隣る人
劇場公開日:2012年5月12日
解説
「子どもたちと暮らす」ことを実践している児童養護施設「光の子どもの家」の日常に8年間にわたり密着したドキュメンタリー。埼玉県にある児童養護施設「光の子どもの家」は、可能な限り普通の建物で普通の暮らしを子どもたちに提供し、さまざまな事情で親と一緒に暮らせない子どもたちが、親代わりの保育士と生活している。親から愛情を受けることなく施設で暮らす生意気盛りのムツミと甘えん坊のマリナは、保育士のマリナさんを取り合ってケンカすることもしばしば。そんなある日、ムツミの母親が再び子どもと暮らそうという思いを胸に施設を訪れてくる。
2011年製作/85分/日本
配給:アジアプレス・インターナショナル
スタッフ・キャスト
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2023年3月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
血の繋がりがあるとかないとか、関係なく、信頼できる人がいれば、人間の土台はできると私は思う。
大事なのは、安心できる居場所があるってこと。
2020年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
様々な事情で入所してくる子どもたちにとって、寄り添ってくれる保育士や児童相談員は実の親よりも信頼を寄せ、安心して甘えることのできる存在である それを知っているから養護施設に勤める職員さんは真剣に子どもたちに向き合っている
普通の保育所なら1年、2年、長くても5年くらいで卒園するし、担任は1年交代であるのに対して、養護施設は18歳までそこで過ごす子も多い 幼い入所時から見守っていると、たくさんの心配、腹立たしさ、憎たらしさを感じる一方で、発達成長の喜びを職員は感じてきたことだろう 添い寝のシーンがあったが、寝る前に絵本を母親に毎日読んでもらうというあたりまえの光景が、施設の子どもたちにとっては甘える相手が日替わりだったりするわけで、職員も朝昼夜、そして泊って子どもたちのあらゆる姿をみていると、愛おしくその幸せを自分の子ども以上に願わずにはおれないのではないだろうか 実親に返すことが本当にいいのか、子どもの将来を考えると、日々職員の皆さんは実子ではない子どもたちのことを本当に真剣に考えているさまが、長期のロケから伝わってきました
制作されて8年後やっと観ることができました(10月1日 十三第七芸術劇場にて鑑賞)
2018年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
私は両親揃って姉と4人家族で育った。
不仲の両親、お酒ギャンブル家に帰らない父、ストレスで毎晩呪いの手紙を父に書くリウマチの母、私を嫌う姉の中、孤独な日々でした。
なんで誰も私を救ってくれなかったのだろうか、とても苦しい気持ちになりました。
私は愛をもらっていません。
そして自分の子どもに対しても愛せない。
愛し方がわからない。
抱きしめることが気持ち悪く感じ、触れられると一瞬で手を払いのける子育て。
ダメな親のお陰で、こんなにたくさんの愛をもらいながら成長できる子どもたちが正直羨ましく憎くも思えた。
私のような人間は観なければよかった。心を抉られる思いでした。
私の成長を祝福し涙する大人はいなかった。
でも、こういった施設のお陰で、私の幼少期のような子どもがたくさん救われたら、とても良いことだと思います。
こんな風に書きましたが、今の私は自分で自分を愛することを知り、魂は救われています。
子育ても、一般的ではないけれど、周りの助けもあり、素直にすくすくと優しく素敵な子どもたちに成長しています。
私の目標は世界平和です。
自分平和を達成したつもりでいましたが、このくらいのことで心の中心がぶれるなんて!まだまだだなぁ~。と気が付けました。
もう自分は大丈夫なんて天狗になっていてはだめですね(笑)
もっと正直に、素直に生きなくては!
子どもの私の心が「誰でもいいから、大人からの愛が欲しかった!寂しかったよぅ。辛かったよぅ。助けて欲しかったよぅ。」と叫んでおります。
今は幸せな毎日を過ごしています。
ありがとうございました!
2018年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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TBSラジオのアトロクのツイッターで、たまたまリツイートされていた紹介で、鑑賞。パーソナリティ宇多丸氏の推薦があったので、しかも、『万引家族』の鑑賞後も手伝っての興味だったのだが・・・
ドキュメンタリーである本作は、BGMもナレーションもテロップもない。只、日常の児童養護施設の出来事が映し出される。それぞれの保育士が何人か児童を受け持つことで、一つの“家族”を形成して一緒に寝起きをしながら養育するという、途方もない労力を要する方針の下で日々を過ごす内容である。中心となる話は二人の女の子を受け持つ保育士の女性とその子達との出来事なのだが、そのうちの一人の女の子の母親が、引き取りたい旨を出したときから、しかし結局、母親の精神が回復出来ない為、引き取れないという顛末を、淡々と、しかし子供達なりの隠さない本音を吐露しつつ、それでも大人の都合に巻き込まれるように右往左往するシーンを映し出す。確かに、確かに難しい。この解決策の正解なんてのは人間は発見できないのではないかと思う。正に究極の選択でもあるのだが・・・
ドキュメンタリーとして、もう少し親切心が欲しいと思う。勿論、その素っ気なさが今作の白眉なんだろうとは思うのだが、やはりもう少し脚色はあってもよいのではと思うのはダメなのだろうか。素材やテーマがいいだけに、しかし没頭感や共感が足りないところに物足りなさを感じてしまったのは、毒された証拠かな?(苦笑