1981年公開、配給・東宝、製作・角川春樹事務所。
【監督】:大林宣彦
【脚本】:植木昌一郎
【原案】:葉村彰子
【原作】:眉村卓〜『ねらわれた学園』
主な配役
【三田村由香】:薬師丸ひろ子
【関耕児】:高柳良一
【高見沢みちる】:長谷川真砂美
【星の魔王子】:峰岸徹
1.ザ・角川映画
稀代の冗談映画『金田一耕助の冒険』で初タッグを組んだ2人、
角川春樹&大林宣彦コンビが放つ、薬師丸ひろ子のプロモーション映画。
◆眉村卓の文庫本をガンガン売りたい
◆『野生の証明』でブレークした薬師丸ひろ子の人気をさらに沸騰させたい
そんな角川春樹の純な?(笑)野望を形にしてみせた、大林宣彦監督。
映画としての出来映えは二の次?
という疑念にもうなづけてしまう。
2.眉村卓と少年ドラマシリーズ
1977年に『ねらわれた学園』を原作としたテレビドラマがNHKで放送された。
「少年ドラマシリーズ」とされた18時05分からの30分は、いまから思えば魔法の時間だった。
◆『タイムトラベラー』〜筒井康隆『時をかける少女』
◆『七瀬ふたたび』〜筒井康隆
◆『怪人オヨヨ』〜小林信彦『怪人オヨヨ大統領』
◆『暁はただ銀色』『夕ばえ作戦』〜光瀬龍
◆『気まぐれ指数』〜星新一
◆『つぶやき岩の秘密』〜新田次郎
◆『霧の湖』〜久住十蘭
ほか多数
いわゆるジュブナイルにとどまらず、井原西鶴や松本清張なども原作として用いて、上質なドラマが多かった。
眉村卓の作品は、
『ねらわれた学園(ドラマタイトルは『未来からの挑戦』)』、
『名残の雪(ドラマタイトルは『幕末未来人』)』、
『なぞの転校生』
がドラマ化された。
話がそれてしまったが、
言いたかったのは、そういう作品群の突拍子なさ、他愛のなさ、都合良さに慣らされていて、
本作を劇場で観たときも、なんの違和感もなかった。
したがって本作の受け止め(評価)は、世代によってなかり異なると思う。
3.薬師丸ひろ子
彼女は、突き抜けた美女でもないし、演技をどうこう言う感じでもない。
ただ、間違いなく時代のアイコンのひとりだ。
「か・い・か・ん」は別の作品だが、それを含めて、
ちゃんと角川の看板娘を演じ続けた。
薬師丸ひろ子は、薬師丸ひろ子だ。
誰かに例えるのは難しい。
4.まとめ
作中のセリフ回し、空気感、、、
当時の中でもフツーではない。
「東京の高校はこうなのかー」
なんて思いながら観ていた。
青春に帰れる作品のひとつ。
唯一、峰岸徹はミスキャストでしょう。
☆4.0