日本やくざ伝 総長への道
劇場公開日:1971年3月6日
解説
「網走番外地」「昭和残侠伝」「日本侠客伝」のシリーズを持つ高倉健の新シリーズ第1作目。原作は『週刊大衆』に連載中の藤原審爾の『総長への道』。脚本は「人斬り観音唄」の高田宏治、監督は「昭和残侠伝 死んで貰います」のマキノ雅弘。撮影は「驚異のドキュメント 日本浴場物語」の赤塚滋がそれぞれ担当。
1971年製作/99分/日本
配給:東映
劇場公開日:1971年3月6日
ストーリー
昭和初期。高崎前田一家代貸不動竜太郎が、関東前田一家の総長に推されたことから総長の跡目相続をめぐって一家一門の対立が始まった。竜太郎は、刑務所入りした兄弟分大松虎吉にお若のことを託されたがこのことを知った貸元の大宮は総長の座を我がものにするために、二人の仲を断ち切ろうと、イカサマ師の蜘蛛の十郎を使ってお若を手ごめにしてしまった。これを知った竜太郎は、お若を寝とり一緒に逃げた十郎を追って浜松に向った。浜松で、十郎とお若を追いつめながら逃がしてしまった竜太郎は、賭場荒しに間違えられるが、そのことがきっかけで土地の河合組貸元河合己之吉と知りあった。竜太郎は、しばらく浜松に逗留することにしたが、その竜太郎のもとに、大阪南善一家から助ッ人頼むとの電報が届いた。落ち目の南善一家は、どぶ屋一家にその縄張りを荒され一触即発の状態にあったが、とうてい勝目はなく、この策略は竜太郎を窮地に追いつめるために大宮がたてたものだった。その上、大宮はどぶ辰ともつながり、跡目を継いだ後は関西一帯の利権をも独占しようと考えていた。大阪の南善一家に入った竜太郎は、一家の縄張りを取り戻すためにどぶ屋一家に乗り込んだが、そこで意外にも己之吉と出逢った。己之吉は若い頃どぶ辰に拾われて目をかけられ浜松を仕切っていたのだ。その頃、高崎では大松が出所、大宮は事情の呑み込めない大松に竜太郎とお若の仲を偽って告げ大阪に仕向けた。久し振りに出逢った竜太郎と大松の二人の間には、何かしっくりしないものがあった。そして大宮も、この機会に南善一家を潰そうと大阪へやってきた。大宮とどぶ辰は計画通り、南善親分とその妻お才を刺し殺した。一方、捜しだされた病身のお若は大松に、竜太郎の潔白をいい残し息絶えた。竜太郎と、事実を知った大松はどぶ屋一家へと向った。