうシーンからの、ラスト女子高生の彼女と二人が出会うシーンなども、何か可笑しい。
ー 全然関係ないが、若き尾野真千子さんが登場したのは、嬉しい・・。-

<山下敦弘監督が得意とする、ワンテンポ遅れた独特の間が絶妙に可笑しい作品。「ハード・コア」以降新作を公開していないが、俄然新作を見たくなってしまったぞ。>

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NOBU