花くらべ狸道中
劇場公開日:1961年1月3日
解説
「忠直卿行状記」の八尋不二の脚本を、「疵千両」の田中徳三が監督した狸・ミュージカル。撮影は「一本刀土俵入(1960)」の本多省三。
1961年製作/79分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年1月3日
ストーリー
狸の国の大王選挙で、江戸文福党の放った刺客、党主文福の娘きぬたと腹心茂十らの刃に重傷を負った阿波徳島党の首領文左衛門に代って雷吉と新助が江戸へ行くことに決った。雷吉の恋人たよりは貧しいが純情娘、雷吉の身を案じて木の実の首かざりを餞別に贈った。雷吉に好意を持つ主人の娘しのぶはそれをみてがっかりする。雷吉、新助は弥次郎兵衛、喜多八になりすまし阿波を出発した。京は三条、池田屋へ宿をとった二人を見出したきぬたは、仇っぽい旅絵師お伝に化けて酒と女に甘い喜多八をグラマーで悩殺、あわや一命も危いところへ弥次郎の化身の街によって救われた。無一文で京を逃げだした二人は、桑名の賭場で弥次郎が賽に化けたため喜多八の勝ち放し、ゴキゲンなところへ現われたお伝がそれを喋ったため賭場は大騒動。弥次郎とはぐれた喜多八は、お伝や茂十の術策に俵につめられ川に投げこまれた。弥次郎も文福党一味に襲われるが、たよりのくれた首飾りが危険信号を発して、危いところを免れ、またそれによって喜多八を救った。その頃、雷吉恋しさにたよりは彼を追って江戸へ旅立った。それを知ったしのぶも江戸へ。重なる失敗に文福党は、大挙して箱根で網を張った。そこで展開された虚々実々の化けくらべでは、弥次喜多コンビの化け勝ちとなって難関を突破した。次の宿で祝盃をあげる二人にたよりがたずねて来たが、喜多八はお伝と思って追い返した。一人のたよりを捕えた文福党はそれをおとりに弥次喜多を捕まえてしまった。それをみて、たよりは泣き出した。そして、その涙は真珠の玉となって流れ弥次喜多をしばる縄は切れてしまった。さすがのお伝もたよりの美しい心に負けて牢の鍵をあけてやるのだった。いよいよ狸御殿で大王選挙が行われようとした時、現われた弥次喜多が激しい乱闘の末文福をとりおさえるが、彼らの罪を許し、これからは仲良くやっていこうと手をさしのべた。折から、徳島より傷いえた文左衛門が到着、大王の地位は彼に決定した。今や平和に戻った狸御殿では賑やかな狸祭りが始まっていた。
スタッフ・キャスト
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雷吉狸市川雷蔵
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弥次郎兵衛市川雷蔵
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たより若尾文子
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森の石松小林勝彦
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きぬた (お伝)中田康子
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新助狸勝新太郎
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喜多八勝新太郎
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しのぶ近藤美恵子
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ミス狸A浦路洋子
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ミス狸B宮川和子
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ミス狸C藤原礼子
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芸妓白雪真城千都世
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ミス狸D加茂良子
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ミス狸E小町瑠美子
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ミス狸F毛利郁子
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茂十狸宮坊太郎
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兵衛狸清水元
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文福狸見明凡太朗
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お梅楠トシエ
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桑名の船頭井上ひろし
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歌う大原女スリー・キャッツ
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芸妓富士春五月みどり
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弥次喜多連の歌手赤坂小梅
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黒助狸伊達三郎
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文左衛門狸葛木香一
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貸元光岡龍三郎
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喜助天野一郎
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うどん屋の親爺菊野昌代士
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賭場の若い者越川一
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要介狸大杉潤
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伝蔵狸山岡敬四郎
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富松狸白神猛
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庄八狸丸凡太
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中盆有村淳
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お糸種井信子
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お春和田房子
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阿波踊りの芸妓谷口和子
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おみの東山京子
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お芳近江輝子