フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

劇場公開日:

解説

「奇厳城の冒険」の馬淵薫と「怪獣大戦争」の監督本多猪四郎が脚本を共同で執筆、本多猪四郎が監督した怪獣映画。撮影は「フランケンシュタイン対・地底怪獣」「怪獣大戦争」でコンビの小泉一、特技監督は円谷英二が担当。

1966年製作/88分/日本
原題:The War of the Gargantuas
配給:東宝
劇場公開日:1966年7月31日

ストーリー

フランケンシュタインの怪獣東京湾に出現の報は、全世界を恐怖のどん底に陥し入れた。以前、京都のスチュアート研究所はフランケンの不死身の心臓から新しい人造フランケンを作ることに成功した。しかしどうした訳かフランケンは逃げ出し、琵琶湖附近で消息を断っていた。研究所につめかけた記者団に対して、スチュアート博士や助手の雄三、あけみは、彼が人間に無害であり、また海にいるとは考えられないと、懸命に答えていた矢先、今度は谷川岳に怪獣が現われた。巨大な足跡を調査してみると、それが逃げたフランケンのものと判明した。そんな時またもや東京湾にフランケンが出て暴れ回っていた。博士ら三人は海藻の附着したウロコ状の体をした怪獣が山中湖へ向かうのを見て、怪獣が海と山に二匹いることを認めた。早速防衛庁に対策本部が置かれ、世界各国の科学者は討論の末「海の怪獣は山のフランケンが研究所を逃げて琵琶湖に行き、湖底の岩で躓いて足の肉をそぎとられ、その肉片が蛋白質の豊富なプランクトンを栄養源として成長し、それが海に流れて怪獣となった」と結論した。人々はいつしか山の怪獣を“サンダ”、海の怪獣を“ガイラ”と呼ぶようになった。科学者たちは山中湖で暴れるガイラを、今世紀最大の新兵器といわれる原子力放射のメーサー機(殺獣光線機)で細胞もろとも死滅させる作戦を展開した。ヘリコプター、ナパーム弾でガイラを谷川岳に追い込んだ時、山の中から松カサ状の体をした怪獣サンダが現われ、ガイラをしきりに説得した。狂暴なガイラも優しい心のサンダに従っていったん温和しくなったが、メーサー機の攻撃に怒ると、サンダに頭突きを浴せて東京へ逃げた。やっと追いついたサンダは涙を流して破壊をやめるよう言い聞かせたが、ガイラは応ぜず、凄絶な決闘となった。サンダは海水にひたって力を増したガイラに苦戦しながら、彼を東京湾外へ押し出して行った。その時、海底火山が爆発し、大音響とともに二匹の怪獣は姿を消し、再び現われなかった。

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映画レビュー

0.5この映画見て後悔した事は、メアリーシェリーの原作まで避けてしまった事

2023年3月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

2.5昔、見た記憶が

2023年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怪奇風怪獣映画のシリーズがフランケンシュタイン、海から現れたのがガイラ、陸に上がるとサンダが現れる。
ラス・タンブリンが登場、日本語を話している。もちろん吹き替え。

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いやよセブン

4.0フランケンシュタインの怪獣

2022年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

日本映画の三大怪獣といえば、ゴジラ・ガメラ・と、このサンダ&ガイラなのではないだろうか。
60年代という時代を感じさせつつも、決して子ども向けではない、追い詰められて行く怪獣たちの末路に悲哀を感じずにはいられない、まさに孤高の怪獣映画作品だと思う。

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ヒックス伍長

3.5メーサー殺獣光線車、伊福部昭の劇伴L作戦マーチに本作の価値と意義があります

2020年2月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

結論からいうと特撮ファンですが厳しいです

前作のフランケンシュタイン対地底怪獣の姉妹編とされています
劇中に前作の事件に触れますから、直線的につながる続編のようでやはり違います
なぜなら幼少時のチンパンジーのようなサンダが登場してアケミが飼育して牛乳を飲ませる回想シーンが登場するからです
これは前作とはつながらないシーンです
それ以外は劇中で語られる劇中の出来事はつながっています

フランケンシュタインの巨人は人間性を剥ぎ取られ怪獣よりにビジュアルを刷新されており、身長も前作の4メートルというな中途半端な大きさではなくて、キングコングと同等サイズで手で人間を掴む程の大きさに巨大化したものにされています

