人間交差点・不良
劇場公開日:1993年5月8日
解説
昭和三〇年代後半のある地方都市を舞台に、一人の不良少年が、ヤクザや若い娼婦との交流を通して成長していく姿を描く。『ビッグコミック・オリジナル』(小学館刊)に掲載された連作劇画『人間交差点』シリーズ(原作・矢島正雄/作画・弘兼憲史)の一編の映画化で、監督は「獅子王たちの最后」の高橋伴明。脚本は「BEST GUY」の高田純。撮影は「愛について、東京」の安藤圧平が担当。主役の男女二人にこれが本格的映画デビューとなる志村東吾と森崎めぐみが扮した。
1993年製作/70分/日本
配給:パイオニアLDC
劇場公開日:1993年5月8日
ストーリー
昭和三〇年代後半のある地方都市。加納修司は市会議員の大久保の選挙運動員として奔走する父・英夫と、夫婦生活に失望している母・敏江との間で、やり場のないエネルギーを暴力として発散させる日々を送っていた。だがそんな日常は、彼が傷つけた組員が属するヤクザの組長・金岡や、母・千栄子の経営する安酒場の二階で体を売る少女・ゆかりとの出会いにより変化していく。金岡とは高校生とヤクザという関係を越えた奇妙な友情を培うが、地元の工場主と警察、さらに組合幹部の西脇らの間で仕組まれ金岡が請け負ったスト破りの茶番劇のカラクリを聞き、大人の世界の醜さに愕然となる。そんな修司が唯一心を開くのはゆかりだけとなるが、彼女の肉体は白血病に冒され余命いくばくもなかった。そのことを知った日、二人は初めて結ばれた。幾日かたった夏の終り、ゆかりは一人の赤ん坊を残して死んでいった。それから一か月後、大学進学の決意を金岡に伝える修司の姿があった。今までの自分に別れを告げる彼の姿が……。