博徒解散式
劇場公開日:1968年2月9日
解説
「網走番外地 大雪原の対決」の神波史男と、長田紀生が共同でシナリオを執筆し、「解散式」の深作欣二が監督したやくざもの。撮影は「河内遊侠伝」の星島一郎。
1968年製作/90分/日本
原題または英題:Gambler's Dispersion
配給:東映
劇場公開日:1968年2月9日
ストーリー
岩崎組幹部の黒木徹が八年ぶりで出所してみると、世間は暴力団取締りの声でいっぱいだった。岩崎組も解散に追い込まれ、黒木は岩崎に頼まれ、運輸会社を任せられた。しかし、別の運輸会社の社長は、黒木、河西と共に岩崎組の三羽烏といわれた唐沢で、唐沢は自分の利益のために黒木の会社を潰そうと企んでいたのだ。しかも、県警本部長前田の頼みで、船主たちは黒木の会社に仕事をくれなかった。唐沢はそんな時、黒木に仕事を回してくれたが、キツイ仕事に沖仲士が反抗するのを見越してのことだった。案の定、沖仲士たちは過重労働に憤激して暴動を起した。黒木はその陰にいて沖仲士を探っているのが唐沢と知り、唐沢一味と賭博で勝負をつけようと申し入れた。黒木は根っからの博奕打ちで、彼は決して昔気質のやくざの心を捨てられはしなかったのだ。黒木の女あき子は、彼が仲間から取り残されていくのを淋しげに見ていた。あき子の心配どおり、賭場に唐沢たちは姿を見せず、逆に唐沢の通報で、黒木は賭博罪で逮捕されてしまった。その間に、黒木の部下のイサオ、権藤が殺され、岩崎も死んだ。岩崎組は完全に壊滅してしまった。すべては唐沢の計算通りだったのだ。やがて釈放された黒木はこの事態を見て、秘かに決意するものがあった。あき子はアメリカ人と結婚するため日本を去り、ひとりになった黒木は、単身、唐沢の所に向った。そんな黒木に、かつての仲間河西が刃を向けたが、黒木は簡単に倒した。唐沢の不意をついた黒木は、なんなく唐沢も倒した。おりから港は開港百年祭で賑っていたが、花火やパレードの騒ぎも、黒木にはむなしいものとしかうつらなかった。