発熱天使
劇場公開日:1999年10月9日
解説
蒸発した友人を探して夏の北京を訪れた日本人青年との出会いを通して、4人の中国人芸術家たちの心情を綴る半ドキュメント・ドラマ。監督・脚本は「愛より青い海」の前田和男。撮影を岩渕弘が担当している。主演は「金融腐蝕列島 [呪縛]」の椎名桔平。また、出演するアーティストたちは、北京に在住する実在の人物である。8ミリ+16ミリからのブローアップ。
1999年製作/109分/日本
配給:パオネットワーク=龍影
劇場公開日:1999年10月9日
ストーリー
夏の北京に、ひとりの日本人の旅人が蒸発した画家である友人を探してやってきた。手がかりは、人民解放軍の衣裳を着た少年が写った20年前の写真が一枚きりあるだけ。ある日、女流画家の聶牧と食堂で知り合った旅人は、彼女の紹介によって画家のリウ・ウェイから、ロック・ミュージシャンの鄭釣、CMプロデューサーの鄭浩へと友人の行方を尋ね歩いていく。しかし、誰も心当たりはないようだ。捜索の一方で、中国語の話せない旅人はそんな彼らと通じないながらも会話を楽しんだ。彼らは皆、芸術活動に厳しい制限をしてきた国家に対抗して孤独な闘い=表現活動を続けてきた人物である。だが、話が天安門事件に及ぶと一様に表情を暗くするのであった。更なる捜索を進めていく旅人。やがて、彼は鄭浩の紹介でひとりの妖艶なダンサー・金星に出会う。彼女こそ、写真の少年に他ならなかった。9歳でダンスを始め、19歳で中国の代表として欧米へダンス留学した天才である彼女は、実は中国における性転換手術第一号でもあった。彼女の残酷で純粋で孤独な人生に耳を傾けるうち、旅人は自分が探していた友人とは自分自身であったことに気づく。