光る海

劇場公開日:

解説

石坂洋次郎の同名小説より、「野獣の青春」の池田一朗が脚色、「現代っ子」の中平康が監督した青春もの。撮影は「太平洋ひとりぼっち」の山崎善弘。

1963年製作/126分/日本
原題または英題:Bright Sea
配給:日活
劇場公開日:1963年12月25日

ストーリー

四年間、三十三人の女子学生の中で耐えてきた英文科の七人のサムライ、野坂、向井、浅沼等は、卒業式もついに、総代を作家志望の石田美枝子と、美人の葉山和子にとられて、気が重かった。卒業パーティの終ったあと、忘れ物のバッグを届けに野坂は、美枝子の家を訪れた。美枝子の母雪子は、田島と離婚し、銀座でバーを開くマダムだった。この夜、野坂は、祝杯に酔った美枝子と何の約束もなくベーゼを交はして別れた。卒業後野坂は放送局に、美枝子は創作に、和子と浅沼は和子の伯父矢崎の経営する貿易会社にと、忙しい日々がすぎていったが、ここにグループにとって大問題が生じて来た。浅沼と同棲している木村栄子が妊娠したのだ。浅沼は、結婚を秘して入社し、アメリカに留学もきまっている現在話は難行したが、会社は和子、出産は医者を父にもつ野坂の計いで落着した。その夜和子は野坂を家に誘った。そこで、和子の妹で、おしゃまな現代っ子の久美子から二人の間の微妙な感情を指摘され、たじろいだ。一方美枝子は、出版社に勤める向井の進めで二つの作品を新人賞に応募した。そんな日、母の経営するバーで和子の伯父の矢崎に会い、病気の妻信子が、雪子親子に会いたがっていると聞かされて美枝子は一面識もない人々の申し出に驚いた。それから数日後、浅沼と栄子は目出度くゴールインした。全て友人でまかなわれた珍妙な結婚式で、途中、栄子が男児を出産する騒ぎだった。一方美枝子は応募した作品が新人賞に入選した。何かうれしく不安な自分を、今こそ野坂に全てを与えても悔いないと思ったが、野坂は和子と婚約を発表していた。また雪子も矢崎の亡き妻信子の遺言通り、結婚し、幸福そうだった。日活ホテルで、美枝子の新人賞受賞パーティーの開かれた席上、野坂と和子を祝して、美枝子は「私は、結婚はぬきにして、以前から野坂君の逞ましい身体に噛みつきたいと何度か思ったことです。二人ともお目でとう」ユーモラスな祝辞にわき返る皆の顔が、涙でうるんだ美枝子の目に金色に輝く海に変化するようだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0なぜこの映画を観たのか?

2024年6月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

なぜこの映画を観たのか?
40年前、高校の課題図書で読み、当時刺激的だったこのストーリーの映画があると知ったからである。

学びのある映画だった。
ミュージカルのように、心情や気持ちをストレートに出すセリフの応酬。
1960年代前半の町並み、建物、ファション。実に興味深い。

吉永小百合の直線的な物言いと躍動感ある動作も魅入るものがある。
それにしても出演者達の会話はなぜこんなに速いのか。
日常生活であれば、モゴモゴで終わりそうな会話が、ここでは息をつく間もなくアウトプットされまくる。
だけどそれが何かしらの納得感や伝わり感につながる。

後半の田中絹代と高峰三枝子のやり取りも見応えがあった。
心の底を言葉に素直に出すと言うのは大事だと改めて思わせる。

前半の卒業式あとの茶話会。各々男性陣の一言挨拶の内容も興味深くおかしい。
今とはひと味ふた味も違う。

途中、小田急ロマンスカーが通過する公園のシーン。ここはどこなのか?経堂〜祖師ヶ谷大蔵間のどこかと目星をつける。

1970年代以前の日本映画は当時を知ることができそれだけでも貴重である。

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Karimar

4.5開放的で案外面白い。 吉永小百合、十朱幸代、和泉雅子、の女優陣も良かった。

2020年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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KEO

2.0 台詞がやたらと多い!よくぞここまで暗記できたものだと感心してしま...

2018年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 台詞がやたらと多い!よくぞここまで暗記できたものだと感心してしまう。基本的には浜田光夫と十朱幸代、吉永小百合と山内賢。そして彼らの家族や同級生たちの群像劇となっているのですが、どうも面白くない。セックスといった言葉を女優に喋らせることは画期的だったのかもしれないけど、社会人となった彼らの結婚観は現代からみるとまともだし、特に感慨深いものはない。ただ吉永小百合のメガネをかけた才女ぶりは面白い設定だ。

 そんな中でも光った演技は田中絹代。彼女ががんで死ぬために夫の後妻を指定するなんてところは面白い。

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kossy