愉快な極道
劇場公開日:1976年2月14日
解説
長年の極道稼業から足を洗った男が、タクシーの運転手をして更生の道を必死に生きていく姿を描いた人情喜劇。脚本は「実録外伝 大阪電撃作戦」の高田宏治と「神戸国際ギャング」の松本功と「激突!合気道」の志村正浩、監督は「強盗放火殺人囚」の山下耕作、撮影も同作の赤塚滋がそれぞれ担当。
1976年製作/89分/日本
配給:東映
劇場公開日:1976年2月14日
ストーリー
京聯タクシーの運転手石田岩次郎は、もと大阪ミナミの顔役だったが、服役中に女房を亡くし、出所後、残った一人娘の道子のためにタクシーの運転手となって堅気の生活を送っていた。ある日、京都駅で客待ちしていた岩次郎は、暴力団・西山組の白タク運転手の悪質ないやがらせに困惑している白坂由利子を助けた。数日後、娘の道子が看護婦として働いている洛西病院を訪れた岩次郎は、女医の由利子先生と再会し、すっかりのぼせてしまう。そんなある日、岩次郎の車に、西山組の幹部・森山に恋人を寝取られた政吉というチンピラが乗車した。そんな政吉に、自分の昔の姿を見た岩次郎は、政吉を説得してヤクザから足を洗わせ、運転手として働かすことにした。一方、道子は京聯タクシーの運転手、吉岡と結婚の約束をしており、最初反対だった岩次郎は、由利子の説得で渋々承知した。数日後、政吉の車に、ラブホテルから出て来た森山と政吉の恋人が乗ったため、頭に来た政吉は、車をブッ飛ばした。ところが、森山は、政吉の運転でムチ打ち症になったと会社を相手取り、賠償金百五十万円を請求した。しかし、岩次郎が森山の仮病を見抜いたため、逆上した西山組は道子を拐った。岩次郎は西山組の根城である雄琴へ乗り込み、かつての極道に戻ったかのように大暴れして道子を取り戻した。政吉が、由利子が近々京北大学の伊吹と結婚するという噂を岩次郎に報告。烈火の如く怒った岩次郎だが、伊吹が勉強のためにアメリカへ旅立ち、由利子も一人娘と亡き夫のために再婚はしない、という決心を知り、末長く友達付き合いをしよう、と約束するのだった。道子と吉岡の結婚式の日、式場にはなぜか、岩次郎の姿はなかった。