四谷怪談 お岩の亡霊
劇場公開日:1969年6月28日
解説
鶴屋南北の原作「東海道四谷怪談」を「座頭市果し状」の直居鉄哉が脚色し、「関東おんな悪名」の森一生が監督した。撮影は「用心捧兇状旅」の武田千吉郎が担当。戦後七度目の映画化。
1969年製作/93分/日本
原題または英題:The Curst of the Ghost
配給:大映
劇場公開日:1969年6月28日
ストーリー
浪人暮らしの民谷伊右衛門は、仕官の手づるを掴むため、札差伊勢屋のひとり娘お梅を助ける芝居をした。そこを、妻お岩の父四谷左門に見咎められ、出世の妨げと冷然と義父を斬って捨てた。伊右衛門にすっかり惚れ込んだお梅の願いで、聟にしたいとの申し出が伊勢屋からあった。伊右衛門は妻のお岩と生れたばかりの赤ん坊が邪魔になってきた。そんな時、伊勢屋から産後の特効薬という高価な薬が届いた。それは実は毒薬だったが、お岩は何のためらいもなく薬を飲んだ。伊右衛門は、あんまの宅悦が療治に来たのをシオに外出した。かねてからお岩によこしまな想いを抱いていた宅悦は色と欲を満たそうとお岩を口説いた。が、薬の効目でお岩の顔は二た目と見られぬ恐ろしい形相になり、恐怖のあまり、宅悦は伊右衛門の悪計を残らず喋った。お岩は絶望と恨みに燃えて脇差で喉を切って果てた。伊右衛門は宅悦に手伝わせて、小者の小平を不義の相手に仕立て、惨殺するや二人の死体を戸板の裏表に釘付けにして、川に流した。間もなくお梅と祝言を挙げた伊右衛門は、初夜の床にお梅を抱いたが、その顔はお岩のそれと代った。動転した彼が思わず斬りつけると、そこにはお梅が死んでいた。屋敷内には、なおもお岩と小平の亡霊が相次いで現われ、半狂乱になった伊右衛門は、伊勢屋の主人も乳母お槙も斬り、なおも刀を振って闇の中へ姿を消していった。