日本の悪霊

劇場公開日:

解説

現代日本の作家のなかで〈罪と罰〉の問題を根源的な思想の課題として、それを追求、深化しうる数少ない作家の一人といわれる高橋和巳の同名小説を「異聞猿飛佐助」の福田善之が脚本にあたり、「キューバの恋人」の黒木和雄が監督する。撮影は記録映画出身の堀田泰寛が担当。

1970年製作/96分/日本
配給:ATG
劇場公開日:1970年12月26日

ストーリー

ヤクザの発祥の地群馬のある小都市。この都市では新興ヤクザの天地組が古い伝統をもつ鬼頭組を押しまくっていた。鬼頭組の助っ人としてヤクザの代貸村瀬がこの町にのりこんできた。過去、日共の六全協に象徴される当時の政治状況のなかで、山村工作隊員として山林地主を殺し逃亡した村瀬にとっては、この町は自己の青春を賭けた土地でもあった。一方落合は暴力行為取締のデカとして県警本部より派遣された。ヤクザ村瀬と同一人物のごとくよく似ている落合は、出迎えのヤクザに村瀬と間違えられてしまう。このことがきっかけで、ヤクザとデカが入れ替る。落合にとってはヤクザの世界は潜在的にあった彼自身の自由へのあこがれでもあり、村瀬にとっては当時の犯罪事件を明らかに調べるチャンスでもあった。村瀬と落合は、次第に親近感を持ち始め、過去のオトシマエをつけるために署長らが列席する、幼稚園の開園祝賀会へとなぐりこんでいった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

3.0瓜二つ

2021年3月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ヤクザと刑事が二役なので、混乱してしまうストーリー。どちらにしても反権力という思想があるのだ。学生運動に嫌気をさした村瀬、同世代の若者に特攻させたという過去のある刑事。

 全共闘時代の中、なんだかどうでもよくなるストーリーだが、なぜか虚しさを感じる。重要なキーパーソンである少女はどちらかの子を孕んでしまうことも虚しさを象徴している。そんでもって岡林信康が何度も登場して歌を歌ってるのも印象的。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
kossy

他のユーザーは「日本の悪霊」以外にこんな作品をCheck-inしています。