千年女優

ALLTIME BEST

劇場公開日:2002年9月14日

解説・あらすじ

「パーフェクト・ブルー」の今敏監督が、数十年にわたり1人の男性を思い続けた女優の姿を、時間や空間を超えて描くオリジナル長編アニメーション。小さな映像制作会社の社長・立花は、かつて一世を風靡した昭和の大女優・藤原千代子のドキュメンタリーを作るため、人里離れた千代子の邸宅を訪れる。30年前に突如として銀幕から姿を消し、隠遁生活を送っていた千代子は、立花が持参した1本の鍵を見て、思い出を語りはじめる。千代子の語りは、いつしか現実と映画のエピソードが渾然一体となり、波乱万丈の物語へと発展していく。第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門では、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」と同時に大賞を受賞。そのほか、第33回シッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞するなど、国内外で高い評価を獲得し、ドリームワークスにより世界配給もされた。

2001年製作/87分/日本
配給:クロックワークス
劇場公開日:2002年9月14日

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(C)2001 千年女優製作委員会

映画レビュー

5.0 歴史に残る名作

2024年2月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

何年振りかに映画館で観ることが出来た。やはり至上の傑作である。夢うつつの人生のあり方、幻かもしれない恋心を追って生きることを肯定する物語に映画女優として生きることを重ねる。人生は映画のようなものだ、ということをこれほど的確に描けるとは。今敏監督は現実と非現実のあわいを突破する物語を常に描いてきたけど、それが悪夢のようなものではなく、人生を彩る素晴らしいものであると、謳いあげている本作が僕は一番好きだ。人は幻を信じられるからこそ、生きていられるということをこの映画は教えてくれる。
アニメーションという媒体の面白さに自覚的な作品でもあると思う。極めて現実的な世界観であるが、現実と虚構を絵のテクスチャーで等価に描くからこそ、テーマに説得力が生まれる。映画が現実だったのか、それとも人生が映画だったのか、胡蝶の夢のような感覚を観客にダイレクトに体験させる見事さ。
エンディング曲のロタティオンも最高。

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杉本穂高

4.0 記憶

2025年10月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

もう20年以上前の作品ですが、斬新さに引き込まれました。往年の大女優・藤原千代子(声:荘司 美代子、小山 茉美、折笠 富美子)が過去を回想するというだけならともかく、そこに思い出の「鍵」をモチーフに生涯の恋をからめ、数々の出演作のシーンをつないで描いていくアイデアが素晴らしい(20~40代の声を担当した小山 茉美さんは、則巻アラレちゃんの声優さんですね)。回想しながら現実と空想が入り交じり混沌としていくところは、人間の記憶の曖昧さが活かされていて、とてもスリリングかつ共感しました。音楽も非常に効果的に作品を盛り上げていましたが、今敏監督が音楽を重視した作品とするため、自らの好みで平沢進に依頼されたようです。千代子が生涯想い続けた「鍵の君」の声(山寺宏一)がカッコよかったです!今敏監督(1963-2010)が描く「現実」と「虚構」が入り交じる描写は、日常的に夢をみたり空想したり、或いは何処か遠い国のニュースをみたりしているときに感じていることと似ていて、人間の記憶を巡るとても興味深い視点だと感じます。「あれほど愛してた人なのに、もう顔も思い出せなくなってしまった」と千代子が悲しむシーンがとても印象に残りました。

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赤ヒゲ

4.0 愛に生き、逢いに行く...か

2025年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

癒される

 番組制作会社社長の立花は、憧れでもあった銀幕を去って30年の伝説の女優藤原千代子への取材で屋敷を訪れる。千代子は、自らの出演作を織り交ぜながらその半生を語る。関東大震災の日に生まれ、女学生時代に出会った活動家に恋をし、彼が残した鍵を大事に持っていたが。
 楽しくも切ない作品でした。監督の前作「パーフェクト・ブルー」と同様、現実とフィクションが交錯しますが、今作は明るくてまるで作風が違っています。SFから時代劇まで次々シーンがチェンジしていく映像の妙は、名作「うる星やつら2ビューティフル・ドリーマー」を思い起こすほど見事でした。あちらの夢邪鬼にあたる存在が、こちらでは妖婆といったところか。最後、彼女の一途さと、立花の無念に目が潤みました。

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sironabe

2.0 回想と現実が入り混じる設定はよくあるけど分かりにくくてあまり巧いと...

2025年8月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

回想と現実が入り混じる設定はよくあるけど分かりにくくてあまり巧いとは思わなかった

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柿男