闇を掘る

劇場公開日:

解説

北海道の炭鉱(ヤマ)に生きた人々の現在をとらえた長篇ドキュメンタリー。監督は「森と水のゆめ」の藤本幸久。撮影を「こどものそら」の小林茂が担当している。第75回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第6位、芸術文化振興基金助成事業作品。16ミリ。2001年9月29日より北海道・シアターキノにて先行上映。

2001年製作/105分/日本
配給:森の映画社
劇場公開日:2001年11月3日

ストーリー

1970年頃まで、日本のエネルギー源だった石炭。最盛期、北海道には150を数える炭鉱(ヤマ)があったが、今は太平洋炭鉱が稼働しているのみである(2001年9月現在)。永井幸一郎さんは、毎年1本ずつ、事故で亡くなった仲間の為に墓標を立てている元炭鉱夫。彼には、長年想い続けたことがある。それは、戦争中に樺太(現・サハリン)で生き別れた育ての親である祖母の行方を捜すこと。念願叶ってサハリンへ渡った永井さんは、しかし何の手掛かりも得られないまま、荒れ果てた日本人墓地に仮の墓を作り、手を合わせた。波多野さん、伊藤さん、三田さん夫婦は三菱南大夕張炭鉱で一緒に働いた仲間。今も年に一度集まっては、家族ぐるみの付き合いをしている。だが、顔を合わせれば決まってヤマの暮らしの話になる。渡辺松雄さんは、塵肺という職業病に苦しんでいる元掘進係。退院しても、酸素の管が届く範囲でしか生活が出来ない。そんな渡辺さんは、何より介護で同じく不自由な生活をさせてしまっている奥さんに申し訳ないと語る。早川季良さんは、塵肺認定後、石炭から作った絵具を使って絵を描いている。還暦を機に開いた個展も好評だった。多くの炭鉱が消え、沢山の人たちが炭鉱を離れていった。しかし、今でもそのひとりひとりの中に炭鉱はこうして生き続けているのだ。

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