日本製少年

劇場公開日:

解説

親殺しの過去を持つ青年と、心臓にペースメーカーを埋め込んだ少女の行動を軸に、都会で暮す若者の精神的な混乱を描いた青春映画。脚本家を経て「オクトパスアーミー シブヤで会いたい」で監督デビューした及川中の映画第2作。撮影の山本英夫には第1回作品となる。主演はもと光GENJIのメンバーの大沢樹生。共演はグラビア・アイドルで現在は引退したと伝えられる嶋田加織。(R指定)

1995年製作/105分/日本
配給:M&M FILMS
劇場公開日:1995年12月2日

ストーリー

かつて父親をゴルフクラブで殴り殺そうとした過去を持つ田中大和は、巨大遊園地で掃除夫のアルバイトをしていたが今は職を失い、浦安の粗末なアパートの一室に暮らしている。実りのないアルバイト探しを続ける大和は、ある日池袋の駅前でティッシュ配りをしている少女・薫と出会った。大和は強引に薫に近付いていき、二人はお互いの心の中にある孤独と絶望を感じ取る。ティッシュ配りの仕事をしたいと思った大和は薫の事務所へ赴き、そこが売春とトルエンの売買を本業としていることを知った。事務所にいたエリは拳銃まで持っており、いたずらに薫に手渡したりする。薫は心臓の病気で胸にペースメーカーを埋め込んだ体で、そのペースメーカーの電池が間もなく切れるという。事務所で大和と体を重ねようとしても薫はペースメーカーのおかげでドキドキしない、と言った。事務所の社長・松浦は、ヤクザまがいの気配を漂わせながらも、その事務所の少女たちを奇妙な家族的雰囲気でまとめており、大和もそのファミリーの一員となってトルエン売買を任されることになる。大和と薫の仲はより近付いていき、薫は未だ持っていた拳銃を大和に手渡し、自分を殺したら(ペースメーカーがあるから)燃えないゴミに捨ててくれと言った。どこか危険に思われた大和は、それでも地道にトルエン売買の仕事をこなしていたが、ある時その現場を三人組の不良少年に襲われ、弾みで一人を撃ち殺してしまう。大和は一旦事務所に戻るが、そのまま薫と逃走することになった。行くあてもなく放浪する二人は、ふと大和の実家のマンションを訪ねるが、大和の動揺をよそに家は留守。二人が大和のアパートに戻ると、そこに松浦が来ていた。松浦は事件のため事務所が打撃を受けたことを述べ、大和たちに一緒に来ることを説く。大和と薫は松浦を撃ってそこから逃げ出した。浜辺へ辿り着いた二人は、チクシテツヤは俺たちのことを何と言うだろうと話しながらこれでやり直せると感じ合っていた。薫は、これからのことを考えたらドキドキしたと嬉しそうに言ったが、その直後に砂の上に倒れてしまう。大和は薫の死体からペースメーカーを取り出し、薫を生ゴミのカゴに捨てた。そして大和は、巨大遊園地を背に夜の闇へと去っていく。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚本
及川中
プロデューサー
菅野悦子
共同プロデューサー
平田樹彦
撮影
山本英夫
美術
横倉正志
音楽
二見裕志
WORLD FAMOUS
録音
中山隆匡
シネマサウンドワークス
照明
奥村誠
編集
岡田輝満
アソシエイト・プロデューサー
木藤幸江
助監督
砂川浩二
スクリプター
天池芳美
製作協力
上原凡由
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映画レビュー

5.0超名作

2021年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この映画を20年以上前にVHSで見てから
今まで5回見ている。
全ては嶋田香織の女優力が忘れられない記憶として
こびりついているからだと思う。

この映画に出てくるヒロインの嶋田香織は
日本ヒロイン史上圧倒的存在感がある。
いまだ自分の中で1位という悲しい現実もある。
惜しいのは、主演の大沢が、その演技力に追いつけていない点だ。

撮影もめちゃくちゃうまい。
山本英夫撮影デビュー作だというが
めちゃくちゃ上手い。

Blu-rayで復刻されるのを望む。

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Nov
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