美しい夏キリシマ

劇場公開日:2003年12月6日

美しい夏キリシマ

解説

1945年の宮崎のある農村を舞台に、ひとりの少年と村人たちの日々の営みから戦争の実態を浮き彫りにする人間ドラマ。監督は「スリ」の黒木和雄。黒木監督の実体験を基に、松田正隆と監督自身が共同で脚本を執筆。撮影を「月の砂漠」の田村正毅が担当している。主演は新人の柄本佑。第77回本誌日本映画ベスト・テン第1位、監督賞受賞、日本映画新人男優賞(柄本佑)受賞。日本映画ペンクラブ賞会員選出ベスト5日本映画第1位、日本映画ペンクラブ特別推薦、エキプ・ド・シネマ発足30周年記念第一弾、文部科学省選定、優秀映画鑑賞会推薦作品。

2002年製作/118分/日本
配給:パンドラ
劇場公開日:2003年12月6日

あらすじ

1945年8月、霧島を望む宮崎のある農村。空襲で同級生を失ったショックから体調を崩し肺浸潤と診断された中学3年生の日高康夫は、満州に住む両親と別れ、厳格な祖父・重徳と優しい祖母・しげの下でぼんやりと自宅療養の日々を送っていた。そんな彼に、想いを寄せる従姉の世津子。だが、彼女の気持ちを察するほど、彼は大人ではない。村には中国大陸から引き揚げた兵士たちが駐屯し、本土決戦に備えて演習に余念がなかった。その中のひとり・豊島一等兵は、日高家の奉公人であるなつの小作人の母・イネと密会を重ねている。日高家のもうひとりの奉公人・はるが、重徳の強い勧めで戦地で片足を失い帰国した秀行と結婚することになった。はるの祝言に合わせ、嫁ぎ先の都城から里帰りした康夫の叔母・美也子は、出撃を控えた海軍少尉・浅井と秘かな想いを通わせていたが、彼を戦地へ送り出す日が来てしまう。ある日、空襲で見殺しにした友人の幼い妹・波に許しを乞いに行った康夫は、彼女に兄の仇を討ってくれるよう言われる。ところが、何を相手に戦えばいいか判らない彼は、ただ竹槍を携えて掘った穴に身を潜めるばかりだ。やがて、終戦が訪れた。信じていたものを失った重徳は一気に老け、イネはひとり息子の稔を連れて村を出て行った。そして、康夫は進駐して来たアメリカ軍に竹槍を振り回すも、彼らが威嚇発砲した銃の音に驚き倒れる。

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スタッフ・キャスト

監督
黒木和雄
脚本
松田正隆
黒木和雄
プロデューサー
仙頭武則
制作統括
中村哲也
撮影
たむらまさき
美術
磯見俊裕
装置
平子吉文
亀園政文
装飾
須坂文昭
音楽
松村禎三
録音
久保田幸雄
音響効果
帆苅幸雄
照明
佐藤譲
編集
阿部亙英
衣裳
二宮義夫
宮本茉莉
ラインプロデューサー
金森保
制作担当
金子堅太郎
森井輝
助監督
原正弘
スクリプター
内田絢子
スチール
佐々木美智子
視覚効果
灰原光晴
3DCG
渡川豊也
三浦稔子
2DCG
佐々木弥生
岸浦秀一
岸浦敏雄
巻木良孝
柴田匠成
特殊メイク
原口智生
伊藤成昭
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 爆撃も銃撃も死者の姿すら出て来ないのですが、戦争は不幸ならざる者を一人も生まない事を一つ一つ具体的且つ細やかに描き、「戦争でみんな苦しんだ」という単なる被害者映画以上の深みに迫ります。カラバッジョの「キリストの埋葬」の絵をモチーフに天皇制を問う場面は現代の日本映画では描く勇気もないだろう。

 主人公の少年の目許が柄本佑に似ているなぁと思ったら、その通り、まだ15歳のご本人でした。

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