このビジュアル変更の整合性をとるために、チンパンジー風の子供から成長しことにされ、原爆被爆とかナチス由来の存在であることは無かった事にされているようです

21世紀の我々からすれば、クローンや遺伝子操作によるキメラは馴染みのある設定なので、別にこのような改変設定は無くてもよいと思えるのですが、当時は説得力を持たせる為にはこうすべきとの判断力になったのは理解できます

ガイラが人を喰らうシーンは当時としは刺激が有りすぎた位と思われます
子供にはトラウマレベルてあると思います
前作のウサギの噛み千切られた死体を小学校の教室で登校してきた子供達に発見させてパニックになるシーンや、動く千切れた手首と合わせて監督の確信犯でしょうが、現代では子供に見せられないレーティングになってしまう映像です
国際的にカルト的な人気を前作と本作がもつのはこの辺りに秘密があるように思います

しかし、これでは袋小路です
子供向けでも、大人向けでもない
子供向けとしては刺激が強すぎ、大人向けとしては物語性が薄すぎます

物語も、海彦山彦でも泣いた赤鬼でもなく、人間のようで人間でもない悲哀を描くでもない
これではキングコングではない巨大な類人猿の兄弟喧嘩に過ぎないのです

東宝特撮は前作のフランケンシュタイン対地底怪獣での反省点の回答を本作でだした訳ですが、これでは失敗と言わざるを得ません
巨人の形態を怪獣に寄せるだけでは発展性がないのは明らかです

怪獣と戦う巨人をより納得出来るものにする
その命題への答えは、実はほぼ同時に出したもう一つの回答に正解が有りました

それはウルトラマンです
本作と同じ1966年7月の放映開始です
金鉱を掘り当てたのです

しかし反面、東宝特撮は一層怪獣特撮に特化していく事になりガラパゴス化を強めて行くことになります
この弊害が明らかになるのは、まだまだ先のことになります

共同製作の米国側はもう一作続編を希望したとのことです
そもそもは、キングコング対フランケンシュタインが共同製作の企画の出発点でした
それがキングコング対ゴジラになり、フランケンシュタイン対地底怪獣になり、本作となったわけです
次回作は、やはりキングコングとの対決ものを希望したとのことですが、流石にこのフランケンシュタインでは駄目だとおもったのか、サイボーグゴジラを対戦相手にする案が浮上したとのことです
これは実現はしなかったアイデアでしたが、翌1967年のキングコングの逆襲に於けるメカニコングになります
そして8年後の1974年のメカゴジラ対ゴジラの企画の出発点にもなっているのです

さて、本作のスチュワート博士は前作のニックアダムスからラス・タンブリンに交代されています
ニックの方が特撮ファンには人気がありますが、ハリウッドではラス・タンブリンの方が名前も売れていますし実績もあり、格はずっと上でしょう

彼は来日して撮影にはいった時、ニックとは違がって日本人スタッフと全く交流しなかったそうです

それが本作の演技に、よそよそしさがにじみでているように思えます

なにしろ彼は有名なミュージカル映画、掠奪された七人の花嫁でも、あの不朽の名作ミュージカル映画のウエスト・サイド物語でジェット団のリーダー役としてもダンスシーンの見事さでキャリアを積んで名声を得た役者です
その後、鳴かず飛ばずだったのですが、日本で映画を撮りに行くのは食うためには仕方ないとしても、ダンスを披露するわけでもない科学者役では仕事も身が入らないのは当然と思います
彼に取っては屈辱の仕事だったのだと思います
この配役は疑問があります
ニックを変える必要は全く無かったはずです

いずれにせよ、東宝特撮の怪獣と怪人の二つの路線を掛け合わせるというフランケンシュタインのシリーズは本作を持って終了します

東宝特撮は怪獣と怪人とSFの3つの路線を、3つとも統合したウルトラマンのシリーズと、ゴジラの怪獣路線で行くことになったのです

では、本作は完全な失敗作なのでしょうか?
それでも良い所はあります
それは特撮ファン永遠のアイドル、66式メーサー殺獣光線車です
これと伊福部昭の劇伴L作戦マーチです
これだけでご飯を何杯もいける特撮ファンは多いと思います

このメカと劇中のカルト的シーンだけで、世界的な人気はこれからも保ち続けるでしょう

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