真昼の暗黒
劇場公開日:1956年3月27日
解説
弁護士正木ひろしの著書「裁判官--人の命は権力で奪えるものか」より、「生きとし生けるもの」の橋本忍が脚本を書き、「由起子」のコンビ、今井正が監督、中尾駿一郎が撮影を担当した。主なる出演者は新人群として、民芸の草薙幸二郎、中芸の松山照夫、牧田正嗣、俳優座の矢野宜、新協の小林寛の他、「神阪四郎の犯罪」の左幸子、「ビルマの竪琴(1956)」の内藤武敏、北林谷栄、「赤ちゃん特急」の飯田蝶子、「早春」の山村聡など。
1956年製作/122分/日本
原題または英題:Darkness At Noon
配給:独立映画
劇場公開日:1956年3月27日
ストーリー
瀬戸内海に近い三原村で小金を貯めこんでいるという噂のある仁科老夫婦が惨殺され、その翌朝、皆川、矢口両刑事は笠岡市の遊廓から小島武志を検挙した。ジャンパーの血痕、指先の血糊--動かぬ証拠をつきつけられた小島は流石に色を失っていた。だが捜査本部では単独犯では片づけられない種々の事情から判断して、小島の口から共犯の事実を吐かせようと躍起になった。そして小島と同じ土工仲間の植村、青木、宮崎、清水の四人が浮び上った。連日の厳しい訊問に心身共に疲れ果てた小島は、夢遊病者のように四人も共犯だと自白させられた。緊急手配によって四人は次々に挙げられ、植村の内妻カネ子も取調べを受けた。一年後の秋、食堂の給仕女として働くカネ子は、そこではからずもこの事件を担当する近藤、山本両弁護士に逢い、植村の証しを立ててくれるようにと懇願し、差入れのために乏しい給料の中から数枚の紙幣を渡すのだった。結審の日、多数犯を強調する鋭い検事の最終弁論を、訥々と反発する近藤弁護人の額には、脂汗が滲んでいた。彼は小島の遊興費欲しさの単独犯だと主張するのである。その主張は理路整然とし、今や小島の単独犯は動かすことのできない事実であるかに思われた。しかし、判決の日、小島のでたらめな陳述と西垣巡査の保身の証言のため、弁護人の努力、家族たちの嘆きをよそに、植村は死刑、小島は無期、青木は十五年、清水と宮崎は十二年の懲役が宣告された。複雑な気持で食事に出かける近藤弁護士は、最高裁判で闘う決意を固めていた。拘置所の面会室では、植村と母が顔を見合わせていた。黙って走り去る母の背後に絶叫した。お母さん、まだ最高裁判があるんだ」と。
スタッフ・キャスト
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植村清治草薙幸二郎
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小島武志松山照夫
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青木庄市矢野宣
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宮崎光男牧田正嗣
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清水守小林寛
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永井カネ子左幸子
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近藤弁護士内藤武敏
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山本弁護士菅井一郎
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及川裁判長中村栄二
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西垣幸治巡査下元勉
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大島司法主任加藤嘉
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浅山署長代理清水元
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皆川刑事織田政雄
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亀山刑事陶隆司
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井上刑事市村昌治
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杉田刑事織本順吉
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警察医久松保夫
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白木検事山茶花究
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吉井判事芦田伸介
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立石判事三田国夫
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愛子戸田春子
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松尾夏江相生千恵子
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植村つな飯田蝶子
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植村良子鈴木洋子
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永井辰子日高ゆりえ
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永井哲夫新山幸三
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宮崎里江北林谷栄
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清水勉玉川伊佐男
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清水道子城久美子
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清水磯吉武田正憲
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清水保子夏川静江
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雄二山村聰
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仁料孫吉野浜建
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仁料たね於島鈴子
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高橋由造嵯峨善兵
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青木の老爺畑中蓼坡
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青木の老婆五月藤江
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竹内甚造小笠原章二郎
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松村宇平殿山泰司
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宇平のおかみさん原芳子
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久保田勇島田屯
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看守利根司郎
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安原弁護士石島房太郎