水の旅人 侍KIDS
劇場公開日:1993年7月17日
解説
時空を越えてやって来た一寸法師のような小さな侍と少年との交流を、自然保護などのテーマを織り込みながら描くSFファンダジー。監督は「はるか、ノスタルジィ」の大林宣彦。末谷真澄の原作『雨の旅人』(マガジンハウス・刊)をもとに、末谷が脚本。撮影は「はるか、ノスタルジィ」の阪本善尚が担当。全篇の九〇%が合成シーンで、一寸法師のような少名彦役に「僕らはみんな生きている」の山崎努が挑戦している。主人公の少年とその姉役はそれぞれオーディションにより新人が選ばれ、また原田知世が「時をかける少女(1983)」以来久々に大林映画に出演したのも話題となった。
1993年製作/106分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1993年7月17日
ストーリー
小学二年生の楠林悟(吉田亮)は、姉・千鶴子(伊藤歩)に野球の球拾いに駆り出された川原で、雷に打たれて動かなくなった身長十七センチの小さな老武士(山崎努)を助けた。悟のおかげで息を吹き返した武士は墨江少名彦(すみのえのすくなひこ)と名乗り、自分は水源からやって来た水の精で、海を目指していると語る。悟は父・文博(岸部一徳)や学校の由紀先生(原田知世)から一寸法師の話を聞く。一方、少名彦は楠林家を探検し、ゴキブリやカラスと戦ったり、猫のホースケと戯れたり、悟に勇気や自然への優しさを教えたりするが、体は日増しに弱まっていった。そんな少名彦を助けようと、悟は春の学校キャンプ先できれいな水を求めて山の奥に入るが、その時に地震が起こり、悟は姉の野球ライバル・みゆきと共に豪雨の中取り残されてしまう。激流に飲みこまれる悟を助けたのは、駆けつけて来た少名彦だったが、そのため少名彦は瀕死の状態に。悟は由紀先生が奪ったパトカーに千鶴子と共に同乗し、少名彦を助けるため水源に向かう。洞窟の奥深く入り、水源の水を浴びた少名彦は、無事新たに生まれ変わり、海を目指して旅立つ。こうして気弱な少年だった悟は、この夏の少名彦との交流を通して、たくましく成長したのだった。