蛇娘と白髪魔

劇場公開日:

解説

楳図かずおの原作を「女賭博師絶縁状」の長谷川公之が脚色し、「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」の湯浅憲明が監督した怪奇もの。撮影は「闇を裂く一発」の上原明と、特撮の藤井和文が担当。

1968年製作/82分/日本
配給:大映
劇場公開日:1968年12月14日

ストーリー

小百合は、生き別れになっていた両親にめぐり合い、孤児院から南条家に連戻された。ところが、小百合を待受けていたのは明るい家庭ではなく、冷たい母親の夕子と婆やのしげだった。しかも、優しく小百合を迎えた父親の吾郎は、毒蛇の研究にアフリカへ出かけてしまった。その上、南条家に帰った小百合には、日ごと夜ごと奇怪な事件が襲いかかった。ある夜、天井から小百合のベッドに蛇が落てきた。びっくりして、部屋を見廻すと、一面蛇だらけだった。ところが、婆やを連れて戻ってみると、蛇は姿を消しているのだった。そして、ある時には、ロが耳まで裂け、首に蛇を巻いた恐しい影を見ることもあった。夕子が、小百合と姉のタマミを引合わせたのは、そんな折だった。小百合は、わけがあって学校にも行けず、屋根裏部屋で暮しているタマミに同情し、一緒に暮すことにした。ところが、朝、目を覚ますとタマミのあとにはいつも蛇のうろこが落ちていた。やがて、タマミは小百合を虐待しはじめた。蛇さながらに背中を埋めつくしたうろこを風呂場でのぞき見られたからだった。タマミに屋根裏へ追いやられた小百合は、その夜白髪魔に襲われた。恐怖におののく小百合は、孤児院に逃げ戻り、ことの始終を園長と林に話した。園長が白髪魔に殺されたのは、その晩だった。白髪魔と蛇娘は、つづいて遺産相続者の小百合を家におびき寄せ火をはなった。そして、その急場を救ったのは、小百合を追って来た林青年だった。やがて、その罪の恐しさを知った蛇娘のタマミは、白髪魔のしげとビルの上で争ううちに、足を踏みはずし、あえない、最後をとげたのだった。

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映画レビュー

4.5初めて映画化された“楳図かずお”の恐怖の世界

2022年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

初めて映画化された“楳図かずお”の恐怖の世界。「週刊少女フレンド」連載の少女向け恐怖漫画を、東映「警視庁物語」シリーズの脚本を書いた長谷川公之氏がシナリオ化。監督は「大怪獣ガメラ」(昭和40年)をはじめとする大映ガメラシリーズの湯浅憲明氏。多くのテレビ劇伴を手がけた名手、菊池俊輔氏の音楽が楳図ワールドに誘います。TVシリーズ「河童の三平 妖怪大作戦」など当時10歳の名子役・松井八知栄ちゃんが可愛い。ヒロインを助ける24歳の平泉征が若い。スリルとサスペンスがいっぱいの楳図ワールドを堪能。気持ち悪くなるようなスプラッタ・ホラー映画ではありません。原作者の楳図かずお氏も特別出演しています。蛇娘タマミ役の高橋まゆみさんは岡崎友紀の大映TVドラマ「おくさまは18歳」にレギュラー出演していた可愛い女優さん。凄みのある特殊メイクで作品を支えたプロ根性に拍手。

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papatyan

2.0赤んぼ少女とか色々混じってる

2020年4月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

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うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)

3.0日本のホラー映画のはしりであったのかも知れない

2020年3月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1968年12月公開
妖怪大戦争と併映
監督はガメラシリーズの湯浅憲明

大映京都撮影所が大魔神に替わって妖怪物を打ち出していた中、同じ大映の東京撮影所はブームが頭打ちの怪獣映画に変わる新路線は何かを模索していた
そこで目をつけたのが、1966年から週刊少女フレンドで大ヒット連載漫画を次々と飛ばしていた楳図かずおの怪奇少女漫画だ
ゲゲゲの鬼太郎が少年漫画なら、こっちは少女漫画でという訳だ
なる程子供達の半分は女の子なのに、怪獣や妖怪は男の子しか相手にしてなかった
これならブルーオーシャンだ
母親にも受ける可能性も十分にある
目の付け所は素晴らしい

楳図かずおのあの怖い漫画の雰囲気は白黒で撮影しているのもあり良く再現されていると思う
けれどもホラーとしては良い出来ではない
蛇や蜘蛛も登場するし、蛙を股裂きにする残虐シーンもあるが、怖さを追求するように作っていない
脚本も演出も良い出来とはとても言えない

特撮といえるのは悪夢のシーンとクライマックスの屋敷の家事、工事現場からの転落シーン程度で大した特撮はない
それよりも蛇娘や白髪魔の特殊メイクにこだわっているように思える程度だ
蛇娘の背中の鱗の表現は良かった
とはいえ特撮映画とはとても言えない

見所は楳図かずお本人がタクシー運転手で出演していることくらいか
劇団ひまわりにも一時身をおいていたとかでなかなかの演技だ

結局、本作のみで怪奇少女漫画路線は消える
失敗作と見做されたわけだ

とはいえ、日本のホラー映画のはしりであったのかも知れない
その意味で観る価値はある

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あき240

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