卍(1983)

劇場公開日:

解説

女二人、男一人の愛欲生活を描く。谷崎潤一郎の同名の小説の映画化で、脚本は「復讐するは我にあり」の馬場当、監督は「純」の横山博人、撮影は「忍者武芸帖 百地三太夫」の中島徹がそれぞれ担当。

1983年製作/103分/日本
配給:東映セントラルフィルム
劇場公開日:1983年3月12日

ストーリー

現職の刑事、柿内剛の妻、園子は、とある瀟洒な食器店で、ついフラフラと銀のスプーンを万引してしまい、その現場をOLの志藤光子に目撃されてしまう。この事件が公けにされれば、夫は職を追われる。園子は光子のなすがままにされ、その日から、二人の愛が始まった。そして、光子との陶酔的な愛欲に溺れる園子は、剛の性的要求にも応えられなくなってしまう。園子の変化に不審を抱いた剛は、部下に妻を尾行させ、光子のマンションを突きとめた。剛は園子を連れて光子のマンションに押しかけるが、二人はそ知らぬふりをする。二人の愛はますます深まり、一緒に墓に入ろうとまで誓いあい、生理のリズムまで合わせるようになる。鎌倉でデートをした帰り、遅くなったので、園子は友人の祥子のアパートに泊った。妊娠六ヵ月の祥子の部屋には、愛人の産婦人科医、法月もおり、彼は夜中、園子に手を出そうとして、彼女は自宅に逃げ帰った。その頃、光子のもとに母親の千草が大阪からやって来た。男狂いの千草はいい年をして、子をはらんでおり、園子の紹介で法月が堕胎処置を行なった。ついに園子は自宅にまで光子を連れて来るようになる。「お前たちはレズだろう」となじる剛。そして、女二人、男一人がひとつの部屋に川の字になって寝る奇妙な生活が始まった。やがて剛は、光子に関係を迫り、彼女もそれを受け入れる。複雑奇妙な関係から、三人は不眠症に襲われ、来る夜も、来る夜も、順ぐりに取り調べ官や被疑者になるゲームを始めた。そして、この大人に不似合なサディスティックなゲームは果てしなく続いていく。

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映画レビュー

3.5ハーレイダビッドソンの男

2022年5月16日
iPhoneアプリから投稿

雑な立ち上がりには正直閉口するところ。体あたりの演技というか、女優ふたりに取っ組み合いさせているだけのようでもある。肝心の性愛の芽生えに説得力はない。樋口加奈子の屋外放尿だとか、なんの脈絡もなくでてきて消え去る梅宮辰夫だとか、そのB級感に苦笑い。
しかし、天真爛漫でありながら尖った才気を放つ樋口加奈子には若さがもつ魅力と危うさがあり、優柔不断ながらも男臭さがムンムンの原田芳雄の掛け合いは、妙に馬があっていて、原作を裏切るラストシーンに説得力をもつ。文藝作品が題材ながら、3人による取り調べコント展開はシュールで秀逸。B級だからの良さ。

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Kj

3.0あなたのお父が好きよ

2019年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 谷崎潤一郎原作の泥沼三角関係物語。序盤はかなり無理な展開。万引きしたことを見られたと思い、光子の後をつける園子。途中、光子も亀の子だわしを万引きしていたように思えたが、銀のスプーンとじゃ値段が違い過ぎる!いやはや、なんでまたタワシを・・・。マンションまで突撃し、何でもするから許して!と懇願する園子。床に零れたミルクを舌で舐めさせられるというSMチックな主従関係・・・そこから二人のレズビアンな関係が始まったのだ。

 樋口可南子と高瀬春奈の裸体がそれぞれイヤらしい。そんな二人に絡むのが園子の夫である原田芳雄。途中は海岸でのブルーから真っ赤に染まる海がとても文学的で美しく、終盤の独創的な取り調べ劇なんてのが面白い。園子の自虐的、やっちまった感が映し出されると、美しいも何も、後戻りできない辛さがにじみ出る。それでも夫の「一からやり直そう」という優しい言葉と光子の罵倒の声。あまりにも演劇じみてきて、ちょっと萎えてもくるが、生理=赤というイメージが瞼に焼き付くかのようだった。2006年版よりかは心に残る作品(樋口効果かもしれないが)。

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kossy

3.0三人芝居

2016年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

樋口可南子は関西弁の独身女、高瀬春奈は既婚者で夫(原田芳雄)は刑事、この二人が万引きで知り合うことに。
二人はひかれあい同性愛に走るのだが・・・。
今回は二人の裸がメイン。

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いやよセブン

4.0樋口さん綺麗★

2015年6月14日
Androidアプリから投稿

自分神戸生まれなので、樋口さんの喋る神戸弁凄い好きだ〜 ちょうど私が生まれたくらいに公開されたよう。樋口さん今ではソフバンのママというイメージしかない。
男女の仲っていつの時代も一緒なんだなあと感じた〜

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EMI
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