柳生武芸帳 双龍秘劔
劇場公開日:1958年1月3日
解説
週刊新潮連載の五味康祐原作を、「太夫さんより 女体は哀しく」の稲垣浩が「「元祿忠臣蔵・大石最後の一日」より 琴の爪」の若尾徳平と共に脚色し、自ら監督した時代劇。先の「柳生武芸帳(1957)」の続編である。キャストは前作出演者の鶴田浩二、三船敏郎、久我美子、岡田茉莉子などのほかに、松本幸四郎、「太夫さんより 女体は哀しく」の乙羽信子が新登場。撮影は「危険な英雄」の中井朝一。色彩はアグファカラー。
1958年製作/105分/日本
原題または英題:Ninjutsu
配給:東宝
劇場公開日:1958年1月3日
ストーリー
三代将軍家光の頃。徳川の運命を左右し、ひいては朝廷の安泰をも脅かす大事を秘めてあるという柳生武芸帳をめぐって、柳生一門と肥前の兵法者山田浮月斎の間には激しい争奪の死闘が繰返されていた。更にまた、永井家の隠し娘清姫を頭領とする虚無僧の一団も武芸帳を狙っていた。師浮月斎の命をうけて武芸帳探索を続ける千四郎は、清姫が柳生十兵衛の一味に襲われ、崖から落ちて気絶しているのを救ってから、彼女の美しさに心惹かれるようになっていた。が、共に武芸帳を探す身の使命から、相対立した立場は二人の心を容易に結ばせなかった。一方、相模川の畔にささやかな住居を営み、忍者の使命を捨て武芸帳を追う野心を捨てた千四郎の兄、多三郎は夕姫と楽しい生活を送っていた。だが二人の幸せも束の間、十兵衛に不意を襲われ夕姫が斬られた。多三郎は彼を追って旅に出た。十兵衛が但馬守の命を受けて、江戸から尾張の兵庫介の許に武芸帳を密送することを知った千四郎も、尾張へ向った。兵庫介の邸には、十兵衛のほかに、武芸帳を追う政争に不信を抱いて江戸を出奔した又十郎も身を寄せていた。千四郎は十兵衛に果し状を送り、各々の所持する武芸帳一巻を賭けて、二人は三本杉で雌雄を決することとなった。それを聞いた多三郎も三本杉に馬を走らせた。また浮月斎もこの機に一挙に武芸帳をわが手にせんものと決戦場へ急いでいた。夜の道を勝負の場へ急ぐ千四郎の後から何者かが斬りかかった。抜き打ちに斬り落したその曲者、抱き上げると清姫だった。裏切りを責められ、使命よりも恋に生きる女心から、千四郎の種を宿したままその手に斬られたのだ。千四郎と十兵衛は対決した。十兵衛が倒れた時、柳生一門が千四郎に襲いかかった。そこへ、多三郎がかけつけ、千四郎を抱えると血路を開いて逃げのびた。多三郎は千四郎の耳もとで、「死ぬな千四郎!」と必死に叫ぶのだった。
スタッフ・キャスト
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大月千四郎(霞の忍者浮月斎の隠密)鶴田浩二
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大月多三郎(元霞の忍者千四郎の兄)三船敏郎
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清姫(永井家の隠し娘薮大納言の隠密)乙羽信子
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夕姫(竜造寺の遺児多三郎の妻)久我美子
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まや(流浪の女)岡田茉莉子
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りか(又十郎の愛人)岡田茉莉子
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柳生兵庫介(尾州家の師範)初代松本白鸚
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柳生宗矩(大目付但馬守)大河内傳次郎
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柳生十兵衛(宗矩の長男)戸上城太郎
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柳生又十郎(宗矩の三男)坂田藤十郎(4代目)
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徳川家光(三代将軍)岩井半四郎
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大久保彦左衛門左卜全
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松平伊豆守小堀明男
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山田浮月斎東野英治郎
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天道法眼上田吉二郎
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坂和田喜左衛門村上冬樹
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印南勘十郎小杉義男
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馬木藤九郎西条悦朗
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唯野四八郎広瀬正一
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戸塚左門次大村千吉
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麻生の吉郎富田仲次郎
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関所の役人佐田豊
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宿の番頭桜井巨郎
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居酒屋の亭主沢村いき雄
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居酒屋の女房三田照子